かかし
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この項目では、田や畑の中に設置する人形について説明しています。その他の用法については「かかし (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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出典検索?: "かかし" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2011年12月)
日本の水田にあるかかしオランダのかかし

かかし(案山子、鹿驚[1])は、などの中に設置して、作物を荒らすなどの害獣を追い払うための田畑に立てる竹やわらなどで作った人形やそれに類するなんらかの仕掛けである。地域によっておどし、そうずなどさまざまな異称がある。
名称

「かかし」の直接の語源は「嗅がし」ではないかとも言われる。鳥獣を避けるため獣肉、髪の毛や魚の頭などを焼き焦がしてに通し、地に立てたものもカカシと呼ばれるためである[2][3]。これは嗅覚による方法であり、これが本来のかかしの形であったと考えられる。また、「カガシ」とも呼ばれ、日葡辞書(17世紀に発行された外国人の手による日本語辞典)にもこちらで掲載されている。またカカシではなくソメ(あるいはシメ)という地方もあり、これは「占め」に連なる語であろう。

「案山子」という字をあてる理由について、以下のような記述が北慎言「梅園日記」(1845年)に見られる。玉池難藻三篇に、案山子禅語に出、愚此文字を鹿驚しに当る事、或禅師に問しに、云、案山子とは、大山に添し小山を云、人ならば、前に書案を置形なり、陰に有て不用の山故、影法師の意にて、用立ぬ人を案山子と云と、是にて思へば、わらにて作り人の影法師同前の物ゆへ、右の文字をかり用ひしなるべしとあり、按ずるに、いふにもたらぬ僻説なり、隨斎諧話に、鳥驚の人形、案山子の字を用ひし事は、友人芝山曰、案山子の文字は、伝燈録、普燈録、歴代高僧録等並に面前案山子の語あり、注曰、民俗刈草作人形、令置山田之上、防禽獣、名曰案山子、又会元五祖師戒禅師章、主山高案山低、又主山高嶮々、案山翠青々などあり、按るに、主山は高く、山の主たる心、案山は低く上平かに机の如き意ならん、低き山の間には必田畑をひらきて耕作す、鳥おどしも、案山のほとりに立おく人形故、山僧など戯に案山子と名づけしを、通称するものならんといへり、徂徠鈴録に主山案山輔山と云ことあり、多くの山の中に、北にありて一番高く見事な山あるを主山と定めて、主山の南にあたりて、はなれて山ありて、上手につくゑの形のごとくなるを案山とし、左右につゞきて主山をうけたる形ある山を輔山といふとあり、又按ずるに、此面前案山子を注せる書、いまだ読ねども、ここの人の作と見えて取にたらず、此事は和板伝燈録巻十七通庸禅師傳に、僧問。孤廻廻、硝山巍巍時如何、師曰孤迥峭巍巍、僧曰、不会、師曰、面前案山子、也不会とあり、和本句読を誤れり、面前案山子也不会を句とすべし、子とは僧をさしていへり、鹿驚の事にあらぬは論なし、案山は増集続伝燈録巻四如?伝にも拈却門前大案山放?、諸人東去西去など、禅家にてよくいふ語也、按に、此語はもと堪興家とて、地理のことを業とするものゝいへること也、唐土にては人を葬る土地むづかしくして、親など死たる時、葬るべき地を撰に、彼堪興家をたのみて撰ばするなり、もしよき地を見あたらぬ時は、数年葬らで置事などあり、撰みてその詮もなき事あり、西湖遊覧志餘侫倖盤荒論に、葬京之父準、葬臨平山為駝形術家謂駝負重乃行、遂作塔山頂以浙江為帯水、泰望為案山、何其雄也、富貴既極、一旦顛覆、幾于滅族、俗師風水之説、安定憑哉、按にこれもと陸游いへる事なり、入蜀記 宿臨平者、太師葬京、葬其父準於此、以錢塘江為水、會稽山為案、山形如駱駝、老学庵日記にもこの説あり、是なり、さて諧話に、案山は低く、上平かに机の如き意ならんとあれど、平かならぬをもいふべし

一方「鹿驚」という表記もある。
機能と前提

古典的には、かかしはで造形した人形であることが通例であった。これは機能の面から言えば、鳥獣に対して「人間がいる」ように見せかけることを目的としている。人間が農作業をおこなっているときには鳥獣は近づかないからである。『和漢三才図会』の「案山子」の絵図には、笠をかぶり、蓑を着させ、竹足は3本で、弓矢を構えて威嚇する狩人タイプが見られる。

現代においては巨大な目玉を模した風船なども用いられる。これは、大きな目を恐れるという動物本能を利用したものである。

カラスなどは特にその能力が高いが、田畑を狙う側も当然ながら学習能力があり、動かないかかしは無害なものと認識されてしまう。そのため、やその他の動力によって不規則な動作をするものも工夫された。田畑の上に糸を走らせ、そこに風車の類を通したり、銀色のテープを多数吊り下げることで、きらきらと光り鳥獣を威嚇する効果を出すものなどがある。

また、カラスの死体をつり下げた状態を模した(ビニール製などの)かかしも考案され、実際に使用されている[4]。「仲間の死体」=「そこには罠があり危険である」という理解がなされるためである。実際にカラスの死体を吊り下げることもあったが、いずれもカラスの慣れによって効果がなくなる場合が多い。

また、視覚的なものに頼らない手段・道具もあり、これもまたかかしに分類できるかもしれない。近年考案された、爆音を用いて威嚇する装置や、古くは「鹿おどし」もその一つと言える。ただしカラスは、実質的に無害なものと認識してしまうので、爆音は一定期間の後に無効になってしまったという観察例もある[4]

嗅覚を利用するものには、肉食獣の匂いのするもの(屎尿などを含む)を田畑の近くに設置するという方法も試みられている[4]ライオンなど、日本に存在しない肉食獣であっても、イノシシなどはそれを警戒し、近づかないという。そもそも、かかしの本来の形はこうした嗅覚を利用したものであったとも考えられる。
農耕社会とかかし
神とかかし

かかしは、民間習俗の中では田の神の依代(山の神権現とも言われる)であり、を祓う効用が期待されていた。というのも、鳥獣害には悪い霊が関係していると考えられていたためである。人形としてのかかしは、神の依り代として呪術的な需要から形成されていったものではないかとも推察できる。蓑や笠を着けていることは、神や異人などの他界からの来訪者であることを示している。

見かけだけは立派だが、ただ突っ立っているだけで何もしない(=無能な)人物のことをかかしと評することがある。確かにかかしは物質的には立っているだけあり、積極的に鳥獣を駆逐することはしない。だがしかし農耕社会の構造からすると、農作物(生計の手段)を守る役割を与えられたかかしは、間接的には共同体の保護者であったと言えよう。

古事記においては久延毘古(くえびこ)という名の神=かかしであるという。彼は知恵者であり、歩く力を持っていなかったとも言われる。立っている神 → 立っている人形、との関連は指摘するまでもないとも考えられるが、上記の通り語源との関係で、明確ではない。
かかし揚げ役割を終え、供養を待つために集められたかかし(2016年9月)

かかし引き、ソメの年取り、とも言う。農耕社会の一部で行われる行事で、旧暦10月10日に かかしを田から引き上げ庭に立てる。これはかかしが神として祀られる重要な例の一つで、蓑笠をかぶせて熊手などを持たせ、などを供える。かかしの神が天に上がる、あるいは山の神になる(戻る)日であるとされる。また、関東には1月14日にかかしの神を祀る風習をもつところもある。
かかし祭り

自作のかかし作品のコンテストを行う「かかし祭り」が、日本全国の各地で行われている。

山形県新庄市の「新庄かかし祭り」(8月中旬)

山形県上山市の「かみのやま温泉全国かかし祭」(9月中旬)

栃木県栃木市の「かかしの里」における「かかし祭り」(9月第一土日)

神奈川県川崎市麻生区の かかし祭り

山梨県北杜市の「箕輪新町かかし祭り」(9月中旬)

兵庫県相生市の「羅漢の里『もみじまつり』」(11月中旬)

山口県山口市の かかし祭り

高知県香美市の「刃物まつり&山田のかかしコンテスト」(10月中旬)

宮崎県都城市の かかし祭り

北海道共和町の かかし祭り(8月下旬)

岡山県吉備中央町の 案山子祭り(8月下旬から9月中旬)


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