からくりサーカス
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からくりサーカス
ジャンル
少年漫画
ダーク・ファンタジー
バトルアクション
漫画
作者藤田和日郎
出版社小学館

その他の出版社
大然文化青文出版社
大然文化 → 文化傳信

掲載誌週刊少年サンデー
レーベル少年サンデーコミックス
発表号1997年32号 - 2006年26号
巻数全43巻
話数全425話
アニメ
原作藤田和日郎
監督西村聡
シリーズ構成井上敏樹、藤田和日郎
キャラクターデザイン吉松孝博
音楽林ゆうき
アニメーション制作スタジオヴォルン
製作ツインエンジン
放送局TOKYO MXほか
放送期間2018年10月 - 2019年6月
話数全36話[1]
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『からくりサーカス』は、藤田和日郎による日本漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)にて1997年32号から2006年26号にかけて連載された。単行本は全43巻。仏名は『Le Cirque de Karakuri』。

1998年3月より放送されたサンデーCM劇場にて30秒ほどの長さながらアニメーション化されている。また、1999年3月より放送された『祝創刊40周年 オールスター総出演編』でも本作のキャラクターが登場している。この総出演編はかなり長い間『週刊少年サンデー』の公式サイトにて視聴が可能であった(現在配信終了)。

2018年3月14日発売の『週刊少年サンデー』2018年16号にて、テレビアニメ化されることが報じられた[2]

2018年3月時点で累計発行部数は1500万部を記録している[3]
作風

莫大な遺産を相続して親族から狙われた少年・才賀 勝(さいが まさる)を守るために戦う拳法家の青年・加藤 鳴海(かとう なるみ)と人形遣いの女性・しろがねの数奇な運命を描く。鳴海との別れをきっかけに物語は2つに別れ、勝としろがねは潰れかけのサーカスに身を置き、鳴海は人類に仇なすからくり人形との闘いに巻き込まれる。そして、全く異なる2つの物語は交錯しながら一つに収束していく。

作者の前作『うしおととら』を上回る複雑なプロット・強烈なバイオレンス描写とアクション・前作にはあまり見かけられなかった恋愛要素(ロマンティック・コメディ)も盛り込んでいる。大きな特徴は、戦闘において細かく書き込まれたからくり人形の破片が飛び散る演出である。

物語は全ての事件の発端が200年前に起こり、そこから現代に至るまでのエピソードが多くの登場人物の視点で描かれている。過去のエピソードが現代におけるストーリーが進行するにつれて徐々に明らかになっていくが、それは時系列通りではない。過去のエピソードにまつわる手掛かりは物語の各所に散りばめられている。

物語はサーカスのような体裁をとっている。「幕間」と称してサーカス(物語)と観客(読者)をつなぐ役割をもった「ピエロ」が登場してそこまでの総括をし、次の幕での見どころに観客の注意を向けさせる。

人類の敵である自動人形は最初の人形を創った者の意思に逆らえず、それと戦う「しろがね」も他人の意思に縛られた操り人形である。黒幕のフェイスレスも白金の妄執をダウンロードされた操り人形であり、何度か本人の口からそう発言されている。登場人物のほとんどは自分の意思とは異なる何かに縛られながら行動しており、「人形劇」の人形が誰かに操られているようである。運命や他人の意思によって縛られた者を人形と見立て、そんな境遇から脱却しようとする者、人間であろうとする者の大いなる「舞台劇」として物語が展開する。その多くは結末を迎えるまでに「操り糸」を断ち切り自らの意思で歩き出す。最終話では、登場人物としての各々のエピローグが語られた後、カーテンコールとして作品に登場した主要なキャラクターのほとんどが「役者」として笑顔で舞台に立つ姿が描かれ、「舞台劇」として作品を締めくくっている。タイトルや登場人物の名前は演劇にゆかりのある場合が多く、特に自動人形などの名前にはコンメディア・デッラルテの役名が多く使われている。個々の出典は言及されていないが、最終巻の巻末の参考文献から推測できる。

友人である島本和彦は、「『うしおととら』が藤田のやりたい事を全てぶつけた名作なら、こちらは広げた風呂敷を徹底的に広げ続けた事で完成された名作」と本作を評した[4]
あらすじ

サーカス編とからくり編はストーリーの区切りが付くたびに交代で語られる。
勝編(プロローグ)

小学5年生の才賀勝は、父親である大手家電メーカー"サイガ"社長・才賀貞義の死により180億円の遺産を相続。これによって異母兄弟から命を狙われていたところを加藤鳴海と「しろがね(エレオノール)」に助けられる。しかし、叔父の才賀善治に誘拐された勝を救出した鳴海は爆発に巻き込まれ、切断された片腕を残して行方不明となる。
サーカス編

残された勝とエレオノールは追っ手から逃れるため旅芸人のサーカス一座「仲町サーカス」で生活を始め、人々と触れ合うことで徐々に成長することとなる。追手との戦いの中で、本人達も知らなかった勝とエレオノールの持つ出生の秘密が明らかになっていき、勝はエレオノールに守られる立場から、エレオノールを守る者としての自覚を持ちはじめる。
からくり編

死亡したと思われた鳴海は人形破壊者「しろがね」のギイに命を救われており、片腕と記憶を失くして自らも人形破壊者となっていた。自動人形を追う旅を続けるうちにゾナハ病の真実を知った鳴海は、人形を破壊することだけを自分の使命とするようになっていく。自動人形との激戦の最中、多くの仲間の犠牲と引き換えに命を存えたことによって、その使命は彼個人の感情を塗り潰してしまうほどに、さらに重くのしかかるようになる。
からくりサーカス編(本編) 

勝はこの戦いの真の敵からエレオノールを守るためにサーカス団を離れ、黒賀村の阿紫花家に居候し、ギイより懸糸傀儡の特訓を受ける。そして、勝の実力は急上昇し刺客を悉く撃退していく。また、人形相撲などの行事を通して、黒賀村の人々とも親睦を深めていく。そして鳴海はそれとほぼ入れ替わりでエレオノールの前に現れ、フランシーヌ人形の生まれ変わりと信じる彼女からゾナハ病の止め方を聞き出すべく仲町サーカスに加わる。
機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)編

勝が黒賀村で修行、刺客の撃退を始めてから8ヶ月が経ったある日、仲町サーカスが黒賀村を訪れる。仲間達との再会を喜ぶ勝だったが、ゾナハ蟲が突如活性化、世界中の人間がゾナハ病に感染してしまう。無事だったのは「しろがね」とその血を飲んだ者、そして「しろがね(エレオノール)」と長い間、共に過ごして免疫がついた仲町サーカスのメンバーのみ。「しろがね」の200年に及ぶ長い戦いの決着が、そして勝、エレオノール、鳴海の最後の戦いの火蓋が切られる。なお、デウス・エクス・マキナ演劇用語でもある。
登場人物詳細は「からくりサーカスの登場人物」を参照
懸糸傀儡(マリオネット)

マリオネットそのものに関しては#用語解説を参照。括弧内は主な使用者。演の項は舞台版の俳優で、特筆がなければそれぞれ第1弾・第2弾共通のキャスト。
「しろがね」の操る懸糸傀儡
あるるかん〈才賀アンジェリーナ→才賀エレオノール〉
演 -
岩田栄慶キャスタッフ)(2012年)、三枝奈都紀(2019年)白銀によって製作された最も古い懸糸傀儡。あらゆる懸糸傀儡の原型。黒衣を纏い、頭に白い羽がついている。この人形を原型にさまざまな懸糸傀儡が作られ、人形操りの練習用として多くの複製が作られている。オリジナルはルシールがアンジェリーナをキュベロンから追放する際に彼女に授け、アンジェリーナの死後は正二が保管し、実娘のエレオノールに受け継がれている。胴体部から歯車などを出して上体部分を高速で旋回させて相手を破壊する「コラン」(虎乱)・腕をピストン運動させ相手を貫く「炎の矢」(フレッシュ・アンフラメ)・頭部の羽根飾りのようなものを伸ばして相手の動きを封じる「羽の舞踏」(ラ・ダンス・ダン・ヴオラン)という技を持ち、右腕には「聖(セント)・ジョージの剣」という大きな刃が内蔵されている。オリジナルの「あるるかん」の左腕は、かつてアンジェリーナが自動人形からギイを庇ったときに破壊されている。その後は破壊された左腕の代わりに「オリンピア」の折れた腕を右手で持っている。その左腕はギイによって鳴海の左腕として使用され、こちらは「聖(サン)・ジョルジュの剣」(セント・ジョージのフランス語読み)と呼ばれる大きな刃が内蔵されている。基本的にはしろがね(エレオノール)が操るが、作中では勝が操る場面も多い。名前はフランス語で道化師を意味する〈arlequin〉から。
オリンピア〈ギイ・クリストフ・レッシュ〉
4本の腕と2本の翼を持つ聖母のような姿をしている。指先に注射針・肘に刃物・ヒールに拍車・背中に翼と多数のギミックでトリッキーな攻撃をする。昔は人形繰りにクセがあったというギイ専用に調整がされている。明治時代に200体もの自動人形と戦っており、ギイともども「真夜中のサーカス」で知名度が高い存在となっている。自動人形に注射針を突き刺し、疑似体液を吸いだす「聖母の抱擁」(ラ・サント・ビェルジュ・ダンブラスマン)・胴体を縦回転させ、肘の刃で相手を切り裂く「破壊輪舞曲」(ラ・ロンド・ドゥ・デストラクション)という技を持つ。また、背中の翼で空を飛ぶことができ、専用のエンジンを取り付けることで高速の空中移動が可能になる。その顔はギイの「母」のデスマスクから作られている。
ムジンニィ〈ルシール・ベルヌイユ〉
外見があるるかんに似ている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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