しし座ρ星
ρ Leonis
しし座ρ星(ししざローせい、ρ Leonis、ρ Leo)は、しし座にある恒星である[10]。見かけの等級は3.84と、肉眼でみえる明るさである[1][10]。連星であると考えられるが、星系の詳しい構造は明らかではない[4]。逃走星の候補で、超巨星としては滅多にみられない高銀緯に位置している[4]。はくちょう座α型に分類される脈動変光星でもある[2]。 しし座ρ星は、見かけに暗い恒星ではないが、レグルスとデネボラを中心として獅子の姿を描く明るい星々に挟まれて目立たない[10]。黄道のすぐ近くに位置し、そのずれはたった8分しかなく、8月29日には太陽と重なり、また月による掩蔽もしばしば発生する[10]。 しし座ρ星は、B型超巨星で、スペクトル型はB1 Iabと分類されており、肉眼でみえる恒星の中では特に高温で質量が大きいものの一つである[8][10]。一般的なスペクトルよりも窒素の吸収線が強く(過剰で)、そのことを表すB1 IabNstrという表記もある[8][6]。しし座ρ星のスペクトルはとても単純で、恒星自身のスペクトルだけでなく、星間空間の吸収線を調べる観測者にとっても、たいへん好ましい目標天体とされており、数多くの観測がなされている[10][11]。 しし座ρ星の太陽系からの距離は遠く、年周視差は誤差が大きいため信頼できる距離の推定に不向きで、距離は専らスペクトル型から絶対等級を仮定し、見かけの等級との差から推定したものが採用され、およそ2900光年とされる[10][4]。しかし、しし座ρ星は非常に近接した二重星で、2つの恒星の見かけの等級差もそう大きくないので、問題は更に複雑である[10]。 しし座ρ星は、しばしば月によって掩蔽されるため、掩蔽の際の光度変化を調べることで、通常は視覚的に分離できない重星を発見する手法の目標となり、南アフリカのユニオン天文台からの掩蔽観測報告により、単独星と仮定すると異常な光度変化を起こすとされた[4][12][13]。その後、ペンシルヴェニア大学のフラワー天文台で干渉計を用いた計測により、二重星であることが確認された[13]。
位置
特徴
星系
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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