じょうぎ座
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じょうぎ座Norma
じょうぎ座の恒星
属格形Normae
略符Nor
発音英語発音: [?n?rm?]、属格:/?n?rmi?/
象徴大工の使う指矩[1]
概略位置:赤経 15h 12m 13.6s -  16h 36m 08.3s[1]
概略位置:赤緯−42.27° - −60.44°[1]
正中7月5日21時
広さ165平方度[2]74位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数13
3.0等より明るい恒星数0
最輝星γ2 Nor(4.0
メシエ天体数0
確定流星群じょうぎ座γ流星群
隣接する星座さそり座
おおかみ座
コンパス座
みなみのさんかく座
さいだん座
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じょうぎ座(じょうぎざ、Norma)は、現代の88星座の1つ。18世紀半ばに考案された新しい星座で、製図や建築に用いる指矩をモチーフとしている[1][3]。日本では、十島村以南で星座の全域を見ることができる。
主な天体

小さな星座で、明るい恒星もない。また、この星座にはα星とβ星がない。
恒星「じょうぎ座の恒星の一覧」も参照

2022年4月現在、国際天文学連合 (IAU) が認証した固有名を持つ恒星は1つもない[4]

γ2星見かけの明るさ4.02等の橙色巨星で4等星[5]。じょうぎ座で最も明るく見える恒星。

星団・星雲・銀河1997年から1998年にかけてハッブル宇宙望遠鏡が撮像したアリ星雲

星座全体が天の川にかかっているので、多くの星雲・星団がある。

NGC 6087散開星団。じょうぎ座の散開星団の中で最も明るい。南東の隅にある。

アリ星雲:中央に共生星があるとされる双極性星雲。その姿が昆虫のアリに似ていることから Ant Nebula と呼ばれる[6]

じょうぎ座銀河団:じょうぎ座とみなみのさんかく座の境界付近の方向にある銀河団天の川銀河から約2億2000万光年の位置にある。

由来と歴史

クラウディオス・プトレマイオスの著書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアースでは、じょうぎ座の恒星の多くの星は、おおかみ座さいだん座の間のにあるどの星座にも属していない星として扱われていた[3]。フランスの天文学者ニコラ・ルイ・ド・ラカーユは、1756年に刊行されたフランス科学アカデミーの1752年版の紀要『Histoire de l'Academie royale des sciences』に掲載された星図に、指矩と直定規の星座絵とフランス語で製図用具の指矩と直定規を意味する l'Equerre et la Regle を描いた[3][7][8]。ラカーユの死後の1763年に刊行された著書『Coelum australe stelliferum』に掲載された第2版の星図では、ラテン語で短縮した「Norma」と呼称が変更されている[3][9]

1801年ヨハン・ボーデが刊行した『ウラノグラフィア』では指矩と直定規を意味する Norma et Regula として描かれた[3]。また19世紀末のアメリカのアマチュア博物学者リチャード・ヒンクリー・アレンによると「ユークリッドの定規」を意味する Quadrans Euclidis と呼ばれたとされる[10]

1922年5月にローマで開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は Norma、略称は Nor と正式に定められた[11]。新しい星座のため星座にまつわる神話や伝承はない。

ラカーユがじょうぎ座を設けた際、彼はα星からμ星まで10個の星をリストアップしていたが、α星とβ星はフランシス・ベイリー1845年に刊行した『British Association Catalogue』でさそり座の領域に無名の星として加えられた[12]。後にベンジャミン・グールドによって、α星はさそり座N星、β星はさそり座H星とされた[12][13]
呼称と方言

日本では、1910年(明治43年)2月刊行の日本天文学会の会誌『天文月報』第2巻第11号で星座名の改訂が示された際に「定規」という呼称が使われている[14]。この訳名は、1925年(大正14年)に初版が刊行された『理科年表』にも「定規(ぢゃうぎ)」として引き継がれた[15]。戦後の1952年(昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」[16]とした際に、Norma の日本語の学名は「じょうぎ」と定められ[17]、これ以降は「じょうぎ」という学名が継続して用いられている

天文同好会[注 1]山本一清らは、既にIAUが学名を Norma と定めた後の1931年(昭和6年)3月に刊行した『天文年鑑』第4号で、星座名を Norma alias Quadra Euclidi 訳名「水準と方形定規」または Norma et Regula 訳名「水準と定規」と紹介し[18]、以降の号でもこの星座名と訳名を継続して用いていた[19]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 現在の東亜天文学会

出典^ a b c d “The Constellations”. 国際天文学連合. 2023年1月15日閲覧。


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