この項目では、イエスのアルバムについて説明しています。その他の「こわれもの」については「こわれもの (曖昧さ回避)」をご覧ください。
『こわれもの』
イエス の スタジオ・アルバム
リリース1971年11月26日 (UK)
1972年1月4日 (US)
録音ロンドン、アドヴィジョン・スタジオ(1971年9月)
ジャンルプログレッシブ・ロック
時間41分16秒
レーベルアトランティック・レコード
プロデュースイエス、エディ・オフォード
専門評論家によるレビュー
Allmusic link
イエス・サード・アルバム
(1971年)こわれもの
(1971年)危機
(1972年)
ミュージックビデオ
「Roundabout」 - YouTube
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『こわれもの』(Fragile)は、イングランドのプログレッシブ・ロック・バンド、イエスが1971年に発表した4作目のアルバム。 ストローブスのリック・ウェイクマンを迎えて、後に黄金期メンバーと呼ばれるラインナップが発表した最初の作品。バンドが演奏する4曲とメンバーのソロの5曲から構成されている。 ウェイクマンが作曲者に名を連ねていないのは、ストローブスのメンバーとしてA&Mレコードと結んだ契約がまだ残っていたからだった。彼は権利関係の問題が起きることを危惧して、メンバーの協力を得て録音した自作「ハンドル・ウィズ・ケア」をソロ作品として収録することを諦めざるを得ず、代わりにブラームスの交響曲第4番第3楽章をキーボードで多重録音した「キャンズ・アンド・ブラームス」を収録した[3][注釈 1]。 本作のレコーディングは、数日の休日を除いて毎日16時間の労働で4週間から5週間かけて行なわれた[4]。ウェイクマンの談によれば、アルバム名はレコーディング中のバンドの状態から名づけられた。 本作は、ロジャー・ディーンがジャケット・デザインを担当した最初のイエスのアルバムである。 2003年にCDのリマスター盤が発売された。音質の向上が図られている他、「アメリカ」と「ラウンドアバウトのアーリー・ラフ・ミックス版」が追加収録されている。 2002年にDVD-Audioでリリースされている[注釈 2]。『マグニフィケイション』でイエスと共同プロデュースを担当したティム・ウェイドナーのリミックスにより5.1chでマルチ・サラウンド化され、さらに96kHz/24bitでマスタリングされているためCDより高音質で聴く事が出来る。尚、ドルビーデジタルやdts音声も収録されているので、DVD-Audioに対応していないプレイヤーでも再生は可能。ボーナス・トラックとして「アメリカ」が収録されている。2011年には、DVD-Audioと同一のマスターをDSDに変換した音源が使用されたハイブリッドSACD(品番:WPCR-14167)がリリースされた。なお、1970年代のイエスのアルバムのマルチ・サラウンド盤は、この後2013年にリリースされた『危機』まで存在しなかった。 2015年にブルーレイ・オーディオでリリースされている。ミックスはスティーヴン・ウィルソン。2015年にミックスされた24bit/96kHzのサラウンド及びステレオ・トラックの他、上記の2002年盤サラウンド、24ビット/192kHzに変換されたオリジナル・ステレオミックス、LPを再生して24/96に変換したニードルドロップ盤音声トラック等も同時収録されている。紙ジャケット仕様。オリジナルLPに付いていたフォト・ブックも縮小サイズで同封されている[注釈 3]。
解説
収録曲
A面
ラウンドアバウト - "Roundabout" (アンダーソン、ハウ)シングルカットされ、全米13位を記録。ビデオゲーム「GTA5」のLos Santos Rock Radio,2012年日本のテレビアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」のエンディングテーマなどにも使用される。
キャンズ・アンド・ブラームス (交響曲第4番ホ短調第3楽章) - "Cans and Brahms" (ブラームス)リック・ウェイクマンがブラームスの交響曲第4番第3楽章をキーボードで多重録音した。
天国への架け橋 - "We Have Heaven" (アンダーソン)ジョン・アンダーソンのボーカルの多重録音。
南の空 - "South Side of the Sky" (アンダーソン、スクワイア)
B面
無益の5% - "5% for Nothing" (ブルーフォード)ビル・ブルーフォード作曲の32小節の小曲で、バンド演奏をしている。このタイトルは、前任のマネージャーに支払い続けなければならないロイヤリティについての皮肉。
遥かなる想い出 - "Long Distance Runaround" (アンダーソン)
ザ・フィッシュ - "The Fish (Schindleria Praematurus)" (スクワイア)クリス・スクワイアの7拍子の曲で、「遥かなる思い出」とメドレー形式になっている。タイトルはスクワイアのあだ名で、その由来は彼が長湯(という言い訳)をしてしょっちゅう遅刻し、バンドのスケジュールを狂わすところから来ている。
ムード・フォー・ア・デイ - "Mood for a Day" (ハウ)前作での「クラップ」に続くスティーヴ・ハウのアコースティック・ギター・ソロ。
燃える朝やけ - "Heart of the Sunrise" (アンダーソン、スクワイア、ブルーフォード)前半部にギターが8分の6拍子、ベースとドラムが4分の4拍子のポリリズムを展開する箇所がある。終了後に天国への架け橋のリフレインが再登場する。(隠しトラック扱い)1998年米映画『バッファロー'66』、2000年日本のテレビドラマ『QUIZ』、2011年「日産・ジューク」のTV-CMに使用される。
再発盤
リマスター盤
ティム・ウェイドナーによる5.1ch.サラウンド盤
スティーヴン・ウィルソンによる5.1ch.サラウンド盤
レコーディング・メンバー
ジョン・アンダーソン ? ボーカル
スティーヴ・ハウ ? ギター、ボーカル
クリス・スクワイア ? ベース・ギター、ボーカル、ギター
リック・ウェイクマン ? ハモンドオルガン、ピアノ、エレクトリック・ピアノ、ハープシコード、メロトロン、ミニモーグ
ビル・ブルーフォード ? ドラムス、パーカッション
脚注[脚注の使い方]
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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