たちかぜ型護衛艦
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たちかぜ型護衛艦

DDG-169 あさかぜ
基本情報
艦種ミサイル護衛艦ミサイル駆逐艦
命名基準天象気象
建造所三菱重工業長崎造船所
運用者 海上自衛隊
建造期間1973年 - 1983年
就役期間1976年 - 2010年
建造数3隻
前級あまつかぜ
次級はたかぜ型
要目
#諸元表を参照
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たちかぜ型護衛艦(たちかぜがたごえいかん、英語: Tachikaze-class destroyer)は海上自衛隊ミサイル護衛艦(DDG)の艦級[1]。海自第二世代のDDGとして、第3次防衛力整備計画の最終年度にあたる昭和46年度より建造が開始され、3隻が建造された[2]海軍戦術情報システム(NTDS)に準じた戦術情報処理装置SM-1MR艦隊防空ミサイルに対応するなど改良されたターター・システムを搭載しており、海自護衛艦の武器システムを世界最高水準とする第一歩であったと評価されている。なお、本型の最終艦は、推進機関に蒸気タービン方式を採用した最後の護衛艦でもある[1]

建造価格は、ネームシップでは185億円(昭和46年度)であったが、同艦で後日装備とされた各種アップデートを最初から盛り込んだ3番艦では300億円強(昭和53年度)となった[1]
来歴

海上自衛隊では、第1次防衛力整備計画末期の「あまつかぜ」(35DDG)によりターター・システムの艦隊配備を実現し、その性能に強い感銘を受けていた。しかし、取得費だけでも、「たかつき」(38DDA)の約70億円に対して、あまつかぜでは約98億円と、極めて高コストであったことから、以来ほぼ10年間ミサイル搭載護衛艦は建造されていなかった[3]

その後、第3次防衛力整備計画において、護衛隊群の編成について8艦6機体制が採択されると、各護衛隊群にターター・システム搭載のミサイル護衛艦(DDG)1隻を配分する必要上、ヘリコプター護衛艦(DDH)と同様、周辺海域にとどまらない外洋作戦にも対応した大型のミサイル護衛艦が求められた[4]。これに応じて、3次防の最終年度にあたる昭和46年度に計画されたのが「たちかぜ」である。なお同艦の取得費用は、最終的に、約185億円にのぼった[3]。この時点で、既にMSA協定によるアメリカからのMAP援助は終了しており、ターター・システムは全て海自予算を使用した対外有償軍事援助(FMS)により購入されたことから、本型は日本の経済復興にともなう独力での防衛力整備の象徴的存在ともされた[1]
設計

本型の総合的な特徴は、「あまつかぜ」とたかつき型(38DDA)をあわせたものとなっている。基本計画番号はF-109[5]
船体

船体形状はたかつき型とおおむね同等であり、また昭和40年度計画艦(「もちづき」(40DDA)「みねぐも」(40DDK))以降と同様、凌波性向上のためのナックルなども採用されている[2]。なお可変深度ソナーの後日装備が予定されていたことから、艦尾にはトランサムが付されている[1]

71式ボフォースロケットランチャーをもたないことから、艦橋構造物はたかつき型より前方に位置している。たかつき型と同様、煙突はマストと一体化したマック方式を採用しているが、煙突排煙口の形状は異なるものとなった[1]

主要武器の配置はチャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦と同様で、前甲板に51番砲、第2マック後方の構造物に2基のMk.74 ミサイル射撃指揮装置、その後方に52番砲、ついでMk.13 ミサイル発射機が配置されている。ただしアスロック発射機については、アダムズ級では船体寸法の制約から中部甲板に設置さざるを得なかったのに対して、本型ではたかつき型と同様に51番砲の後方、艦橋構造物の前方に配置することで、十分な水平射界を確保している[1]
機関

主ボイラーとしては「たかつき」(38DDA)および「もちづき」(40DDA)と同系列の三菱重工業長崎造船所・米国CE社製の舶用2胴水管型ボイラーを採用している。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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