ちおちゃんの通学路
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ちおちゃんの通学路
ジャンル
学園コメディ
漫画
作者川崎直孝
出版社KADOKAWA
掲載誌コミックフラッパー
レーベルMFコミックス フラッパーシリーズ
発表号2014年5月号 - 2018年10月号
発表期間2014年4月6日 - 2018年9月5日
巻数全9巻
話数全46話
アニメ
原作川崎直孝
監督稲垣隆行
シリーズ構成稲垣隆行
キャラクターデザイン松本麻友子
音楽Audio Highs大隅知宇
アニメーション制作ディオメディア
製作ちおちゃんの製作委員会
放送局TOKYO MXほか
放送期間2018年7月 - 9月
話数全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『ちおちゃんの通学路』(ちおちゃんのつうがくろ)は、川崎直孝による日本コメディ漫画。『月刊コミックフラッパー』(KADOKAWA)にて、2014年5月号[1]から2018年10月号まで連載された[2]

女子高生・三谷裳ちおが登下校中に遭遇する奇想天外なエピソードを一話完結形式で描いたギャグ漫画である。作品内の大部分では通学路での登下校シーンと若干の自宅での様子のみが描写され、授業風景や部活動など学園生活はほぼ語られない構成が特徴である。コミックスでのキャッチコピーでは「エクストリーム登校コメディ」と称され[3]、ゲーム的に荒唐無稽なアクロバティック・アクションから、舌先三寸の応酬によるナンセンスな駆け引きまで、各話ごとに変化に富むドタバタ劇が展開される。
作品背景

作者の川崎直孝は先行して成人向け作品での活動実績があり、成人向けでは2012年-2013年に単行本を複数刊行しているが、2013年に短編作品『マチノカドカラ』でメディアファクトリー主催「第9回MFコミック大賞」の「フラッパー賞」を受賞。コミックフラッパー掲載の本作が、初の一般向け商業連載となった。

川崎は「Kの字」名義で発表した『米の国から』など、それまでにも登下校中の出来事を描いた漫画を執筆しており、別の雑誌で発表した「登校中の少女と男性の追いかけっこ」を描いた漫画のキャラクターデザインとストーリーが川崎の満足のいくものだったことが、本作を執筆するきっかけとなった[4]。また川崎はコミックフラッパーでの連載に向けてゲームセンターを題材とした漫画の構想を練っていたものの、プロットを読んだ担当編集者の助言により執筆を見合わせた経緯があった[4][5]。その後、川崎は『コミックフラッパー』の新人賞授賞式のホテルの一室で、これら2つの要素を結びつけ、本作の原型を作り上げたという[4]

なお本作の連載開始前、作者が送った連載ネームに数か月間担当者の返事が無く、編集長に直談判したエピソードがある[6]
表現手法
ストーリー構成

川崎は執筆にあたりある程度起承転結を意識しているがゆえに難しさを感じるとGame*Sparkとのインタビューの中で述べており、「最初は通学路という制約を逆手に取って何でもありな感じで乗り切れた。でも、最近はキャラクターの存在が大きくなり、プライベートな側面も見たいと思った結果、通学とは無関係のストーリーも時々描くようになった。ただ、それをやりすぎると『登校漫画』というコンセプトからそれるので、そのあたりの調整も難しい」と話している[4]。川崎はストーリーの構想に必要なものとして散歩の時間を挙げており、その理由として「散歩しながら地形を見るだけでなく、知らない場所を歩くという状況を得られる」ことを挙げている[4]
キャラクター設定

主人公・ちおが洋ゲーマーであるという設定は、川崎が海外のPCゲームに傾倒していることにも由来しており、特に『ハーフライフ2』については本作の根幹をなしていると川崎はGame*Sparkとのインタビューの中で述べている[4]。なお、作中でちおが通う「鮫島学園」は、作者の過去の成人向け作品にも登場している。
あらすじ

毎晩、オンラインゲームに興じて夜更かしをしている、自称「中の下」を行く女子高生の三谷裳ちおは、いつも遅刻の危機と闘いながら自宅から学校まで徒歩通学している。しかし、彼女の登校する通学路には、予期せぬ道路工事による通行止め、微妙な距離感の同級生 細川雪の出現、道をふさぐ暴走族のヘッド 安藤繭太との遭遇などあらゆる障害が待ち受ける。

遅刻を回避しての無事な登校を目指すちおであるが、たびたび危機に遭遇し、あるいは無用な危機を誘発しては無茶苦茶な打開策を繰り出すことで、悪友・野々村真奈菜ともども、意図せずしてさらなる珍騒動に巻き込まれることになる。
登場人物
主要人物
三谷裳 ちお(みやも ちお)
声 -
大空直美[7]本作の主人公である女子高生。私立鮫島学園高校1年、軟式テニス部所属。地味な外見で、悪目立ちせず無難に世渡りする「中の下」をポリシーとして日々を送るが、その半面お調子者であり、ゲームから仕入れたおかしな知識と、半端に高い運動能力、いざとなればとことん開き直る図々しい根性によって、思い付きで奇想天外な不要の危険行動に走りつつも、様々な危機を潜り抜けている。眼鏡をとるとびっくりされる位の薄い顔。重度の洋ゲーマニアで、毎日夜明け近くまでネット上でのガンアクションなどに耽っては、睡眠不足で危なっかしく登校することを常とする。ネットゲームでは「血塗蝶(ブラッディ・バタフライ)」という厨二病じみたハンドルネームを使用する。金銭感覚基準が海外ゲーム販売サイトのセールでゲームが数百円で買えることに由来しており、1000円を超えるとゲーム2本買えるからと渋るレベル。そのためか小金に汚く、100円、200円のはした金をせしめるために、冷静に考えれば割の合わない行為や、恥も外聞もなく執拗な小銭ねだりをやらかす。真奈菜とは小学生時代からの腐れ縁。低レベル同士、良くも悪くも互いをよく理解し合っており、無駄に息の合ったところを見せながら、その実互いをおちょくったり、危機に際して容赦なく「保身のための犠牲に売り飛ばす」「さらなる危機に陥れる」ような真似もためらわない。本来腐女子ではないが、偶然にボーイズラブ系のゲーム雑誌を読んだことで、そちら方面にも興味を持ち始めている。安藤から片思いされており、安藤の求愛行動は一般的には的外れに見えるが、ちお的にはアリ(真奈菜視点で)なのでちおとは結構息が合っている。しかし、ちおの鈍感さによりイマイチ好意に気づけない。気づきそうになっても真奈菜が邪魔をするスパイラルが続いている。理想の告白として「川の上のツルツルの水道管の上から告白」というあり得ないシチュエーションをあげていたが、安藤がこれをやってのけた時は、さすがにドキドキしている。
野々村 真奈菜(ののむら まなな)
声 - 小見川千明[7]本作の副主人公格の女子高生。ちおの幼なじみであり腐れ縁な親友。外見は髪を二つに分けて束ね、おでこを出している程度で、地味で平凡だが、ちおに比べればメイクセットを持ち歩いて化粧をするぐらいの女子らしいたしなみはある。己のルックスには自信過剰で、ことあるごとに「清純な美少女」や「大人っぽい女」を気取る傾向があるが、実質が伴っていないために毎度滑る。行状の矮小で小市民的な点ではちお同等、時にはさらに悪質。ことあるごとにスクールカースト上位者に取り入ろうと(嘘の)男性経験を語る、教員に媚びて進路志望で将来の目標を「教師」と偽るなど、損得勘定で外面を装う小賢しい行動を繰り返す。ちおとは小学校からの付き合いで性格を熟知しており、時に息のあったコンビネーションを見せる一方、逆にちおを平気で裏切り、蹴落とし、利用する腹黒さも見せる。ちおを焚きつけてワルノリに走らせては後からはしごを外すマッチポンプ行為をたくらむのは日常茶飯事。その実、自身もけっこうなお調子者であり、浅知恵で馬鹿げた真似をしでかしたあげく、ひどい目に遭うことも度々。二人の関係は「何でも話せる間柄でありながら、同時に常に裏切りを警戒する油断ならない相手」という一言では言えない関係。親友にして悪友、というまさに腐れ縁である。顔芸のバリエーションが主人公のちお以上に豊富であり、美少女気取りの作り笑顔から、侮蔑もあらわな無表情、漫画のタヌキのような垂れ目顔、ホラー漫画の悪鬼のごとき怨嗟の様相などなど、場面ごとの表情変化が幅広い。普段は鈍くさいが、キレると我を忘れ、巨漢の安藤を殴り倒したり、ビルからビルへ飛び移るなど意外なポテンシャルの高さをみせることも。ちお・真奈菜コンビの隠し芸として、創作ダンス「まななっちお」がある。シリーズのほぼ全編にわたりちおの相棒として活躍するレギュラーキャラではあるが、登場は細川雪や安藤よりも遅い第4話からである。作者の川崎によれば、第1話執筆時点では設定すらされていなかった、追加キャラクターであった。
鮫島学園
細川 雪(ほそかわ ゆき)
声 -
本渡楓[7]ちおと同じクラスの女子生徒。陸上部の長距離選手で、1年生ながら部活のエース。ショートカットの健康なスポーツ少女。第2話で初登場。明るく気さくで優しい性格によって、男女を問わず多くの生徒から好かれているクラスの人気者であり、スクールカーストにおいてはちおや真奈菜よりはるかに上位の存在。変わった人達ともグイグイと距離を縮めていく性格のため、ちおや真奈菜、近所のランニングしているサラリーマンやカバディ部の久志取など交友関係が非常に広い。ちおが原因で、久志取がらみの災難に複数回遭っているが、特にちおを恨んでいる様子はない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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