さらば青春の光
Quadrophenia
監督フランク・ロッダム
『さらば青春の光』(さらばせいしゅんのひかり、原題:Quadrophenia[2])は、フランク・ロッダム(英語版)監督による1979年のイギリス映画。1960年代初期のイギリスのユース・カルチャーの2大勢力だったモッズとロッカーズの日常生活や両者の対立を軸として、ある架空の熱狂的なモッズ青年と彼の仲間達との青春の光と影、彼等と彼女等が現実世界と@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}理想(モッズワールド)[独自研究?]とのギャップによる苦悩などを乗り越え成長して行く姿を描いた作品である[3]。 1964年のイギリス。広告会社の郵便室係、ジミー・クーパーは、週末ともなればデイブや通称「スパイダー」などのモッズ仲間と共に、乱交パーティー、改造スクーターでの暴走、アンフェタミン(覚醒剤)の乱用、そして、敵対するロッカーズたちとの乱闘に明け暮れていた。ジミーは仲間の女性の一人であるステフの気を引こうとするが、彼女にはボーイフレンドがいるので、彼の試みはうまくいかない。 ある日、ジミーは幼なじみで数か月前に除隊して帰還したケヴィンと久々に再会する。彼はケヴィンがロッカーズになっていたことを知って大いに戸惑うが、ケヴィンは彼がモッズであることを知っても意に介さなかったので、対立が激化する中にあっても2人は友情を保っていた。しかしある夜、ジミー達がバイクでダンス・クラブに向かう途中、故障で離脱したスパイダーとガールフレンドが通りかかったロッカーズたちに暴行を受ける。ダンス・クラブにたどり着いた二人から事の顛末を聞いたジミーたちは激怒して報復に繰り出し、たまたま見かけた二人連れのロッカーズを襲撃して叩きのめすが、そのうちの一人はケヴィンだった。ジミーは途中でそれに気づくが為す術もなく、その場から独り「そいつは違う!」と叫びながら猛スピードで逃げるように走り去る。 ジミーたちのドラッグ中毒はますます深刻な状態となり、彼等は薬局での窃盗や職場の無断欠勤を起こすようになる。さらに彼等はバンク・ホリデーにバイクで海沿いのブライトンで開かれたモッズの集会へ向かう。そこには各地から集結したモッズに加え、ロッカーズも集結していた。モッズたちは自己陶酔してWe are the Mods!と叫びながら行進する。ブライトンに来る道中でまたもやロッカーズの一群に絡まれたスパイダーが、バイクで通りかかったカップルを指さして「あいつだ!」と叫んだので、その場にいた全員が、そのカップルが合流したロッカーズの一群を襲撃して叩きのめし、さらに彼等が逃げ込んだ飲食店や立ち並ぶ店を破壊した。勝利の雄叫びをあげるモッズにロッカーズの大群が逆襲をかけた結果、モッズ対ロッカーズの大乱闘が発生。事態は暴動へと発展し、警察が出動して双方の若者を次々と逮捕していく[注釈 1]。ジミーはステフと共に警察から逃れて人気のない路地裏へ逃げ込み、二人は騒ぎの興奮冷めやらぬなかで交じり合い愛し合う。しかし路地裏から出たところでジミーが警察の目に留まり、逮捕されて護送車に放り込まれた。取り残されたステフをどこからともなく現れたデイブが連れ去って行った。 ジミーの護送車に、モッズのカリスマ的存在として憧れの的であるエース・フェイスも放り込まれた。裁判でエースは75ポンドの罰金を科せられるも、その場で小切手で払うことを申し出て治安判事を虚仮にして、出廷していたモッズたちの歓声を浴びた。同じ法廷に立ったジミーも50ポンドの罰金を科せられる。彼は釈放されて帰宅すると、留守中に部屋でドラッグを見つけニュースでブライトンの乱闘を知った母親に家から叩き出される。出勤すると、上司に度重なる無断欠勤を責められたうえに乱闘に参加したことを疑われ、口論になって衝動的に仕事をやめてしまう。 ある夜、ステフや仲間が集まるパブに現れたジミーは、退職金を全額はたいてドラッグを購入する。そこでステフとのことを冷やかしたデイブを殴り飛ばす。その時のステフの反応を見たジミーは、彼女とデイブの関係に気づく。翌朝、ジミーは出勤途中のステフをランブレッタで待ち伏せるが「ブライトンでのことはただの遊びよ。本気にしないで」と冷たく告げられた挙句、悪し様に罵られる。彼は街中をあてもなくランブレッタで彷徨っているうちに、郵便車と衝突しそうになり転倒。自分は無傷だったが、無人の愛車はそのまま郵便車と激しく衝突して大破してしまう。 失意と傷心のジミーは鉄道で再びブライトンへと向かい、乱闘が起きた海岸を歩き回りステフと共に逃げた路地を訪れた。彷徨いの果てに、彼は豪華なホテルの傍らにエースの銀色のベスパが停められているのを見つける。喜びも束の間、彼はホテルからベルボーイの制服に身を固めたエースが小走りに出てきたのを見て唖然とする。彼は客に小言を言われながらいそいそと働くエースの姿に著しく落胆して、その後ろ姿に向かって"Bellboy!"と叫ぶと、持っていた鍵で彼のベスパを発進させて逃走し、ビーチー岬を駆け回る。やがてベスパを停めてキラキラと美しく光る海面を見つめ何かに思いと考えを巡らせた後、彼は崖に向かって一気にべスバで走り出す。次の瞬間、無人のべスバは崖から飛び出して、空中を舞いながら100メートル以上もの距離を落下して、崖下の岩場に叩きつけられて破壊された。
ストーリー