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変則将棋(へんそくしょうぎ)とは、将棋の盤と駒を用い、将棋とは異なるルールで対戦するゲーム(フェアリー)の総称である。どのゲームも2人で行うことを原則としており、駒の動かし方や勝敗の判定などは基本的に将棋と同じである。将棋のルールに様々な制約を課すことで、将棋とは別のゲームとなる。いくつかのゲームは一部の情報が隠されているか、確率に左右されているため、二人零和有限確定完全情報ゲームではない。 持ち駒の使用を禁止した将棋。持ち駒使用禁止将棋、持ち駒禁止将棋とも呼ばれる(取った駒は自らの持ち駒として使えず、そのまま駒箱にもどす)。駒が消耗して盤上にお互いの玉将(王将)だけが残ると、引き分けとなる。盤上の駒が減っていく西洋のチェスと類似の展開になる。チェスのステイルメイトと同様、王手はかかっていないが合法手がない状態になる場合があるが、本将棋のルールに則り合法手がない状態にされたら負けとなる。 つくば市や隣接する土浦市などで比較的盛んである。 自分の番で駒が取れる状態にあれば、必ずその駒を取らなければならない[1]。この将棋で初手▲7六歩とした場合、次に歩が取れるので▲3三角成とさせられてしまう。 玉将で取れるときは玉将で取らなければならない、王手をかけられたときは逃げることもできる、などの特別ルールを採用することもある[要出典]。 初手から先手が詰みまで持ち込んでしまう定跡が研究されている[2]。 持ち駒の数に制限がある。持ち駒の総数がある一定の数(4枚が多い)を越えると負けになる[3]。 持ち駒を上限いっぱいに持つと、玉や大駒を狙われても取り返せない全く無防備な状態になるため、取った駒は積極的に盤上に打ち込んでいかなければならない。例えば、持ち駒が満杯の状態で、玉の前に頭金を打たれると詰みになってしまう(取ると持ち駒制限で反則負け)こともある。また二歩のルールによりと金を作らない限り歩は9枚までしか盤上に置けないので、歩を取る時は注意が必要である。逆にわざと不要な駒を相手に多く与えて持ち駒をあふれ返らせるような作戦も有効である。 歩兵を先に5枚取ったほうが勝ちというルール。 1980年代後半に流行しだしたと考えられている[4]。 トランプ(プレイングカード)を用いてゲームを行うことからこの名称がある。将棋盤と駒のほかに、トランプ数組ぶんの1?9までのカードを用意する[5]。1手ごとにカードを1枚引き、出たカードの筋(先手から見て、いちばん右が1筋、以下左に2筋、3筋、……9筋)に駒を動かすか、その筋に持ち駒を打つ(初期状態で先手が4を引いた場合、▲4八玉、▲4八飛、▲4八金、▲4八銀または▲4六歩のいずれかの応手となる)。出たカードの筋にある駒しか動かせないルールもある(このルールでは、初期状態で先手が4を引いた場合は、▲5八金右、▲4八金、▲3八金または▲4六歩のいずれかとなる)[4]。 カードにジョーカーを加えることもある。ジョーカーが入っている場合、ジョーカーを引いた人は任意の駒を動かす(または持ち駒を打つ)ことができる[要出典]。 玉将が詰められるか、出たカードの筋に動かせる駒がないときは負けとなる[5]。このルールは不自然なため(松田道弘はそのバカバカしさが受けるのだろうと評している[4])、動かせる駒がないときは、カードを引き直すルールもあると見られる[要出典]。王手をかけられたときはカードを引かず、任意の駒を動かし、または合駒を打って王手を解消できる。 じゃんけんしょうぎとは異なる。 先手・後手の区別がなく、手番をじゃんけんによって決める。振り駒はせず、まずじゃんけんを行い、その勝者が手を指す。その後も一手指すごとにじゃんけんを行い、その勝者が指す。じゃんけんに勝ち続ければ何手でも続けて指せるというわけである[6]。 ただし、王手がかかった場合はじゃんけんをせずに、王手をかけられた方に手番が移り、そこで王手を解消しなければならない。解消できなければ詰みとなり、負けとなる。 将棋の指し手中、一度だけ相手の手を任意に選択できる[7]。通常の将棋と同様に対局を行うが、ここせの権利を保持しているものは任意のタイミングで、自分の手を指した後、相手の手を強制的に自分で選ぶことができる。また、「ここせ」の次の手で相手玉が一手詰めとなるという状況でのみ利用できる、とするものもある(「ここせフィニッシュ」)。 いわゆる「待った」と違い「ここせ」は、大駒を取らせる手や、玉将を危険位置にもってこさせるなど自由な選択ができる。ただし、反則手は選択できず、さらに通常のルールでは一局を通して1回だけ、と回数が決まっている。 ゲームの名称は、将棋用語での「ここせ」、こう指してくれと頼んだかのような手、注文どおりの手を指す言葉から来ている。 一度に2手ずつ指せる[8]。最初の先手に限り1手しか指せないが、その後は後手が2手動かし、以後はお互いが一度に2手ずつ指していく。同じ駒を2度動かしてもよいし、別々の駒を1手ずつ動かしてもよい。また駒を2枚打つこともできるし、打った駒をすぐに動かしてもよい。玉を詰めるのではなく、実際に取るまで勝ちにならない(通常の詰みの状態でも、相手が2手指して逃げられることがあるため)。 「影武者」とも呼ばれる。詰ますべき駒が玉将ではなく盤上の別の駒で、その駒が何であるかを対局者に知らせずに(すなわち、「覆面をかぶった」状態で)指す[9]。対局者は審判にあらかじめ対象となる駒を告げておき(審判がいない場合、事前に紙に記しておくなどする)、その駒が取られると負けとなる。玉将の代わりの駒が相手の駒の利きに入っても負けにはならないルールがある。また、玉将が手持ちの駒となる局面もある。 お互いに2手ずつ駒を動かし、相手の駒があるマスへ進むことはできず、相手の駒を挟めば取れる。縦か横に敵の駒を挟むと、自分の持ち駒になる(複数の駒を一度に挟んで取ることもできる)。取った駒を使うこともできるが、その場合打って挟んでも取ることができない。王将が敵の駒に挟まれたら負け[10]。 オセロから借りた「挟んだ駒は自分のものになる」というルールを加えたものである[11]。
持ち駒に関するルールをアレンジしたもの
持ち駒不使用将棋
長所
ルールがシンプルになるので、まったく将棋を知らない入門者に教えやすくなる。
対局時間は短くなる場合が多いので、大会運営が容易になる。
短所
持ち駒使用は日本伝統の本将棋の特徴であるので、その伝統が損なわれることになる。
どうしても引き分けが増加する。
取る一手将棋
資本還元将棋
歩を笑うものは歩に泣く将棋
指し手順をアレンジしたもの
トランプ将棋
じゃんけん将棋
ここせ将棋
二手指し将棋
駒の動き全般をアレンジしたもの
ついたて将棋詳細は「ついたて将棋」を参照
覆面将棋
本挟み将棋
オセロ将棋
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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