かわね路号
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かわね路号
南アルプス号
C10 8が牽引する「かわね路号」
(2010年6月)
概要
日本
種類臨時急行列車(SL急行・EL急行)
現況運行中
地域静岡県
運行開始1976年7月9日(かわね路号)
2023年10月2日(南アルプス号)
運営者大井川鐵道
路線
起点新金谷駅
終点家山駅川根温泉笹間渡駅
営業距離20.6 km (12.8 mi)
平均所要時間約20 - 40分
使用路線大井川本線
車内サービス
クラス普通車
身障者対応なし
座席全車指定席
展望不定期に展望車連結
技術
車両#使用車両を参照
軌間1,067 mm
電化直流1,500 V[注釈 1]
備考
臨時列車扱い
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かわね路号(かわねじごう)は、大井川鐵道大井川本線1976年昭和51年)7月9日から運行している急行列車である。
概要

日本国有鉄道(国鉄)から譲り受けた旧型客車を使用して運行しており、大井川鐵道の貴重な観光資源となっている。定期的な運行が設定されている蒸気機関車 (SL) の動態保存運転としては日本で最も歴史が長い。現在はSL牽引列車(SL急行)のほか、電気機関車 (EL) による牽引列車(EL急行)も設定されている。

かつては別の愛称名や列車名のない便もあったが、2011年平成23年)10月1日ダイヤ改正より使用車両に関係なく「かわね路号」に統一された[1]。ただし、イベント実施時などには特別なヘッドマークを取り付けた上で案内上別の列車名として運行されることもあった(後述の派生列車に挙げるものを除く)。しかしながら、2023年令和5年)10月1日のダイヤ改正により、家山 - 千頭間専用連絡バスへの乗り換えで井川線井川方面に接続する便を「南アルプス号」と命名し、再び複数愛称名による運行となった[2]
運行概況

臨時列車扱いで、新金谷駅 - 千頭駅間に設定される。不定期運転で、運休の場合は基本的にELの牽引で代替される。運行予定については大井川鐵道のホームページで「SL運転カレンダー」として発表されている。

2022年(令和4年)9月に発生した令和4年台風第15号による土砂災害の影響で、運行区間の一部が長期運休を余儀なくされていることから、現在は新金谷 - 家山川根温泉笹間渡間で、「南アルプス号」1往復(1・2号、家山発着、2号はEL急行)、「かわね路号」2往復(1 - 4号、4号は家山発、2号はEL急行)が運行されている[3]

かつてはほぼ毎日SL牽引列車が設定され、大井川鐵道はSL列車の運行本数日本一と称していた[4]が、故障の続発や「きかんしゃトーマス号」の運行開始により、2020年令和2年)以降急激に運行が減少。2022年(令和4年)には一時時刻表への記載が消滅するなど、EL牽引列車の割合が増加している。

原則として、同カレンダーで発表されるダイヤでは

1日1往復の場合は、「かわね路1号」 - 「かわね路2号」

1日2往復の場合は、「かわね路13号」 - 「かわね路14号」、「かわね路1号」 - 「かわね路2号」

となっている。最繁忙期にはEL牽引列車も含めて1日3往復運行することもある。その場合は「かわね路13号」 - 「かわね路14号」、「かわね路11号」 - 「かわね路12号」、「かわね路1号」 - 「かわね路2号」となる。いずれの列車も日中に設定されており、運行日には金谷 - 新金谷間で本列車と接続する臨時普通列車が運行される。

全車指定席で、乗車に際してはSL牽引列車ではSL急行券(大人1,000円・小人500円)、EL牽引列車ではEL急行券(大人500円・小人250円)が必要である[5]。急行券は、公式ホームページ上の予約フォーム(乗車日前々日まで)または大井川鐵道SLセンターへの電話 (乗車日前日13時まで)で予約した上で、当日に駅窓口で購入する[6]。ただし当日空席がある場合は駅窓口で直接発売される。また、定期券で乗車する場合は急行券は不要となる[3]
停車駅

新金谷駅 - 家山駅 - 川根温泉笹間渡駅

「南アルプス号」は新金谷 - 家山間での運転。

2022年9月以前

新金谷駅 - 家山駅 -(川根温泉笹間渡駅)-(下泉駅)- 千頭駅

川根温泉笹間渡駅は2・12・14号のみ停車。

下泉駅は1号のみ停車。

なお、後述の金谷駅まで運行していた時代の停車駅は以下のとおり。金谷駅 - 新金谷駅 - 家山駅 -(川根温泉笹間渡駅)- 下泉駅 - 駿河徳山駅 - 千頭駅

( )は上り列車のみ停車。

運行形態の変遷

運行開始当初、本列車は金谷駅 - 千頭駅間で運行されていた。1980年(昭和55年)7月20日に転車台が千頭駅構内に搬入され、同年11月12日に使用を開始したが、新金谷駅構内には設置されなかった。そのため、長らく下り金谷発千頭行き列車のSLは原則的に正方向で、上り千頭発金谷行き列車のSLは原則的に逆機客車を牽引していた(転車台は使用せず)。ただしイベント映画の撮影の際には、千頭駅転車台で方向転換(転向)され、上下列車ともSLが正方向で客車を牽引したこともあった。この場合、その次の運行では上下列車ともSLが逆機で客車を牽引し、そのまた次の運行では通常の運行形態(下り列車のSLは正方向、上り列車のSLは逆機)に戻っていた[注釈 2]

2011年(平成23年)に新金谷駅構内に設置された転車台が同年10月7日(SLフェスタ2011の初日)に使用を開始したことに伴い、上り列車のSLについても原則的に正方向での客車の牽引が開始されるとともに、千頭駅構内の転車台についても原則的に常時使用するようになった。これに先立ち、同10月1日からはすべての列車が新金谷 - 千頭間の運行となった。また、金谷駅からの利用者のために下り列車は金谷 - 新金谷間の区間列車と接続を受けて発車する形となり、本列車運行日にのみ運行する区間列車も設定された。これは元々、西武鉄道から購入したEL(E31形)を新金谷車両区 - 金谷間における回送用に充当する予定だったものが、自動列車停止装置 (ATS) 設置費用を捻出できず、実現しなかったための措置である[新聞 1]

なお、接続する区間列車は原則として電車での運行であるが、臨時列車や一時離脱などで電車が不足する際には、「かわね路号」の編成(ELとのプッシュプル)によって運行されることがある。
使用車両

客車2 - 7両[注釈 3]をSLまたはELが牽引する形態をとる。ただしSL牽引の場合でも、客車の編成がある程度長いとき[注釈 4]は、補助機関車(補機)としてELが連結される。通常は最後尾に連結されるが、展望車を連結して運行する際やイベントでの蒸電運転などでは、SLの次位に連結されることもある[注釈 5]

SLと客車は一部を除き日本国有鉄道(国鉄)から継承したもので、SL全盛時代の雰囲気を伝えている。ELは自社発注機のほか、専用鉄道や大手私鉄西武鉄道)からの譲受機がある。

なお後述の「きかんしゃトーマス号」「きかんしゃジェームス号」運行期間中、同列車で使用するSLは「かわね路号」では運用されない。しかし、客車についてはトーマス号色でも「かわね路号」に混結されることがある。
現在の使用車両C11 190牽引C11 227牽引C56 44牽引
蒸気機関車

C10形


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