くろアゲハ
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くろアゲハ
ジャンル
少年漫画
ヤンキー漫画
恋愛漫画
漫画
作者加瀬あつし
出版社講談社
掲載誌月刊少年マガジン
レーベル講談社コミックス月刊マガジン
発表号2014年1号 -
発表期間2013年11月6日 -
巻数既刊16巻(2020年11月現在)
テンプレート - ノート

『くろアゲハ』は、加瀬あつしによる日本漫画

不良少年を題材とする加瀬の代表作品『カメレオン』の続編で、それから7年後の世界を舞台とした物語。

連載開始前の『月刊少年マガジン』(講談社)2013年12月超特大号では、その序章でもある読み切りエピソード『カメレオン Seven Years After』が掲載された。『カメレオン Seven Years After』はカメレオン終了14年目にして初めて描かれたストーリーで、次号から連載となった『くろアゲハ』に話をつなげていく内容となっている。

また、作者である加瀬あつしにとって、週刊から月刊へ移動して初の連載になる。

単行本第3巻の作者コメントによると「ヤンキーヒロインの理想像をどれだけ描けるか」という編集者からの課題が発想の原点であり、当初は都姫を想定していたが、描いているうちに英太がそうなる可能性が出てきたという。単行本第5巻付属の帯には「これがヤンキー理想のオンナ(中身はオトコ)」と書かれている。目次

1 あらすじ

1.1 キーワード


2 登場人物

2.1 くろアゲハ

2.2 OZ(カメレオン)関係者

2.3 ジゴロ次五郎関係者

2.4 タイムスリップ編

2.5 S-1グランプリ編


3 書誌情報

4 備考

5 ゲーム

6 脚注

6.1 注釈

6.2 出典


7 外部リンク

あらすじ

舞台は千葉県成田市近辺。主人公の星野英太(ほしのえーた)は昼間は16歳のバイクが好きな普通の高校男子だが、夜は元レディースの姉の命令で毎晩実家の「スナック コスモス」で人気ホステス「エイラ」として女装させられるという生活を送っていた。そんな彼が恋したのは、同級生で同じクラスの「山本都姫(やまもとみやび)」という美少女。しかし彼女は、地元の悪を束ねる罵多悪怒愚(バタードッグ)のリーダーの妹にして、伝説の暴走族「OZ(オズ)」の2代目というヤンキー界のお姫様だった。名前を覚えてもらうどころか、女装のためにつけていた女物の下着を都姫に見られたことで、「変態」の烙印を押されて嫌われてしまう英太。そこへ追い打ちをかけるように、都姫の男除けとなっている迷惑なシスコン兄貴や、兄貴公認の彼氏候補の存在を知ってしまう。女装のせいで都姫に嫌われた英太は自棄を起こし、エイラの姿のままで職務放棄をして家を飛び出す。その際、仲間のバイクを警察署から取り戻した都姫と知り合い、周囲が作り上げたキャラを演じているという都姫の本音を知る。そればかりか、都姫を追ってきたパトカーから見事なバイクテクで彼女を救ったことで「お姉さまになってほしい」と懇願される。これをきっかけに、昼間は大嫌いな変態英太として都姫からボコボコにされ、夜は伝説のレディースで頼れる大好きなお姉様エイラとして都姫から慕われるという一人二役をすることになった。

夜の二人だけの時間は長くは続かない。エイラが相沢に職務質問されて正体を知られている間に、都姫は兄の信愛にOZの旗を奪われる。英太は相沢に集められた初代OZの面々にエイラの女子力を見せ付けることで暴露はかろうじて免れたものの、単独でのOZの旗の奪還という最終試験を課せられ、また都市伝説のオンナ「黒揚羽」を演じることを提案される。乗り気でなかった英太だが、自分がエイラを危険に追い込んでいる事実と未熟なまま少しでも長く一緒に居たい気持ちに苦悩する都姫を知って、発奮。第三土曜日の「罵多悪怒愚」の集会に、「黒揚羽エイラ」として姿を現す。

エイラは信愛に都姫の自由とozの旗を賭けて、1対100の鬼ごっこという勝負を挑む。当初は女装を解いて時間切れを待つつもりだったエイラだが、反対を押し切って都姫がコスプレでエイラの影武者として参加したことで目算が狂う。さらに黒揚羽の強運目当ての抜け駆けが相次ぎ、信愛への報復目的で紛れ込んだ売人や族の一斉摘発をもくろむ県警の介入もあり、それぞれの思惑を超えた混戦模様となる。

信愛が抜け駆け組を叩き、椎名率いる旧OZが県警を抑えたことでタイムリミット直前、役者はエイラ、信愛、都姫の三者に絞られた。信愛は影武者を都姫と知らずに大橋に追うが売人に細工されていた愛車が脱輪、轢きそうになる。間一髪、バイクで割って入ったエイラの捨て身の体当たりで最悪の事態は回避された。そのまま川に転落したエイラを追って飛び込んだ信愛は、正体が男であることを知る。翌日、英太を密かに呼び出してエイラ引退を迫る信愛だが、逆に自分がその魅力に逆らえないことを思い知らされ、協力することになる。

無事二代目OZ旗揚げ集会の日を迎えたが、エイラは集会に紛れ込んだzodiacリーダー辻 音遥(つじ おとはる)、後に対抗馬の悪斗無リーダー生島 巽(いくしま たつみ)にも目をつけられる。英太は都姫との関係に秘密を抱えたまま松戸の勢力争いに巻き込まれ、エイラそっくりの先輩の朝倉 麻美(あさくら まみ)を失った二人の心の傷が根底にあることを知る。二人の関係修復と松戸の紛争終結を願う英太は麻美そっくりの悪女エイラを演じて両者を魅了し、両チームの解散を計り暗躍する。エイラとして松戸の族の玉座たる単車Z1000SR1を強奪し返すことに成功し、さらに巽を魅了し同盟チーム黒悪斗無(くろあとむ)を結成するが、よりにもよって英太の姿で単車に乗っているところを音遥に見られてしまう。さらに警察の待ち伏せに遭い、音遥はエイラに裏切られたと逆上。捕り物に紛れて何とか正体を明かさず脱出に成功した英太だが、目算は大きく狂う。そのため逆転の一手として、英太は相沢に本物の麻美の捜索を依頼する。翌日、成田南高校にzodiacとともに現れた音遥はエイラをおびき出す餌として都姫を誘拐、英太も捕まってしまう。この危機に現れたのは、近くで屋台のバイトをしていた信愛だった。信愛は英太と都姫を逃がし、zodiacを一人でなぎ払うとともに音遥を焚きつけ、エイラをかけて巽とのタイマンで決着をつけることをうながす。そこに現れたエイラに音遥は3日後に決闘することを宣言する。

そして勝負の日、開始直前にエイラが乱入し内容を決闘から松戸から千葉港までの無灯火闇レースに変更させる。先行するエイラが難所にさしかかると、一台の先行車が現れ近くのコンビニまで誘導した。それは相沢らから事情を聞いて駆けつけた本物の麻美だった。麻美は勝負を止めようとするが、英太はエイラとして最後まで演じることを決め勝負を続行する。信愛の先導もあって二人に合流するエイラだが、音遥は道を塞ぐ事故車に突っ込むことで巽に道を開け、これを麻美への償いにしようとしていた。そこに間一髪にエイラと麻美が間に合い音遥を救助する。ここに勝負は決した。この一件により松戸の王の座とZ1000SR1はエイラが継承することとなった。
キーワード
OZ(オズ)
約8年前、当時51号をまとめていた暴走族「影舞」が半壊滅状態に陥ったことにより、矢沢の提案で街にニラミを効かせる名目で旗揚げした暴走族。結成時のメンバーはヤザワ(総長)、相沢、椎名、響に忍、蜂屋、中鉢、上田、ダイスケ、チョースケ、チョロの11名。チーム名は響が発案者であり『
オズの魔法使い』から取られている。「くろアゲハ」では、ダイスケ、チョースケ、チョロの名前が削除されている。二代目は第12話で、正式に旗揚げ。こちらの初期メンバーは都姫、千草、マー、エイラ、小春の5名。
黒揚羽(くろあげは)
数年前、成田周辺で流れた都市伝説。正体不明、一匹狼のレディースで、バイクの運転には抜群のテクニックを持ち、内腿には黒い揚羽蝶のタトゥーがある。一夜を共にした男に圧倒的な強運を授けると言われる。信憑性の薄い過去の噂だったが、相沢の発案で第5話に罵多悪怒愚の集会にエイラが「黒揚羽」として現れたことにより、現在進行形の伝説となる。それ以降作中では基本的に黒揚羽=エイラである。第39話にて、初代と面識のある人物が登場し、続くタイムスリップ編では目的が開かされた。
松戸苦愛(まつどくらぶ)
かつて松戸を中心に新京成沿線で勢力を誇った学生愚連隊。成立はOZより早く『カメレオン』時代の総長は三代目の松岡。後に四代目由良カオルをもって解散するが、音遥が五代目エントリーを宣言したことにより、後継者争いが勃発する。参加者は音遥に巽、エイラを加えて三つ巴の抗争となるが、のちにエイラがいかに両者を上手く従えて御せるかという勝負にシフトする。松戸編終了後はカオルに任命されたエイラが正式に五代目となる。
登場人物
くろアゲハ
星野 英太(ほしの えーた)
本作の
主人公で、16歳の成田南高校1年生。昼間は普通の高校男子だが、夜は元レディースの姉の命令で、実家の「スナック コスモス」で「エイラ」という源氏名で女装させられている女装男子。当初愛車はカワサキのゼファー。大破して後はZ1000R。バイクの腕は当初から高く、前日談の『カメレオン Seven Years After』でパトカーを振り切ったり、エイラの伝説の「アゲハダンス」と呼ばれるブロック技もトレースしてみせている。性格は信愛いわく「お人よしのバカ」。同じクラスの硬派なヤンキー美少女・山本都姫(やまもとみやび)に片思いしていたが、女装のために履かされていた女物の下着を都姫に見られたことが原因で「変態」の烙印を押されて、告白前に嫌われてしまう。それが原因で姉とけんかになり、「エイラ」の姿で店を飛び出したところを山本都姫と知り合い、星野英太だとばれることなく親しくなる。その上、警察に追われていた都姫をバイクテクで助けたことで、「昔は最強のレディースだった」と誤解され、伝説の暴走族「OZ(オズ)」の2代目に相応しい人物にしてほしいと懇願される。好きな子をだますようなまねに罪悪感は覚えたが、人に弱みを見せられない都姫の本心を知り、守護神エイラとして都姫のお姉様となる。察しがよくアドリブが効き、エイラになることで別人が乗り移ったかのように役になりきる役者的な才能を持つが、なりきりすぎて自分の首を絞めることもある。エイラとして幾多のピンチを経験することで、男としても成長していく。エイラ(えいら)英太の女装した姿。普段は地味で臆病でスケベな英太だが、エイラになると一変、果敢な行動力と男女問わず魅了する色気とカリスマ性を得る(ただし、英太の駄目な部分が出てしまう場面も多々ある)。喧嘩はとくに強くはならないが、心理的なツボをついた言動で強者たちを手玉に取る。罵多悪怒愚の集会に現れて以降は「黒揚羽」としてヤンキーたちの注目の的になる。ホステスとしての知名度は低く、気付いたのは常連客の吉本のみ。初期はかなりの細身で貧乳を自認していた。登場の度にコスプレのように頻繁に衣装と髪形を変えており、サド、清楚な女子高生、ゴスロリ、先輩系、ミニタリーと何でも着こなしそれに合わせて性格や口調も少なからず変化する。回を重ねると共に、都姫の理想のお姉さまという枠を超えた本気を出せば女性をも魅了する魅力と影響力を獲得していく。男性にキスされることが作中で最も多い人物で、吉本、ヒロ、信愛、音遥から唇を奪われている。


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