それでも夜は明ける
12 Years a Slave
監督スティーヴ・マックイーン
脚本ジョン・リドリー
原作ソロモン・ノーサップ
『Twelve Years a Slave
『それでも夜は明ける』(それでもよはあける、英: 12 Years a Slave)は、2013年のイギリス・アメリカの歴史ドラマ映画。
原作は1853年発表の、1841年にワシントンD.C.で誘拐され奴隷として売られた自由黒人ソロモン・ノーサップによる奴隷体験記"Twelve Years a Slave(意味:12年間、奴隷として)である。彼は解放されるまで12年間ルイジアナ州のプランテーションで働いていた。1968年発表のスー・イーキンとジョセフ・ログスドンの編集による初めてのノーサップの伝記の学術書によって[4]、彼の伝記が驚くほど正確であると証明された[5]。
スティーヴ・マックイーンが監督、ジョン・リドリーが脚本を務めた。主人公のソロモン・ノーサップはキウェテル・イジョフォーが演じる。本作は2013年8月30日にテルライド映画祭でプレミア上映された。アメリカ合衆国では2013年10月18日に限定、2013年11月1日に拡大公開された。日本では2014年3月7日に公開された[6]。
第86回アカデミー賞の作品賞をはじめ、様々な映画賞を受賞した(詳細は後述)。 1841年、ニューヨーク州サラトガのソロモン・ノーサップ(イジョフォー)は自由黒人のヴァイオリニストだった。彼は妻と子供2人と順風満帆な生活を送っていた。ある日、彼は二人組の男たち(スクート・マクネイリーとタラン・キルラム)から金儲けができる周遊公演に参加しないかと誘いを受けた。ある晩、二人組の男たちにノーサップは薬漬けにされ、昏睡したまま奴隷商に売られることとなった。彼は自分は北部の自由黒人だと主張するが、材木商のウィリアム・フォード(ベネディクト・カンバーバッチ)に購入される。 フォードは信仰心が篤く温和な性格の農園主だった。奴隷となったノーサップは知能と知識を使って、材木の水運を提案する。これが成功しフォードに目をかけられるが、農園の監督ジョン・ティビッツにねたまれる。いやがらせを受けたノーサップは逆上して鞭で打とうとするティビッツからこれを奪い暴力を振るってしまう。ノーサップはティビッツに報復行為として木につるされる。ノーサップの身の危険を悟ったフォードは、仕方なしに資金面で世話になっている別の農園の支配人のエドウィン・エップス(マイケル・ファスベンダー)にノーサップを売ってしまう。 フォードと異なりエップスは非常に陰湿で残忍な性格の持ち主だった。綿花栽培のノルマを達成しない奴隷や気分が悪いときは平気で鞭打つなどしていた。ノーサップはひたすら耐え忍ぶが、ある日奴隷として白人であるアームスバイがやってくる。アームスバイはかつては監督官であったが、不祥事を理由として奴隷に身を落としていたのであった。自分と近い境遇に親近感を覚えたノーサップはアームスバイを信用し、友人へ手紙を送るよう懇願する(黒人ではなく白人であれば手紙を送ることは自然だろうと考えたのも決め手となった)。だがアームスバイは裏切り、ノーサップはエップスに責め立てられるが機転を利かし難局を乗り切る。 その後も長い奴隷の時を過ごすが、カナダ人で大工のサミュエル・バス(ブラッド・ピット)と出会ったことから風向きが変わる。ノーサップは奴隷制に反対で良心を持っているバスを信用し、自らの素性を明かし、北部時代の知己に手紙を送ることを懇願する。数日後エップスの農場のもとに保安官がやってきて、遂に奴隷から解放されサラトガに帰郷する。
内容
キャスト「ソロモン・ノーサップ#誘拐、そして奴隷の身へ」も参照
ソロモン・ノーサップ / プラット
演 - キウェテル・イジョフォー[7]、日本語吹替 - 立木文彦ある日突然拉致され、奴隷となってしまうが、12年の時を経て身分を回復し帰郷する。当時の黒人としては珍しく字の読み書きができ教養が高い。但し奴隷時代はトラブルのもととなるため隠していた。その後伝記本を出版し、奴隷解放運動にも携わるが、晩年の動向(没年や没した場所など)は一切不明とされている[8]。
エドウィン・エップス
演 - マイケル・ファスベンダー[9]、日本語吹替 - 宮内敦士プランテーションの残酷な支配人。
ウィリアム・フォード
演 - ベネディクト・カンバーバッチ[9]、日本語吹替 - 宮本充バプティスト派の聖職者で奴隷のオーナー。温和な性格。ノーサップが本当は奴隷ではないのではないかと薄々感づいているが、行動を起こせないでいる。
ジョン・ティビッツ
演 - ポール・ダノ[9]、日本語吹替 - 関雄ウィリアムの農園の監督官。