くじら座τ星[1]
Tau Ceti
くじら座τ星(略称: τ Cet 英語: Tau Ceti)は地球から、くじら座の方向にある恒星で、太陽に似た黄色のG型主系列星である。 地球から近い恒星の一つで、約12光年離れている。単独星のG型主系列星では、地球に最も近い恒星である[注 3]。見かけの明るさの変動がほとんどなく、安定している。太陽に比べると金属量が乏しい。 くじら座τ星は3.5等級のため、肉眼でも容易に観測ができる[注 4]。くじら座τ星から見ると、太陽はうしかい座の方向にある3等星として見える[注 5]。 くじら座τ星の周りを、太陽系に存在するエッジワース・カイパーベルトの約10倍の質量を持つ塵円盤が取り囲んでいる事が分かっている。2012年12月に、5つの太陽系外惑星が存在する証拠が発見され、そのうち2つはハビタブルゾーン内を公転していることが判明した[7][8][9]。2017年に、その2つに加え、新たに2つの惑星が存在する事が確認された。しかし、地球よりも、塵円盤の小天体との衝突が頻発に発生している可能性がある。それにも関わらず、くじら座τ星はソーラーアナログと呼ばれる、特に太陽に似た恒星の種類に分類されているため、人類の有望な居住先候補となっている。恒星の安定性、太陽との類似性、そして近距離にあることなどから、地球外知的生命体探査(SETI)の調査対象の一覧にもリストアップされており、SF作品などでしばしば異星人の故郷や宇宙植民地として登場する[10]。
概要