かけた耳
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かけた耳
(L'Oreille cassee)
発売日

1937年(モノクロ版)

1943年(カラー版)

シリーズ
タンタンの冒険シリーズ
出版社カステルマン(英語版)
制作陣
製作者エルジェ
オリジナル
掲載20世紀子ども新聞(英語版)
掲載期間1935年12月5日 ? 1937年2月25日
言語フランス語
翻訳版
出版社福音館書店
発売日1998年
ISBN.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}978-4-8340-2527-9
翻訳者川口恵子
年表
前作青い蓮 (1936年)
次作黒い島のひみつ (1938年)

『かけた耳』(かけたみみ、フランス語: L'Oreille cassee)は、ベルギーの漫画家エルジェによる漫画バンド・デシネ)、タンタンの冒険シリーズの6作目である。ベルギーの保守紙『20世紀新聞(英語版)』 (Le Vingtieme Siecle)の子供向け付録誌『20世紀子ども新聞(英語版)』(Le Petit Vingtieme)にて1935年12月から1937年2月まで毎週連載されていた。当初はモノクロであったが、1943年に著者本人によってカラー化された。ベルギー人の少年記者タンタンが愛犬スノーウィと共に博物館から盗まれた南アメリカ原住民由来の木像の行方を追って、南米の架空の独裁国家サン・テオドロス(フランス語版)に向かい、像を作ったジャングルに住むアルンバヤ族(フランス語版)と出会う。やがて今回の盗難事件の真相を明らかにし、像を取り戻す。

もともとシリーズは、新聞社の経営者ノルベール・ヴァレーズ(英語版)の意向が多分に含まれて開始されたものであったが、前作にあたる2作(『ファラオの葉巻』『青い蓮』)の連載中にヴァレーズは辞職した。待遇の改善を条件に新聞社に引き留められたエルジェは、次の話として、ボリビアパラグアイをモデルに、南米を舞台とした物語を構想した。そして前作『青い蓮』での中国描写のように、ステレオタイプなイメージに基づく想像ではなく資料に基づいて現地の様子を描いていった。商業的にも成功し、批評家意見も好評ではあったが、政治描写や異国描写は前作『青い蓮』に劣るともされる。

本作は1940年代に始まったリーニュクレールの技法を用いたシリーズ過去作のカラー化の最初の作品の1つであり、これは1943年に出版された。また、1956年のアニメ『エルジェのタンタンの冒険』及び、1991年にはカナダのアニメーション製作会社のネルバナとフランスのEllipseによるテレビアニメシリーズ『タンタンの冒険』において映像化されている。

日本語版は、1998年にカラー版を底本にして福音館書店より出版された(川口恵子訳)。
あらすじ

ブリュッセルの民俗学博物館において南米の原住民アルンバヤ族(フランス語版)が信仰の対象にしていたという木像が盗まれ、翌日、元の場所に戻されるという事件が起きる。興味を持ったタンタンは調査を始め、元の木像にあった耳の欠けがなくなっていることから、返還されたものは偽物であることに気づく。間もなく市内で、とある彫刻家が不審死を遂げた事件を知り、今回の盗難事件との関係を疑って調査を始めたタンタンは、やがて、これが殺人であり、盗難事件と関係があると確信する。その真相を知るための手がかりとして、彼が飼っていたというオウムを手に入れようとするが、同じくオウムを狙うアロンソとラモンというラテン系の男たちと争いになり、最終的に奪われる。

アロンソたちはオウムが喋った内容から、仲間のトルティーヤが彫刻家を殺し、像を奪ったことを知る。これら話を彼らの車を密かに尾行し、そのアジトにいたタンタンも知る。トルティーヤは南米にある故郷の国サン・テオドロス(フランス語版)に向かう客船に乗ったことがわかり、アロンソたちは像を奪い返すために船に乗り込むと彼を殺すが、像は見つからない。同じく船に乗り込んでいたタンタンは、彼らのトルティーヤ殺しを告発し、2人はサン・テオドロスの警察に捕まる。

その後、タンタンはサン・テオドロスで像の行方を探そうとする中で、スパイに間違われ、銃殺刑に処されそうになるが、国家元首で独裁者であるアルカサル将軍(フランス語版)に気に入られ助かる。大佐に任命されるも、すぐに石油利権を巡る外交政策で将軍と対立して政治犯扱いで逮捕されてしまう。そして政治犯収容所にて、タンタンの説得で改心した元テロリスト・パブロたちの助けを借りて脱獄し、山奥の農園に逃げる。アルンバヤ族の集落が近くにあると知ると、タンタンはそこを目指してジャングルを進むが迷ってしまう。そこで消息不明になったとされているイギリス人探検家・リッジウェルと出会い、彼の案内で集落にたどり着くと、酋長に迎えられたタンタンは、彼から像の来歴を教えてもらう。それは、かつて集落に来た西洋の探検家一行に、アルンバヤ族が友好の証として贈ったものであったが、直後に通訳の青年がアルンバヤ族の宝石を盗んだことが判明し、怒った彼らは、帰る途中の探検家一行を襲撃して探検家と通訳の青年以外を殺してしまったという。そのまま像は探検家を通してベルギーに渡ったのだが、どうやら青年はその中に盗んだ宝石を隠したようであり、それを知ったアロンソらが像を盗もうとしているとタンタンは推理する。

一旦帰国したタンタンは、ブリュッセルの骨董店の店先でアルンバヤのものとそっくりな像を見つけ驚く。店員に聞くと、それは殺された彫刻家の実兄の工房で製作されたものとわかる。兄は、弟の遺品から像を見つけ模造品を造ったことを明かし、オリジナルの像は市内に住むサミュエル・ゴールドウッドというアメリカ人に既に売却したと話す。タンタンは、今度はゴールドウッドに会いに行くか、彼は船でアメリカに帰国している途中だという。郵便飛行機で追いかけ、船に乗り込むが、そこには脱獄したアロンソたちも乗り込んでいた。既に像を盗み出していたアロンソであったが、タンタンと鉢合わせして驚いた際に像を落としてしまい、砕けた像から飛び出た大きなダイアモンドは甲板から海へと落ちてしまった。タンタンは怒り狂うアロンソたちともみ合いとなって、そのまま共に海へと落ち、タンタンは船員らに救助されるが、アロンソらはそのまま海底へと沈む。

タンタンから事情を聞いたゴールドウッドは快く像を手放し、修復された像は再び博物館に戻された。
歴史
執筆背景本作の執筆にあたってエルジェが参考にしたサンカントネール博物館(英語版)に所蔵されているチムーの木像。


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