つるピカハゲ丸
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『つるピカハゲ丸』(つるピカハゲまる)は、のむらしんぼによる日本漫画作品。

月刊コロコロコミック』『小学館の学習雑誌』で1985年から1995年まで連載。別冊コロコロコミックにて『つるピカハゲ丸21』が1999年から2000年に連載。2005年のベストセレクション上下巻において新作を掲載。2007年には読切の『つるピカハゲ丸2007』が掲載。『コロコロイチバン!』でも2009年から2015年まで連載していた。単行本は全25巻。2005年にはベストセレクションが上下巻で刊行され、2012年2月よりコロコロイチバン版が1巻から刊行、全3巻が発売された。2011年4月時点で単行本は累計500万部を売り上げている[1]
概要

頭髪が3本しかない小学生・ハゲ田ハゲ丸とその一家が、強引かつ本末転倒な様々な節約を試みるという4コマギャグ漫画。彼らの節約術には「つるセコ」という造語が付けられており、とにかく『セコい』のがテーマ。

第33回小学館漫画賞児童部門受賞作[2]

1987年には『別冊コロコロコミック』にて「おぼっちゃまくん」との合作も行っている。

続編として1999年から2000年に『別冊コロコロコミック』にて『つるピカハゲ丸21』が連載された。雑誌『SPA!』の一コーナーではサラリーマンになったハゲ丸たちが描かれた。

2007年より『週刊漫画ゴラク』にて、北海道へ単身赴任となった父のハゲ蔵を主人公にした『“つるセコ課長”単身赴任記!! ハゲ田ハゲ蔵』の不定期連載を開始。また、2007年5月25日発売の『熱血!!コロコロ伝説』vol.6 には、連載終了から眠りについていたハゲ田家が12年ぶりに目覚める描きおろし作品『つるピカハゲ丸2007』が掲載された。そして、連載終了から14年の時を経て、『コロコロイチバン!』26号より『つるピカハゲ丸』として連載復活。

『コロコロコミック』連載の『つるピカハゲ丸』より5年後に同誌で連載開始された『スーパーマリオくん』では、ごく初期にマリオがドロボウの格好でコインを集めたり、クッパが代金を値切ったりした時、それらの行動が「つるセコ」と呼ばれることがあった(特に、ドロボウ姿のマリオは「つるセコマリオ」と呼ばれた)。

2008年12月1日号の『R25』では、「つるセコの極意を学べ!」というタイトルで、つるセコの考え方を紹介する記事が掲載されている。そこには、原作者であるのむらしんぼが実際に実践しているつるセコが紹介されている。これは、掲載当時「100年に一度の不景気」とマスコミで言われていたほどだったことから、節約のススメを示したものである。

安価に釣りができるようにする題材を示すべく、釣りの雑誌『Rod and Reel』に登場したこともある。
登場人物
ハゲ田家

東京都練馬区梅桃町に一軒家を構える、主人公の一家。その名の通り、「男子は代々ハゲしか生まれない」とハゲ丸が生まれた時に父ハゲ蔵が言っており、その他にはハゲ丸が近藤に見せた家系図で明かされた人物の名には全員「ハゲ」が付いており[注釈 1]、全員が頭もハゲである[注釈 2]。家族全員がつるセコにいそしみ、周囲の人間を巻き込んで騒動を繰り広げるというのが本作のギャグパターンである。「つるセコ」のそもそもの発端は、ハゲ丸の誕生で育児費用が掛かるようになったためと説明されているが、田舎のじいちゃんとばあちゃんもセコいため、元々そういう家風だったきらいがある。家族構成は当初、ハゲ丸と両親、それに飼い犬のペスだけだったが、後にばあちゃんと弟つる丸が上京、さらにつる丸が作成したロボ太郎を加え、最終的には5人+1匹+1体となった。ただし、ばあちゃんは中盤以降ほとんど登場しなくなる。家族行事として「年に一度のぜいたく」と称し、外食に行ったり旅行へ出かけたりする場合もある。
ハゲ田 ハゲ丸(ハゲた ハゲまる)
- つかせのりこ(1話 - 37話)→杉山佳寿子(38話 - 59話)本作の主人公。小学5年生。クラスは4組。ただし、学年誌掲載時には、読者と同学年に設定されている場合もある。名の通り、生まれつき頭がハゲている少年。頭のてっぺんの3本の毛はオバケのQ太郎、服装は『おそ松くん』のチビ太と共通するが、のむらしんぼ自身は当初気付かず、無意識にデザインしたものとコメントしている[3]。非常に太い眉をしている。石ころを割ってしまうほどの石頭で、お仕置きで叩き続けた桜先生の方が手を傷めてしまうほど。遠くから食い物を見つけるのが訓練になっていて、視力は2.5を記録。誕生日は1月1日。やぎ座。親譲りのセコさだが、友人(主に近藤)の持つ玩具などを欲しがる所から、両親から半ば強いられている節がある。極度の貧乏のわりにファミコンを持っているが、話によっては持っていない描写もある。いつも舌を出している[注釈 3]。口癖は「もうけたぜ?」「ぐひひ」「ナイスだぜ」「一石二鳥」「●●いらないぜ?」「●●代ういたぜ?」「作戦成功」[注釈 4]。服装は、長袖に半ズボン。夏・冬など季節に関係なく、いつも同じデザインのものを着ていて、違う服を着ることは、就寝時を除けば、ほとんど無い。勉強は苦手でほとんど0点、たまに奇跡的に50点をとるくらい。運動も徒競走でビリになったり泳げないなど苦手であり、成績もオール1や1と2ばかりなど、かなり悪い。しかし、つるセコやお金に関することなら、算数の計算でも簡単にこなせる。未だに時計がちゃんと読めないらしい。体格は弟・つる丸とほぼ同程度[注釈 5]。身長のわりに頭が非常に大きく、作中では「でか頭」と表現される。すでにとおちゃんより大きいらしい。近藤など他人からいたずら(つるセコ)をされることがあるが、ほとんど引っかからない。2回だけ、髪の毛が2本になったことがある[注釈 6]。眉毛の色は初期は黒で統一していたが、のちにカラーページでは赤だったり青だったり緑だったりと眉毛の色が変わることもある。一人称は「オレ」で、目上で大人である桜先生やとなり田じーさんなどと話す時も、言葉自体は敬語になっても、一人称はほとんど「オレ」で通している。「ハデ丸」という、頭髪がフサフサである以外は顔も体型もそっくりな派手好きのイトコがいる(しかし、派手さを極めるあまり、服装だけでなく自転車にウィンカーやラジオ、補助輪をやたらつけるなど無茶苦茶なキャラクターである)。名前の由来は『伊賀の影丸』の主人公・影丸から来ている[4]。『コロコロコミック』1986年9月号の付録「コロコロ少年団パスポート」の使い方説明ページでプロフィールが記載されているが、その後に決められた設定とは大きく異なるものであった(あくまで記入例なので正式な設定ではない)。このページでの生年月日は1976年3月31日、父の名はハゲ田とおちゃん、住所は小学館ビルの場所、本籍は秋田県湯沢市セコ井町ハゲ2丁目5番地となっていた。アニメでは、一番逆らいつつも人一倍桜先生を慕っていて、彼女のお見合い話になると、上手くいくように祈りつつ「行っちゃ嫌だ」と泣き出す一面もあり、「大人になったら桜先生を幸せにする」とまで言っている(しかも2回も)また、年齢について、「10歳」と言われている回がある。また、アニメでは、学年が4年生に。クラスは4組。第15話の身体測定の話で身長が110cmとなっていて、同話の「つるセコベスト10」では、身長110cm以下はダメと、ジェットコースターに乗るのを断られている。
ハゲ田 ハゲ蔵(ハゲた ハゲぞう)
声 - 緒方賢一ハゲ丸の父。普通のサラリーマンで、当初は係長、後に課長になった(コミックス25巻で一度不景気の影響で会社をクビになり、不動産屋を起業したこともあったが、後にサラリーマンとして再就職している)。息子同様、度を越した倹約家。家族を含め、みんなからは「(ハゲ丸の)とおちゃん」と呼ばれているが、となり田じいさんや近藤のパパなど、相手が大人だと「ハゲ田さん」と呼ばれる(これはかあちゃんの場合も同様)。毛は7本と、ハゲ丸より多い。なお、一時8本だったこともあり、6 - 10本という記述もある。ハゲ田家の中では唯一、いつも鼻が描かれている。愛煙家だが、人が捨てたものを拾って吸うなど、節約している。禁煙を決意したこともあるが、長続きしない。家では和服が多い。つるセコの際、舌を出すことはめったにないが、まれに出していることはある。ブリーフだったりトランクス(ガラパン)だったりふんどしだったり、下着が一定しない。常にメガネを着用していて、外すことはめったに無い[注釈 7]。メガネを刺身につける醤油の小皿代わりに使われるなど、つるセコの被害に遭うことも。息子ともども、毛が少ないことが結構コンプレックスになっているらしく、色々な方法(あご髭を伸ばしてそれを切って貼り付ける、など)で自家製カツラを作るネタがよくあり、となり田じいさんや寺の住職など、自分達より毛が少ない人を見ると感動して涙を流す。ただし、17巻において、「子供の頃はフサフサだった」と、当時の写真を見せるシーンがある。愛車は3万円で購入した中古のワーゲン。見るからにボロボロでクラクションも鳴らないほどだが、天井部にキャリアを装着してバスにするなどのつるセコ商売にも使われている[注釈 8]。名前が初めて出たのは7巻。また、7巻のみ、登場人物紹介に名前が出ている。アニメでは、北海道のじっちゃん、九州のばあちゃん、ブラジルのアンクル(おじさんの意)に電話をかけるシーンがある。また、第44話の「つるセコベスト10」で「40歳」と言われている。勤めている会社名は「おとぼけ商事」だったり「なかよし商事」だったり、一定していない。三流会社らしい。また、小学生時代は今の息子同様オール1の成績だったと言い、通信簿も提示している。
ハゲ田 つる子(ハゲた つるこ)
声 - 向井真理子ハゲ丸の母。専業主婦。身長165cm。美人でお茶目な性格だが、時々出るばあちゃんを除けば、ハゲ田家で最もセコい。ものをねだるハゲ丸に対して過度の節約を強いている。とおちゃん同様、家族を含め、みんなからは「(ハゲ丸の)かあちゃん」と呼ばれていて、同年代以上からは「ハゲ田さん」と呼ばれる。服装はいつも同じで、腕まくりにエプロン、下はスカート。遠出する時以外は変わらない。ズボンは穿かない。生け花をよくやる。ハゲ丸に「うまくない」と言われるあたり、料理の腕は、それほどでもないらしい(というより、まともな料理をやるシーンが少ない)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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