かんむり座Corona Borealis
かんむり座の恒星
属格形Coronae Borealis
略符CrB
発音[k??ro?n? b?ri?al?s]、属格:/k??ro?ni?/
象徴北の冠[1][2]
概略位置:赤経 15h 16m 03.8205s- 16h 25m 07.1526s[3]
概略位置:赤緯+39.7117195° - +25.5380573°[3]
20時正中7月中旬[4]
広さ178.710平方度[5] (73位)
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数24
3.0等より明るい恒星数1
最輝星α CrB(2.24等)
メシエ天体数0[6]
確定流星群2[7]
隣接する星座ヘルクレス座
うしかい座
へび座(頭部)
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かんむり座(かんむりざ、ラテン語: Corona Borealis)は、現代の88星座の1つで、プトレマイオスの48星座の1つ[2]。主要な星が半円の弧を描く北天の小さな星座で、冠をモチーフとしている[1][2]。紀元前5世紀以前から、酒神ディオニューソスやクレーテーの王女アリアドネーにまつわる冠が星座となったとする言い伝えが存在する、古い歴史を持つ星座である。
θ・β・α・γ・δ・ε・ι の7星が描く半円形のアステリズムには、日本各地で様々な呼称が伝えられている[8][9]。
特徴2003年9月17日に撮影されたかんむり座。かんむり座の右にはうしかい座が見える。画像中央下の輝星は1等星アルクトゥールス。
南側でへび座の頭部に接し、東西をヘルクレス座とうしかい座に挟まれた小さな星座である。20時正中は7月中旬頃[4]と、北半球では初夏から盛夏にかけて見頃を迎える。領域の南端でも +25.54° と北のほうに位置している[3]ため、南極圏からはほとんど見ることができない。 古代ギリシャでは、半円形を描くかんむり座の星群を冠やリースに見立てており、紀元前5世紀前半のレロス島の神話学者レロスのペレキュデースや紀元前5世紀頃のケオス島の抒情詩人バッキュリデースの著作には、クレーテーの王女アリアドネーに贈られた冠が星座とされたとする話が書かれていたとされる[10]。紀元前4世紀の古代ギリシアの天文学者クニドスのエウドクソスの著書『パイノメナ (古希: Φαιν?μενα)』に記された星座のリストにもその名前が上がっており、そのエウドクソスの著述を元に詩作されたとされる紀元前3世紀前半のマケドニアの詩人アラートスの詩篇『パイノメナ (古希: Φαιν?μενα)』では「冠」や「リース」を意味する Στ?φανο? (Stephanos) という名称で登場する[11]。この Στ?φανο? という名称は、帝政ローマ期2世紀頃のクラウディオス・プトレマイオスの天文書『ヘー・メガレー・スュンタクスィス・テース・アストロノミアース (古希: ? Μεγ?λη Σ?νταξι? τ?? ?στρονομ?α?)』、いわゆる『アルマゲスト』に至るまで、古代ギリシア・ローマ期を通じて使われ続けた[12]。ヨハン・バイエル『ウラノメトリア』(1603) に描かれたかんむり座 (Corona Borealis)。バイエルは冠ではなくリースの星座絵を描いている。 モチーフとされた冠は、一般に古代ギリシア・ローマの伝承に登場するクレーテー王ミーノースの娘アリアドネーのものとされる[10]。紀元前3世紀後半の天文学者エラトステネースは、天文書『カタステリスモイ (古希: Καταστερισμο?)』の Στ?φανο? の節の中で、この冠をアリアドネーのものとした上で「ライオンの尾の下にある髪の束[注 1]もアリアドネーの髪である」と伝えている[10][13]。また、1世紀初頭の古代ローマの著作家ガイウス・ユリウス・ヒュギーヌスは、著書『天文詩 (羅: De Astronomica)』の中で、アリアドネーの冠とする伝承とは別に、酒神ディオニューソスの冠とする伝承も伝えている[10]。星図カード集『ウラニアの鏡』(1824年)に描かれたヘルクレス座(中央)とかんむり座(右) この星座に属する星の数について、エラトステネースは9個、ヒュギーヌスとプトレマイオスは8個とした[13]。これらより大きく時代を下った17世紀初頭のドイツの法律家ヨハン・バイエルは、1603年に刊行した星図『ウラノメトリア』で、α から υ までのギリシャ文字20文字を用いて20個の星に符号を付した[14][15]。 1922年5月にローマで開催された国際天文学連合 (IAU) の設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は Corona Borealis、略称 CrB と正式に定められた[16]。
由来と歴史
中東(英語版