かぐや姫の物語
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かぐや姫の物語
The Tale of the Princess Kaguya

監督高畑勲
脚本高畑勲
坂口理子
原案高畑勲
原作「竹取物語
製作西村義明
出演者朝倉あき
高良健吾
地井武男
宮本信子
音楽久石譲
主題歌二階堂和美「いのちの記憶」
撮影中村圭介
編集小島俊彦
制作会社スタジオジブリ
製作会社日本テレビ
電通
博報堂DYMP
ディズニー
ディーライツ
東宝
KDDI
配給 東宝
GKIDS
公開 2013年11月23日
2014年6月4日
2014年6月13日[1]
2014年6月25日
2014年7月12日[2]
2014年8月13日[3]
2014年10月17日
2014年10月24日[3]
2014年11月20日[4]
2015年3月20日[5]
2015年4月9日[6]
2015年7月16日[7]
上映時間137分[8]
製作国 日本
言語日本語
製作費51.5億円[9]
興行収入24.7億円[10]
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『かぐや姫の物語』(かぐやひめのものがたり)は、『竹取物語』を原作としたスタジオジブリ制作の日本アニメーション映画。監督は高畑勲が務め、2013年11月23日に公開された。

高畑による監督作品は1999年の『ホーホケキョ となりの山田くん』以来、14年ぶりとなる。高畑は本作公開から4年半後の2018年4月5日に死去し、本作が遺作となった。
概要

日本のアニメ映画としては破格の、企画開始から8年の歳月と50億円を超える製作費が投じられた[11]。技法面では、『ホーホケキョ となりの山田くん』で導入された、アニメーターの描いた線を生かした手書き風のスタイルが本作でも使用された。加えて、背景も動画に近いタッチで描かれ、両者が一体となり「一枚絵が動く」ような画面をもたらしている[12]
あらすじ

昔、山里に竹を取って暮らすがいた。早春のある日、翁は光り輝くタケノコの中から手のひらに収まる大きさの姫を見つけ、自宅へ持ち帰る。姫はその日のうちに人間サイズの赤子の姿へと変わり、翁と媼によって「天からの授かりもの」として育てられる。赤子の姿になった直後から生育が速く、半年余りで少女へと成長した。姫は、少年・捨丸をはじめとする近くに住む木地師の子どもたちから「タケノコ」と呼ばれ、自然の中で彼らと遊びながら天真爛漫に育つ。一方、光る竹から黄金(金の粒)や豪奢な衣を授かる体験を繰り返した翁は「天が姫を立派に育てよと命じている」と考え、「高貴の姫君に育てて貴公子に見初められることが姫の幸せである」と都に屋敷を建てて、秋に一家で移り住む。

姫は、翁が宮中から招いた女官の相模から「高貴の姫君」としての躾けを受けさせられる。ふざける姫だが、作法は身につけていた。やがて「なよたけのかぐや姫」の名を与えられ、成人儀礼(裳着)と披露目の宴が行われる。だが、酔った宴の客は翁に対し姫を侮辱する暴言を口にした。それを聞いた姫は屋敷を飛び出し、装束も脱ぎ捨てながら走り続け、肌着一枚の姿で故郷の山の家にたどり着く。木地師の去った冬の枯れ山で、姫は炭焼きの男から再び春が到来することを教えられる。雪の中で行き倒れた姫は、気が付くと元の装束をまとって屋敷に戻っていた。以来、姫は行儀よく振る舞った。

次の春、屋敷の前は姫を望む多くの男であふれた。ついには5人の公達(車持皇子石作皇子阿部右大臣大伴大納言石上中納言)が揃って求婚に訪れる。姫を珍しい宝物に例えて称える公達に対し、姫は自分を思う気持ちの証として、自分と比較された宝物をそれぞれの公達に持参するよう求めた。公達は唖然として引き上げ、門前の男たちも姿を消した。これを喜んだ姫は、媼や侍女の女童を伴って花見に出かける。桜の木の下で自分にぶつかった身分の低そうな子どもの家族が、平伏して許しを請い立ち去ったことに衝撃を受け、花見もせずに帰路につく。その途上、物盗りの疑いで追われる捨丸と偶然顔を合わせ、盗みに対する制裁の暴力を受けるのを見て、姫は悲しんだ。

3年後、宝物を持参したと称する公達が現れたが、贋物であったり、姫の関心を引くために巧言を弄したことが暴かれる。宝物を得るために石上中納言が事故死したことで、姫は自らを責め悲嘆した。だが、御門はかぐや姫に「5人の公達を手玉に取る女」と興味を示し、宮中に招こうとする。命に代えても出仕しないという姫に、御門は忍びで屋敷を訪れ、姫を抱きすくめて連れて行こうとする。その瞬間、姫の姿はかき消える。おどろいた御門が叫ぶ呼びかけで、姫は姿を現し、御門は「次は自分の元に来ると信じている」と御所へと引き上げた。

この出来事以来、姫は月夜には一人で空を見上げるようになった。翁と媼が理由を問うと、姫は「自分が月から地上におろされた者」だと明かし、御門の来訪の折に月の助けを呼んだために帰ることになったと話す。しかし自分は月には帰りたくないと泣き伏した。

媼は内密に、姫を故郷の山に向かわせる。そこで姫はちょうど山に戻ってきた捨丸と再会した。二人は不思議な力で空中を舞い、手をつなぎ、抱きしめあった。だが空に月が現れたとき二人は離ればなれとなり、その逢瀬は捨丸には夢として認識される。捨丸は自らの妻子らのいる木地師たちのもとに戻っていった。

8月15日の満月の夜、武士たちが警備する翁の屋敷に、姫を迎える天人たちの一行が雲に乗って訪れる。天人は守りを固めていた者たちを未知の力で眠らせた。さらに、姫の正気を失わせ、その体を雲の上に招き寄せる。正気を取り戻した姫は天人に羽衣をまとうことに今少しの猶予を請う。天人(月の王)はそれを黙認し、姫は翁と媼に泣きながら別れを告げた。天人の女官が、姫のすきを見て羽衣を着せかけ、姫は一行とともに去っていく。去りながら、突然気づいたように、地球を振り向いた姫は、地球での生活の記憶を失ったはずであるにもかかわらず、目に涙を浮かべていた。
登場人物

※かぐや姫を除き、作中の登場順。読み仮名は公式サイトに基づく[13]
かぐや姫(かぐやひめ)
声 -
朝倉あき / 内田未来(幼少期)本作の主人公。光るタケノコの中から現れた[注釈 1]ときには、手に乗るほどの大きさの幼い姫の姿であったが、まもなく(その日のうちに)普通の赤子に変じた。翁と媼からは一貫して「姫」と呼ばれる[注釈 2]。約半年あまりで少女[注釈 3]に成長した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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