たけのこ
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タケノコ

タケノコ(竹の子、筍、英名:bamboo shoot)は、イネ科タケ亜科タケ類(一部はダイミョウチクやチシマザサなどのササ類を含む[1])の若日本中国などの温帯から亜熱帯に産するものは食材として利用されている。広義には、竹の皮(稈鞘)が稈に付着していて離脱するまでのものであれば地上に現れてから時間が経過して大きく伸びていてもタケノコといえるが[2]、一般には食用とする地上に稈が出現する前後のもののみを指す[2]。夏の季語[3][4]目次

1 タケノコの成長

2 食材としてのタケノコ

2.1 種類

2.1.1 温帯性タケ類(単軸型)

2.1.2 亜熱帯性タケ類(準連軸型)


2.2 生産地

2.3 料理

2.3.1 日本料理

2.3.2 中国料理

2.3.3 台湾料理


2.4 アク抜き

2.5 栄養価


3 ことわざ・比喩表現

4 脚注

5 参考文献

6 関連項目

タケノコの成長 地面から顔を出したタケノコ 竹と共に群生している様子

タケには温帯性タケ類(単軸型)、亜熱帯性タケ類(準連軸型)、熱帯性タケ類(連軸型)がある[5]
温帯性タケ類(単軸型)
温帯性タケ類には地下茎があり、地表面から40cm前後の深さに横方向に這いながら成長する特性を持つ[6]。毎年、主軸もしくは側軸を数メートルずつ伸ばし、2年目以降の春に伸びた芽のおよそ20%程度がタケノコとなる[6]。タケノコの成長の速さは次第に増し、地表に顔を出す頃は1日当たり数センチメートル程度だったものが、10日目頃には数十センチメートルから、時には1メートルを超える。ツル性を除く被子植物のうち、最も成長が速いとされる。タケノコにうっかり帽子を掛けたまま1日経つと(手が届かない高さまで持ち上げられて)取ることができなくなる場合があるとも言われる[7]。この様に昼夜を問わず伸びるのがとても速いことから、一種の民間語源として、漢字の「筍」は10日間を意味する「」から来ている、などと言われることもある。ただ、2 - 3カ月程度でその成長は止まる[7]。長さ数十センチまで成長を続けたタケノコには養分不足のため成長を終える「止まりタケノコ」と呼ばれる現象があり、全体の30%から70%にこのような現象がみられる[6]。また、固いタケノコの皮(稈鞘)は柔らかい本体(稈)を保護するだけでなく、節の成長を助ける役割を持っている。このため若竹の皮を取ると、その節の成長は止まってしまう。成長を続けたタケノコはやがて皮を落とすが、以後、高さや太さはそれ以上変化せず硬化が進み、成竹となって10年ほど生きる。
熱帯性タケ類(連軸型)・亜熱帯性タケ類(準連軸型)
熱帯性タケ類や亜熱帯性タケ類は温帯性タケ類とは異なる成長の特性を有する。温帯性タケ類とは異なり稈は直立して90日から100日かけて成長すると一度に数個を発芽させ、そのうち2個が成長を続ける[8]。温帯性タケ類のように地中を地下茎が横走することはなく直ちにタケノコとして地上に伸びていく[8]。熱帯雨林のように一年中継続して降雨がある地域では1個のタケノコは90日前後で成長を完了し、さらに次の芽が発芽してゆくサイクルとなっており、多くて年に3回から4回の発筍期がある場合もある[8]
食材としてのタケノコ

一般に食用にするのは地上に稈が出現する前後のものである[2]。ただし、先述のように広義には竹の皮(稈鞘)が稈に付着していて離脱するまでのものはタケノコであり、特にタケが大きく伸びた後でも先端部のみが竹の皮に覆われている場合にはその先端部のみを「穂先タケノコ」と称して食用とする種もある[2]
種類
温帯性タケ類(単軸型) 収穫後のタケノコ 陳列例 老舗京都特産品店でのたけのこ販売例(京都市中京区)

春先、地面から芽の出かけているものをタケノコとして食用にする。

タケノコは、切断直後よりえぐみが急激に増加する[9]。掘り採ってから時間が経つほど固くなると共にえぐみが強くなるので、極力早いうちに調理やアク抜きなどの下拵えを行う必要がある[10]。冷蔵すると味・香りの劣化を遅らせることはできるが、早いほどよい。タケノコの加工品としては、水煮缶詰などがある。

その他の種類を含めた外見やは以下のような違いがある。

モウソウチク日本で最も代表的なタケノコがモウソウチク(孟宗竹)である[1]。皮は黒斑と粗毛に覆われ、時期は3 - 4月。

ハチクハチク(淡竹)は美味と言われるが出回り量が少ない[11]。皮は淡紅色で、時期は4 - 5月。

マダケマダケ(真竹・苦竹)は特に発生して間もない段階では別名の通り「苦い」という印象を抱く人もいる[2][11]。ただし、大きく伸びると苦みが少なくなり先端部を収穫して「穂先タケノコ」として食用にする[2]。皮は薄い黒斑に覆われ、時期は5 - 6月。

チシマザサ(ネマガリタケ)ネマガリダケは長野県から東北地方や北海道などで食用とされる[2]。特に津軽地方青森県)などでよく食される[12]。タケノコが弓状に曲がって生え、時期は5 - 6月。

カンチク黄色または黒紫色、時期は10月。

亜熱帯性タケ類(準連軸型)

マチクマチク(麻竹)は中国南部や台湾など亜熱帯性地方に産するタケ類である
[13]。マチクの代表的な加工品としてメンマがある[14]

生産地 京都府大山崎町天王山におけるタケノコ収穫作業。登山道に沿ったモノレールを用いた運び出し

日本では古来、竹林がある各地域で食用とされてきた。現代の日本では、収穫作業が「竹の子掘り」と称して、季節の観光行事としても親しまれている。

高級品の産地としては、乙訓(現在の京都府向日市長岡京市大山崎町)が有名である。乙訓産は竹林をふかふかの土壌にして、日当たりも調整する。こうして柔らかく、えぐみを抑えて、香りが良くなるようタケノコを育てている[15]


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