しんせい_(人工衛星)
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しんせい(MS-F2)
所属
東京大学宇宙航空研究所
主製造業者日本電気
公式ページ科学衛星「しんせい」
国際標識番号1971-080A
カタログ番号05485
状態運用終了
目的電離層、宇宙線、短波帯太陽雑音などの観測。
打上げ場所鹿児島宇宙空間観測所
打上げ機M-4Sロケット3号機
打上げ日時1971年9月28日13:00
運用終了日1973年6月
物理的特長
本体寸法?712mm×764mm(26面体)
最大寸法4,286mm
(太陽電波観測アンテナ展開時)
質量66kg
発生電力30W
姿勢制御方式スピン安定方式
軌道要素
周回対象地球
軌道楕円軌道
近点高度 (hp)874km
遠点高度 (ha)1,871km
軌道傾斜角 (i)32.1度
軌道周期 (P)113.2分
搭載機器
RN短波帯太陽電波観測器
CR宇宙線観測器
ID電離層プラズマ観測器
GAS地磁気姿勢系
HK衛星内部環境計測器
TM-SAテレメータ送信機
DRデータレコーダ
CM-SAコマンド受信機
PS電源
MS-SA衛星タイマ
NDニューテーション・ダンパ
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しんせい(第1号科学衛星MS-F2)は、東京大学航空宇宙研究所(後の文部省宇宙科学研究所、現宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部)が打上げた、日本初の科学衛星である。名前は「新星」に由来する[1]。開発・製造は日本電気が担当した。

当機の前にMS-F1という衛星が開発されており、Μ(ミュー)ロケットで打ち上げられる衛星第一号となるはずであったが、打ち上げ機のM-4Sロケット1号機が打ち上げに失敗したため、ロケット打ち上げ能力を調べるための試験衛星MS-T1(たんせい)の後に第二のフライトモデルである当機が打ち上げられた。MSは"Mu Satellite"の略、Fはフライトモデルであることを示す。
目的

日本1970年に初の人工衛星「おおすみ」を打ち上げたが、この成功以前から人工衛星を科学観測に用いる計画は存在した。1964年には第一号科学衛星による観測項目を提案するためのシンポジウムが開かれ、最終的にはこれまで観測ロケットでの実績があった中から、太陽電波宇宙線電離層の観測が最初の科学衛星の目的として採用された。

工学的には、研究者の道具となり得る有用な人工衛星を作ることが目標となった。「おおすみ」は、衛星の搭載機器を正常に動作させるのに必要最低限の設計すらされておらず、当時の開発者の中には彼機を衛星とは考えない者もいた。当機の前に打ち上げられた「たんせい」の開発がMS-F1の打ち上げ失敗後に急遽始められたことを考えると、当機は日本で最初に開発された本格的な人工衛星であるといえる。
運用

1971年9月28日13時00分 (JST) 、鹿児島宇宙空間観測所からM-4Sロケット3号機によって打ち上げられ、近地点874km、遠地点1,871km、軌道傾斜角32度の軌道に投入された。フェアリング開頭時に電子温度測定用プローブが空力加熱で損傷した他、宇宙線観測用のガイガー計数管の1つが40周目から動作不良を起こすなど、観測機器の一部は故障したものの、多くは正常に動作した。

1973年6月、運用を終了した。
成果

科学的な成果として主なものは

太陽の短波帯電波の発生メカニズムを解明

南米上空での電離層異常、宇宙線異常の発見

がある。南米上空の異常現象については「たいよう」など、のちの衛星で詳しく観測された。

また、工学的にも衛星の設計と運用に関して多くのノウハウを得た。
関連項目

たんせい

でんぱ

たいよう

脚注^しんせい | 日本の宇宙開発の歴史

外部リンク

人工衛星・しんせい
- ウェイバックマシン(2012年9月29日アーカイブ分) (JAXA宇宙情報センター)

しんせい (MS-F2) (ISAS/JAXA)










日本の宇宙探査機・人工衛星

 研究機関


宇宙航空研究開発機構(JAXA)

ISAS

NAL

NASDA


宇宙システム開発利用推進機構(JSS)

情報通信研究機構(NICT)


 運用終了

気象衛星

ひまわり

1号

2号

3号

4号

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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