かくしごと
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この項目では、久米田康治による漫画について説明しています。

住野よるの小説については「か「」く「」し「」ご「」と「」をご覧ください。

まふまふの楽曲については「まふまふ#ボカロオリジナルアルバム」をご覧ください。

2024年公開予定の映画については「嘘 (北國浩二の小説)#映画」をご覧ください。

かくしごと


ジャンル少年漫画
漫画
作者久米田康治
出版社講談社
掲載誌月刊少年マガジン
レーベルKCデラックス
発表号2016年1月号 - 2020年8月号
発表期間2015年12月4日 - 2020年7月6日
巻数全12巻
話数全84話
アニメ
原作久米田康治
監督村野佑太
シリーズ構成あおしまたかし
脚本あおしまたかし
キャラクターデザイン山本周平
音楽橋本由香利
アニメーション制作亜細亜堂
製作かくしごと製作委員会
放送局BS日テレほか
放送期間2020年4月 - 6月
話数全12話
映画:かくしごと ―ひめごとはなんですか―
原作久米田康治
監督村野佑太
脚本村野佑太、あおしまたかし
キャラクターデザイン山本周平
音楽橋本由香利
制作亜細亜堂
製作劇場編集版かくしごと製作委員会
配給エイベックス・ピクチャーズ
封切日2021年7月9日
上映時間79分
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『かくしごと』は、久米田康治による日本漫画作品。『月刊少年マガジン』(講談社)にて、2016年1月号から[1]2020年8月号まで連載された[2]

娘に漫画家であることを隠し通そうとする父と、その娘の日常を、漫画家のあるあるネタを交えつつ描かれる久米田自身の体験談を思わせるハートフルコメディ[1][3]。タイトルは「隠し事」と「描く仕事」のダブル・ミーニングとなっている[4]

コミックス第1巻の発売に合わせて、久米田にとっては日本国内で初めてとなる単独サイン会がアニメイト名古屋にて開催された[5]。また、シャフト制作によるアニメPVが公開されている[6]2017年8月26日から同年10月15日まで湯前まんが美術館熊本県球磨郡)において、「久米田康治のかくしごと展」(原画、ネーム展示)が開催された[7]
作風

「漫画家」を題材にすることを勧めたのは担当編集者であり、久米田自身は当初そのジャンルは既にやり尽くされており、新鮮さも感じないと考えていたためやる気は無かった[4]。しかし、久米田自身が「下ネタ漫画」を描いてきたことで周囲から蔑まれ職業を隠した経験もあり、「漫画家であることを隠す」というアレンジを加えたスタンスを思いついた[4]

本作においては、これまでの久米田作品にあったように、宇宙人が登場したり、異世界や異次元に行くような話はやらない、人死にもなく現実に即した中に留めることを久米田は決めている[4]。また、本作の各エピソードは、ほぼ実話に基づいていると久米田は語っている[4]

本作は『週刊かくしごと』という架空の雑誌の体を成しており、1話(1回の掲載分)に複数のショートストーリーが描かれている[4]。各ショートストーリーの最後には作中漫画家の「あとがき」もある[4]。また、作中に架空の広告も掲載されているが、実在の漫画家藤田和日郎をモデルにしたキャラクターが登場した回には藤田の作品『黒博物館スプリンガルド』の宣伝が欄外に入っている[4]

連載に先立ち『月刊少年マガジン』にてフルカラー4ページの予告漫画が掲載され、これは姫18歳編の話となっている。コミックスには雑誌掲載時の姫10歳編に加え、姫18歳編の話が描き下ろしで先行で収録されている[4]。久米田お得意の自虐ネタ、下ネタに加え、感動あり、父の隠し事を知った姫のストーリーが挿入される構成といったストーリーテリングの巧みさも評価されている[8]

テレビアニメ開始直前の『月刊少年マガジン』2020年4月号掲載分で姫が11歳の誕生日を迎えて以降、連載はそれまでの『週刊かくしごと』形式から11歳の姫と18歳の姫の誕生日以降の話を並行して描く構成へと移行し、単行本で先行公開された18歳時の原稿リメイクに補足として新規描きおろしとなる11歳の話を加えた完全版となっている。なお、単行本最終巻では新規描き下ろし分のみを収録し、先行単行本収録された部分は描き下ろしのダイジェストで表現されている。また、連載では11歳の誕生日の後に父の日の回を挟んで18歳編に移行しているが、単行本では父の日は姫の誕生日の前となっている。

ダ・ヴィンチニュース』では「個人的な感想」と断った上で、これまで久米田作品に登場する女性キャラクターが絵柄は可愛いものの性格などに問題がありストレートに「可愛い」と言い難かったのに比べ、姫は変な言動があるものの「可愛い娘」として描かれていることを指摘している[9]

カラーイラストでは鈴木英人の画風を取り入れている[10]
あらすじ

本稿では、姫が小学4年生から5年生の時(11歳の誕生日を迎えるまで)を「姫10歳編」、姫が18歳の誕生日を迎えてからの話を「姫18歳編[11]」として記述する[13]

姫10歳編はコメディであり、姫18歳編は対照的にシリアスなストーリーである。姫18歳編では、姫10歳編の後に何があったのかが回想として徐々に明かされると共に、姫10歳編では暗示的にしか語られなかった後藤家の家庭事情(姫の母親の行方や、祖父の正体)も明らかとなり、後藤可久士はある事情で断筆し「消えた漫画家」状態になったことが判明する。なお、11歳になった姫の誕生日の時間(姫10歳編の続きなのでコメディ風味)と18歳の姫の現在時間(シリアス風味)とがリンクして物語は進行する上、本編にはそれまでとは違い各話に副題が付かない[11]
姫10歳編(連載版)

かつて『きんたましまし』という下ネタ漫画がヒットしたこともあるベテラン漫画家・後藤可久士は一人娘の姫を溺愛していた。父親が下品な漫画を描いていると知られると、自身が姫から嫌われると思ったり姫が学校でいじめられたりしてしまうと心配し、姫には職業を隠し、目黒区の自宅からスーツ姿で出勤し途中でシャツと短パンという仕事着に着替えて渋谷区の仕事場へと向かうのだった[8]

姫の友達が「姫ちゃんのパパお仕事何しているの?」と聞いてきたり、姫のいる自宅に間違えて編集部の担当者が訪問してきたりと、可久士の隠し事がバレそうになり、娘への愛が募って可久士は暴走してしまう[8]。よき父親であろうと周囲の女性たちに協力を仰ぎ、その度に騒動を巻き起こしたり、気があると勘違いされ、既成事実が出来上がっていく。

そんなこんなで、バレそうでバレない「かくしごと」を抱えながらも、後藤可久士と姫のドタバタしながらも幸せな日々は続いていく。
姫18歳編(単行本先行描きおろし+連載終盤)

18歳の誕生日。姫は鎌倉にある海辺の丘上に建つ、かつての中目黒の自宅に酷似した家を1人で訪れていた。そこにあった漫画原稿から、彼女は父の隠し事が「描く仕事」だったことを知る。家の探索、元アシスタント達の回想を交え、漫画家・後藤可久士の過去が明らかになっていく。

姫は中学生になったころの出来事を思い出す。その日、可久士は玄関ではなく、縁側から帰宅する。姫に対して「ヘッドハンティングで転職が決まった」と嬉しそうに話す可久士だが、嫌なことがあった時は縁側から家に入る父親の癖を知っていた姫は、仕事で何か嫌なことがあって辞めたと見抜いていた。

その裏には、海難事故で行方不明となっている姫の母の無事を信じ、可久士が今でも捜索費を出し続けていること。それを美談として週刊誌に掲載され、一部の心無い読者による悪意の書き込みによって、可久士がネットで叩かれる事態に発展したこと。可久士はショックから今までのように漫画を描けなくなってしまい、自ら筆を折らざるを得なくなったという背景があった。その後、可久士は慣れない肉体労働を転々としていたが、倉庫で雑誌運搬の作業中に起きた崩落事故に巻き込まれ昏睡状態となる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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