がんばれ!!タブチくん
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『がんばれ!! タブチくん!!』は、元阪神タイガース西武ライオンズプロ野球選手・田淵幸一をモデルにした主人公・タブチくんとその周囲の人々を描く、いしいひさいち作の4コマ漫画である。
概要

漫画アクション』に連載され、1979年双葉社より単行本全3巻が刊行された。実在の有名人をモデルとしたキャラクターによるギャグ漫画、というジャンルを確立させた記念すべき作品であり、1979年から1980年にかけてはアニメ映画が3作品制作されている。漫画は阪神タイガース在籍末期(1978年)から開始しているが劇場版アニメでは西武ライオンズに移籍したばかりで田淵が捕手を務めていたり[1]、広岡のヤクルト監督辞任、長嶋の監督退任会見が描かれるなど、西武移籍後の1979年 -1980年がストーリーの中心となる。

連載終了後も、いしいの手によりプロ野球を題材とした4コマ漫画は多数制作されており、それらの一部を収録した単行本『タブチくん』が1985年から1989年にかけて全5巻で刊行されている[2]。登場人物の姓はほとんどが片仮名だが、一部は漢字で表される。
登場人物
タブチくんの周辺
タブチくん
主人公。プロ野球選手で、
肥満体で巨漢のキャッチャー。西武ライオンズでは看板スターとして重宝されている。守備ではパスボール、送球すれば暴投し時には、マウンド上の投手を直撃する事も[3]といった凡ミスの常習犯。打撃では当たれば大きい[4]が、三振の方が圧倒的に多い上、ヒットを打っても足があまりに遅く一塁でアウトになることがしばしばで酷い場合は時間をかけてからアウトにされたり、まだアウトになってもいないのに味方にすらアウトと言われる[5]。そのため、「絶対に不可能な事の例え」としてタブチのランニングホームラン略して「タブラン」という新語まで作られてしまった。彼が出ていない試合ではチームが圧勝するという回も存在している[6]。もっとも本人もそれは自覚しているようで、原作では指名打者として試合に出た際、ヤジ係をしたが、打席に立ったアリトーのことを他の選手に聞き、自分と比較し感心して応援するシーンがある[7]。アニメでも痩せようとしたり、トレーニングをするなど本人なりに真面目にやっており、回によっては野球選手らしからぬ方法で勝利に貢献したこともある。また、アニメ版では前述の当たりの悪さを逆手に取られ、「あなたに当たらぬわけがない」というキャッチコピーで宝くじのCM[8]に起用されたことがある。私生活でもだらしなく、妻の気苦労が絶えず、監督やチームメイトからの信頼も薄く、観客や審判、さらには実況者からも散々に扱われ、酷い言われるなど周囲には恵まれず、一見すれば誰からも嫌われているように見えるが基本的には穏やかで人が良く憎めない性格で、所属球団の中では目立つ存在であり、逆に彼が出ないと野次が飛んだこともある[9]。元は大阪在住でたこ焼きが好物[10]だったが[11]、阪神タイガースから西武ライオンズにトレードに出され、埼玉県小手指西武線沿線)に移住する。このことがきっかけでトレードについて非常にナーバスになってしまい、兆候があると時と場合を考えずあちこちに電話するほどになる[12]。アニメではトレードがきっかけでノイローゼになり、「トレード」という言葉の一部分でも聞くと踊りだすこともあった。もっとも、阪神時代末期から「日本ハムと金銭トレード キロ当たり250円か?」や「南海電車5台トレード」[13]等トレードの事をスポーツ新聞で書きたてられていたことからトレードに対してはかなり敏感になっていた。他にも当時の大相撲横綱輪島とタブチをトレードするというネタが描かれている[14]。負傷による聴力の低下や病気治療のための投薬による肥満により、成績が極端に落ち始めた頃の田淵幸一をネタにして、いしいの初期作品4コマに登場したのがその始まりで当初は独立した連載作品ではなかった。@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}このため、初期作品を見た本人は激怒したが、後には掲載誌を買って読んでは爆笑していたという。[要出典] 田淵本人は後年のバラエティ番組出演の際「一回も取材は受けていない。(家庭で起きたこととよく似たエピソードが登場しており)何もしゃべってないのに誰かに全部バラされてた」と語る[15]。その他のキャラもそうであるが、あくまでモデルであって本人とは異なり、特にアニメで顕著である。監督のサインの意味を間違えて指示に従わなかった、ささやき戦術を行使し失敗する、相手チームのキャッチャーを脅すなど、ギャグとして描かれている。2020年1月に田淵幸一が野球殿堂入りを果たした際にコメントを求められたいしいは、「タブチくんのコメント」として「殿堂入りは当然と思います。もう2度と足を引っ張ったりしません。おめでとうございます」と祝福した[16]
ミヨコ夫人
タブチくんの妻。夫とは対照的にスマートでスタイルもよく、美人。タブチくんのホームラン自慢につき合わされたり、シーズンオフに自宅で自堕落しているタブチくんの尻を蹴飛ばしたり、経済観念が無い割りに細かいところでセコいタブチくんに悩まされたりと、気苦労が絶えない。一方で、つまらない映画を見てしまい「あなたスクリーン破いてきなさいよ」と言ったり巨漢の夫に暴力行動を示唆して逆に諌められたりもするなど時に過激な人で周囲のように旦那を馬鹿にしたりすることもしばしばだが、なんのかんのといって夫婦仲は良い。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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