こと座
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こと座Lyra
こと座の恒星
属格形Lyrae
略符Lyr
発音[?la?r?]、属格:/?la?ri?/
象徴リラ[1][2]
概略位置:赤経 18h 13m 52.0497s- 19h 27m 56.0466s[3]
概略位置:赤緯+25.6641407° - +47.7143936°[3]
20時正中8月下旬[4]
広さ286.476平方度[5]52位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数25
3.0等より明るい恒星数1
最輝星ベガ(α Lyr)(0.03
メシエ天体数2[6]
確定流星群2[7]
隣接する星座りゅう座
ヘルクレス座
こぎつね座
はくちょう座
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こと座(ことざ、: Lyra)は、現代の88星座の1つで、プトレマイオスの48星座の1つ[2]古代ギリシャ撥弦楽器リラをモチーフとしている[1][2]。古代ギリシャ・ローマの伝承では、オリュンポス十二神の一柱ヘルメースが作り、吟遊詩人オルペウスが携えたリラであるとされる[8]

α星ベガは、全天に21個ある1等星の1つ[注 1]。東アジアの七夕の伝承では、ベガは織姫(織女)とされ、彦星(牽牛)とされるわし座α星アルタイルと対になる星と見なされている。また、ベガとアルタイル、はくちょう座α星デネブの3つの1等星が形作る大きな三角形は夏の大三角と呼ばれる。
特徴2004年5月16日に撮影されたこと座の星景写真。初夏から初冬まで長く観望することができる。

東をはくちょう座、西をヘルクレス座、南をこぎつね座、北をりゅう座に囲まれ[9]、東側では天の川と接する。20時正中は8月下旬頃[4]で、北半球では主に夏の星座とされる[10]が、初夏から初冬まで長く観望することができる[9]。北端は+47.71°、南端は+25.66°と天の赤道から北に離れて位置している[3]ため、南極圏からは全く見ることができないが、北極圏では星座の全ての星が周極星となる。

この星座で最も明るく見える1等星のα星ベガは、全天で5番目、北天ではうしかい座α星アルクトゥールスに次いで2番目に明るく見える星[11]で、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブと形作る大きな三角形は夏の大三角として親しまれている[12][13]。こと座の東には天の川が通っており、特に南で接するはくちょう座に掛けては星が豊かに広がる領域である[8]。空が明るい街中ではベガ以外の星を見ることは難しいが、空が暗い郊外では平行四辺形に並ぶ β・γ・δ・ζ の4星を容易に見つけることができる。東アジアの七夕伝説では、アルタイルが牛飼いの男牽牛(彦星)、ベガが機を織る娘織女とされる[10]NASAの太陽系外惑星探索用宇宙望遠鏡「ケプラー」の観測領域 (Kepler FOV)。2009年12月から2013年5月までの約3年半の運用期間中の観測領域は、はくちょう座・こと座・りゅう座にまたがる約100 平方度の領域であった。

2024年現在、こと座の領域で発見された太陽系外惑星の総数と惑星のある恒星系の数は、はくちょう座に次いで88星座中で2番目に多い[4]。これは、こと座の領域の北東部が、2009年に打ち上げられたアメリカ航空宇宙局 (NASA) の太陽系外惑星探索用宇宙望遠鏡ケプラー」の観測領域 (Field of View, FOV) に含まれていたためである[14]
由来と歴史

こと座の起源となる星座がいつどこで生まれたのか、確かなことはわかっていない[15]五島プラネタリウムの解説員として知られた原恵は著書『星座の神話』の中で、逆L字形に並ぶ α・β・γ の姿をL字形のハープに見立てたものであろうとしていたが、これは古代エジプトの墓から出土したL字形のハープを見て原が想起した考えであり[10]、この見解を支持する文献等は示されていない。アメリカの古典学者テオニー・コンドスは、メソポタミアの鳥の星座、あるいはフェニキアの琴の星座のいずれかを起源とする可能性があるとしている[15]

紀元前4世紀の古代ギリシアの天文学者クニドスのエウドクソスの著書『パイノメナ (古希: Φαιν?μενα)』を元に詩作されたとされる紀元前3世紀前半のマケドニアの詩人アラートスの詩篇『パイノメナ (古希: Φαιν?μενα)』では、こと座は Λ?ρα (Lyra) という名称で登場しており[16]、以降この名称が古代ギリシャ・ローマ時代を通じて使われた。こと座に属する星の数について、紀元前3世紀後半の天文学者エラトステネースの天文書『カタステリスモイ (古希: Καταστερισμο?)』や1世紀初頭の古代ローマの著作家ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスの『天文詩 (: De Astronomica)』では8個、帝政ローマ2世紀頃のクラウディオス・プトレマイオスの天文書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース (古希: ? Μεγ?λη Σ?νταξι? τ?? ?στρονομ?α?)』、いわゆる『アルマゲスト』では10個とされた[15]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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