すべてがFになる
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すべてがFになる
ジャンルミステリ
小説
著者森博嗣
出版社講談社
発行日1996年4月5日
アニメ:すべてがFになる THE PERFECT INSIDER
原作森博嗣
監督神戸守
シリーズ構成大野敏哉
脚本渡辺雄介雨宮まみ
キャラクターデザイン浅野いにお(原案)
奥田佳子
音楽川井憲次
アニメーション制作A-1 Pictures
製作「すべてがFになる」製作委員会
放送局フジテレビ
放送期間2015年10月9日 - 12月18日
話数全11話
漫画
原作・原案など森博嗣
作画浅田寅ヲ
出版社幻冬舎
レーベルバーズコミックス スペシャル
発売日2002年2月24日
巻数全1巻
漫画:すべてがFになる-THE PERFECT INSIDER-
原作・原案など森博嗣
作画霜月かいり
出版社講談社
掲載誌ARIA
発表号2015年7月号 - 2016年3月号
発表期間2015年5月28日 - 2016年1月28日
巻数全2巻
テンプレート - ノート
プロジェクトアニメ漫画
ポータル文学アニメ

『すべてがFになる』(すべてがエフになる、The Perfect Insider)は、推理作家森博嗣のミステリィ小説。第1回メフィスト賞1996年)受賞作。S&Mシリーズの第1巻。2023年2月に清涼院流水が英訳した英語版(著者インタビュー収録)が「The BBB」より刊行され、Amazon Kindle・楽天Koboなど、世界中の電子書店で発売されている。

2021年12月刊行の森博嗣エッセィ『追懐のコヨーテ』によると、累計発行部数は約90万部。

森博嗣のデビュー作であるが、もともとはシリーズ第4作として構想された。デビュー作は派手なほうがよいとの編集部の意向により、第1巻として刊行された。当初は『すべてがFになる日』として執筆されたが、編集部の意見により最終的にこのタイトルに決定した。

浅田寅ヲ作画による漫画化、KIDによるゲーム化もなされている。2014年10月から12月までテレビドラマが、2015年10月から12月までテレビアニメが放送された。

犀川&萌絵が登場する短編『石塔の屋根飾り』『どちらかが魔女』は「The BBB」にて英訳されており、上記2作品を含む英語版短編集『Seven Stories』が刊行されている。
ストーリー

犀川研究室の旅行で、愛知県にある妃真加島(ひまかじま)[注 1]に向かった犀川創平と研究室の面々。犀川の恩師の娘である西之園萌絵も研究室の正式なメンバーではないが参加していた。妃真加島にはその所有者である真賀田家が設立した真賀田研究所があり、実は萌絵は愛知県知事夫人の叔母の縁故もあって研究所と多少の関わりがあった。

真賀田研究所には優秀な研究者が集い、彼らなりの論理・生活形態とそれを許容する環境の下で精力的に研究を進めている。その頂点に君臨するのが、真賀田四季博士。彼女は現存する最高の天才で、名実ともに研究所の活動の中心人物であったが、過去に犯した殺人によっても有名人物であり、研究所の一画に隔離されている存在でもあった。

研究所に訪れた犀川と萌絵は、研究所に勤める山根幸宏、水谷主税、島田文子、望月俊樹、長谷部聡と共に不可思議な死体を見る。死体は四季で、ウェディングドレスに身を包みP1ロボットに固定され手足が切断されていた。自殺が疑われたが、その場に現れた医師の弓永富彦は「遺体の状態から殺人である」との見解を示す。同時に、研究所独自のOSである“レッドマジック”や研究所のサブシステム・デボラは制御不能になり、メール・電話共に発信できないなど異常をきたしていた。その後、所長の進藤清二が四季の妹である真賀田未来を連れて研究所のヘリポートに到着し、進藤は警察に連絡すべく再び研究所を発つ。しかし、いくら待っても進藤が現れないことを訝しんだ犀川たちはヘリポートに向かい、停留していたヘリコプタの中から進藤の刺殺体を発見する。ヘリの無線は破壊されていたため警察への通報は不可能となった。

望月の提案により、犀川・弓永・望月・山根の4人は四季の部屋へ入室し、仕事部屋で発見したパソコンを起動させ、パソコン内のスケジュールカレンダの中から「すべてがFになる」という一文を見つける。更に、<Read Me>という名のフォルダには四季と四季の中の別人格である栗本其志雄と佐々木栖麻とのやり取りが残されており、その中で交していた会話の通りにパソコンにはレッドマジックとコンパイラ以外残されていなかった。

その後も防犯カメラや、過去に四季の部屋に届いた荷物を調べても不審な点が見当たらず、不可解な点は解消されないままだった。翌日、この現状を打開するため、山根はOSをレッドマジックからUNIXに切り替えることを決断する。OSの切り替えは午前11時頃に行われ、切り替えが終わると外部への連絡手段も復活する。通報を受け、刑事の芝池や萌絵の叔父で愛知県警本部長の西之園捷輔をはじめとした総勢100人程度の捜査員が研究所に到着する。また、島田とのインタビューを約束していた女性誌記者の儀同世津子もやってくる。警察の捜査が進められて行く中、島田はシステム切り替え時より姿が見えなくなっていた山根を、山根の部屋のバスルームで発見する。山根は胸を刺され服を着たまま倒れていた。

犀川は防犯カメラに今日記録されたデータの中から、正午12時からの1分間だけデータが抜け落ちていることに気付き、犯人とレッドマジックの暴走原因も突き止める。レッドマジックにはタイムカウンタが付いており、稼働し始めたときからカウントダウンが始まり、16進法で使用可能な4乗の最大値65536より1つ小さい数で10進法で表した時の単精度型整数の最大値65535[注 2]、これを16進法に変換した時の値FFFFになるまでカウントされ、すべて桁がFになると黄色いドアを開かなくして既定の時刻で開くようにプログラムされていた。

やがてVRカート上に現れた四季は進藤と山根、そして進藤との間に身籠った名前のない娘の3人を殺害したことを認める。四季は部屋から出ることが無かったことから生まれた子供には名付けなかった。子供には15より大きな数字を教えず、人間は15年までしか生きられないことと、14歳になったら両親を殺すように言い聞かせていたが、娘がそれを実行しなかったため計画を変更して四季が娘を殺し、指紋を隠すために手足を切断する。死体をP1ロボットで部屋の外に出し、外で騒ぎになっている隙に部屋を抜け出して、所長室から「真賀田未来を連れて帰る」とメールを送った後、ヘリコプターの機内で進藤をナイフで刺す。その後、髪を短く切り真賀田未来を装っていた。所内では脱出方法を考える時間が確保され、プログラムリセットが行われないことと自身の死を隠すことは想定していたが、犀川と萌絵が関わってきたことが計算外の厄介な問題になり、更にはタイミング悪く山根がレッドマジックの仕組みに気付きOSを切り替えようとしたことで計画の妨げになることからやむを得ず殺害し、システムのリセット時刻を11時までに引き延ばす。リセット後、警察が到着する前に研究所を出て世津子と入れ替わる形で船に乗って妃真加島から脱した。

それからお盆の終わり頃の日曜日に犀川は大学の図書館で四季に出会う。四季と会話を交わした後、四季はその場に現れた男たちに連行された。

作品世界中で1994年の夏に起こった事件。現実の1994年はインターネットwwwが世間に認知される直前にあたり、コンピュータやネットワークについて知識を持つものは少数であった。

犀川、萌絵、真賀田四季はその後の森博嗣作品にも陰に陽に現れる重要なキャラクタである。

登場人物
主人公
犀川創平(さいかわ そうへい)
国立N大学[注 3]工学部建築学科助教授
西之園萌絵(にしのその もえ)
国立N大学工学部建築学科1年生
真賀田研究所
真賀田四季(まがた しき)
天才プログラマ
新藤清二(しんどう せいじ)
所長
山根幸宏(やまね ゆきひろ)
副所長
弓永富彦(ゆみなが とみひこ)
医師
水谷主税(みずたに ちから)
主任プログラマ
島田文子(しまだ あやこ)
プログラマ
望月俊樹(もちづき としき)
警備員
長谷部聡(はせべ さとし)
警備員
デボラ
研究所の管理システム
P1
ワゴン型ロボット。自動走行により荷物を運ぶ。
ミチル
ロボット
VRカート
VRの初期レベルの技術を応用して作られたコミュニケーション・ゲーム。カートに乗って仮想の街をドライブするゲームであり、他のプレイヤーと会話したり競走することが出来る。
その他
国枝桃子(くにえだ ももこ)
国立N大学工学部建築学科助手
儀同世津子(ぎどう せつこ)
女性雑誌記者
書籍情報

講談社ノベルス版 - 1996年4月3日発売、ISBN 4-06-181901-1

講談社文庫版 - 1998年12月11日発売、ISBN 4-06-263924-6

ゲーム版

2002年3月28日KIDより発売されたプレイステーションアドベンチャーゲーム。キャラクター原画は篁龍士。原作に登場した人物の全員が登場する。プレイヤはゲームオリジナルキャラクタで犀川研の四年生である桐生渉(きりゅうわたる)となって、犀川や萌絵と共に事件の謎を追う。


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