ぜんまい
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この項目では、植物のゼンマイについて説明しています。

機械要素については「ぜんまいばね」をご覧ください。

バンドについては「ゼンマイ (バンド) 」をご覧ください。

ゼンマイ
ゼンマイ
分類

:植物界 Plantae
:シダ植物門 Pteridophyta
:シダ綱 Pteridopsida
:ゼンマイ科 Osmundaceae
:ゼンマイ属 Osmunda
:ゼンマイ O. japonica

学名
Osmunda japonica Thunb.
和名
ゼンマイ
栄養葉の葉身

生ぜんまい 若芽 ゆで[1]100 gあたりの栄養価
エネルギー88 kJ (21 kcal)

炭水化物4.1 g
食物繊維3.5 g

脂肪0.4 g

タンパク質1.1 g

ビタミン
ビタミンA相当量β-カロテン(5%) 36 μg(4%)420 μg
チアミン (B1)(1%) 0.01 mg
リボフラビン (B2)(4%) 0.05 mg
ナイアシン (B3)(5%) 0.7 mg
パントテン酸 (B5)(2%) 0.12 mg
葉酸 (B9)(15%) 59 μg
ビタミンC(2%) 2 mg
ビタミンE(3%) 0.5 mg
ビタミンK(32%) 34 μg

ミネラル
ナトリウム(0%) 2 mg
カリウム(1%) 38 mg
カルシウム(2%) 19 mg
マグネシウム(3%) 9 mg
リン(3%) 20 mg
鉄分(2%) 0.3 mg
亜鉛(4%) 0.4 mg
(5%) 0.10 mg

他の成分
水分94.2 g
水溶性食物繊維0.6 g
不溶性食物繊維2.9 g
ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]。株元及び裸葉を除いたもの。ゆでた後水冷し、水切りしたもの。


単位

μg = マイクログラム • mg = ミリグラム

IU = 国際単位

%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。

ゼンマイ(薇、学名Osmunda japonica)は、ゼンマイ科多年生シダ植物
目次

1 特徴

2 近似種

3 利用

3.1 食用

3.2 ぜんまい織り

3.3 ぜんまい綿

3.4 その他


4 日本語における文化的側面

5 脚注

6 参考文献

7 外部リンク

特徴

この節は検証可能参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2015年12月)

山野に生える。水気の多いところを好み、渓流のそばや水路の脇などによく出現する。

根茎は短く斜めから立つ。葉は高さ0.5?1メートル、新芽はきれいなうずまき状で、その表面は綿毛で覆われているが、成長すると全く毛はなくなる。葉は2回羽状複葉。シダとしては切れ込みが少ないタイプに属する。栄養葉では個々の小葉は幅広い楕円形っぽい三角形で先端は丸く、表面につやがなく、薄い質である。胞子葉が独立し、栄養葉より高くまっすぐに立って棒状の小葉が並ぶ。まれに栄養葉の一部に胞子嚢が出る場合があり、これをハゼンマイとして区別する説もあるが、偶発的なもののようである。新芽の外観はややコゴミと似る。

北海道から沖縄まで、国外では樺太、朝鮮、中国からヒマラヤまで分布する。
近似種 左:ゼンマイ(広い葉)
中:オオバヤシャゼンマイ(中間)
右:ヤシャゼンマイ(狭い葉)

アメリカには姉妹種のレガリスゼンマイ (O. regalis L.) がある。ゼンマイに似るが、胞子葉が独立しておらず、栄養葉の先端の羽片に胞子嚢がつく。

ゼンマイ属は世界に十数種、日本には5種があるが、そのうちでヤシャゼンマイ (O. lancea Thunb.) はゼンマイにごく近縁なシダで、外見は非常によく似ている。異なる点は葉が細いことで、特にゼンマイの小羽片の基部が丸く広がり、耳状になるのに対して、はるかに狭くなっている。また、植物体も一回り小さく、葉質はやや厚い。日本固有種で、北海道南部から九州東部にかけて分布する。生育環境ははっきりしていて、必ず渓流の脇の岩の上である。ゼンマイも水辺が好きであるが、渓流のすぐそばには出現せず、ヤシャゼンマイとは住み分けている。上記の特徴はいわゆる渓流植物の特徴そのものであり、そのような環境へ適応して種分化したものと考えられる。

なお、この両種が生育している場所では、両者の中間的な型のものが見られる場合がある。これは両者の雑種と考えられており、オオバヤシャゼンマイ O. ×intermedia (Honda) Sugimoto という。その形や大きさはほぼ中間であるが、やや変異が見られると言う。また、胞子葉は滅多に形成されず、できた場合も胞子は成熟しないらしい。
利用
食用 渦巻き状を呈する新芽

若い葉は佃煮お浸し胡麻和え煮物などにして食べる。かつての山里では棚田の石垣に一面に生えていた。春の芽生え前に草刈りをしておけば鎌で収穫できたという。

山菜採りのマナーでは、ゼンマイには男ゼンマイ(胞子葉)と女ゼンマイ(栄養葉)があり、男ゼンマイを採るとその後再生しなくなるため採ってはならないとされている[3]

が平面上の螺旋形(渦巻き形)になる。その表面には綿毛が被さっている。スプラウトとして食用にするには根元を折り、表面の綿毛を取り去り、小葉をちぎって軸だけにし、ゆでてあく抜きし天日に干す。干しあがるまでに何度も手揉みをして柔らかくし、黒い縮緬状の状態で保存する。天日で干したものを「赤干し」と呼び、松葉などの焚き火の煙で燻したものを「青干し」と呼ぶ[4]

また、韓国料理ではナムルの材料として使われる。

ゼンマイの栄養葉の新芽。綿帽子の中は薄くツルツルした葉

ゼンマイの胞子葉の新芽。綿帽子の中は厚くツブツブの葉

ひと株から3-7本前後、多いものでは10本以上生える

成長したゼンマイ

ぜんまい織り

東北地方では、ゼンマイの綿毛を使った織物もある。

ゼンマイの新芽を採取した後、食用の茎と綿毛を分離するが、その綿毛を集めておいてゴミを取り除き、天日でよく乾燥させておく。夏頃に90度程度で蒸し上げ、それを乾燥させ、真綿水鳥羽毛を混ぜ合わせて糸を紡ぐ。縦糸・横糸のどちらかに綿糸絹糸を用い、もう一方に前述の混合糸を使って布を織る。ゼンマイの布は保温性や防水性に富み、また防虫・防カビ効果もある。

ただ2013年現在では織り手があまりおらず、今後ぜんまい織りの布を入手するのは困難になると思われる。
ぜんまい綿

ゼンマイの綿毛を綿として使うゼンマイの綿。手まり布団に使われる[5]
その他


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