「ピクロス」はこの項目へ転送されています。任天堂およびジュピターのパズルゲーム版については「ピクロス (ゲームソフト)」をご覧ください。
完成までの流れ(GIFアニメ)
お絵かきロジック(おえかきロジック)は、縦と横の数字をヒントに塗り潰すマス目を割り出し、そのとおりに塗り潰していくと、最終的に絵(または文字)が浮かび上がるタイプのペンシルパズル。ののぐらむ(ノノグラム)、イラストロジック(イラロジ)、ピクロスとも呼ばれている。 お絵かきロジックは、1988年に西尾徹也と、「いしだのん」の二者が独自に発案した。同時期に別々に発表したため一時期論争を起こしたが、実際は殆ど同じ時期に別々に創案したということが分かり、論争もおさまった。 西尾は、マトリクス(表組み)を使用したロジックパズルのマトリクスを利用して絵を描くことを考えた。一般的なロジックパズルにおいてはマトリクスには条件にあてはまるかで○か×を埋めるが、この○と×を黒マスと白マスにすることを考え、ヒントの出し方を考えて現在のルールを完成させた。 いしだは1987年に、ビルの窓を利用して絵を描くという企画で入選した後、窓の絵=格子の上に絵を描くパズルを考えた。このいしだの思考の過程の一部は彼女の著書である「ののぐらむ」で見ることができる。[1][要ページ番号] このように二者が独自の過程を経て偶然にも同じ形式の問題に落ち着いた。後に西尾は問題を提供している『パズラー』誌で、いしだはパズルの連載をしていた『社会新報』紙で問題を発表することになるが、偶然にも両誌の発行日は共に1988年7月2日であった。 西尾は『パズラー』誌でこのパズルを発表した際に、このパズルを読者からも募集した。これにより高い人気を得、同誌から多くの作家が生まれることになった。一方いしだの作品は、イギリスの『サンデー・テレグラフ』(The Sunday Telegraph
歴史
1993年に世界文化社から『パズラー』別冊として単行本『お絵かきロジック vol.1』[2]を発売し、20万部を売り上げる。これに便乗した類似本が何冊も出版されるようになるなど、お絵かきロジックの人気の火付け役となったと言われる[3]。なお、お絵かきロジックの名称は世界文化社の登録商標となっており[4]、同名のパズル誌が刊行されている。[5]
1994年10月には、日本文芸社が専門誌である『イラストロジック』誌を創刊し[6]、学習研究社も1995年4月になって専門誌を創刊した[3]。
1995年3月14日には任天堂が「ピクロス」(ピクチャー・クロスワードの略)の名を用いたゲームソフト『マリオのピクロス』(ゲームボーイ用)を発売、以降シリーズ化されている(詳しくは「ピクロス (ゲームソフト)」を参照)。また、同年9月8日には『パズラー』が監修したサン電子のゲームソフト『おーちゃんのお絵かきロジック
(英語版)』(PlayStation用)が発売されるなど追随する流れとなり、以降、家庭用ゲーム機などデジタル機器向けのコンテンツとして定着している。1個の数字は連続して黒く塗り潰すマス目(以下黒マスという)の数を表している。但し、場所までは表していない。
(例)
3
に対しては、次の3通りの可能性が考えられる。
3 数字が複数ある場合、それぞれが連続で黒マスの数を表し、間には必ず塗り潰さないマス(以下白マスという)が最低1つ入る。但し、白マスの場所と、間に幾つ入るかまでは表していない。 (例1) 11 に対しては、次の6通りが考えられる。 11 (例2) 111 に対しては、次の1通りしか考えられない。 111 複数の異なる数字がある場合は、その順番が黒マスの順番を表している。 (例) 31 に対しては、正解はそれぞれこのようになる。 31 なお、横の場合のみを示したが、縦の場合も同じである。 (例) 2 に対しては、次の3通りが考えられる。 222 基本的なルールはこれだけである。 (参照チュートリアル: ⇒コンセプティス アートロジック) ここでは、1列に10マスあるパズルを解くことを想定している。また、スペース節約のため横の列の場合のみを示すが、縦の場合も解き方は同じで、ここの総ての文章を、「左」を「上」に、「右」を「下」に読み替えれば縦の場合の解き方になる。 第1段階では、解き始めで何も手掛りがない状態なので、手掛り無しでも黒マスか白マスか判る所から確定していく。ここでの作業を漏らすと、途中で行き詰まるので、確実にやっておかなくてはならない。 先ず初めに行うのは、0と最高値(ここでは10)から処理するということである。何も考えなくても0の列は全部白マスであり、最高値の列は全部黒マスであることが明らかなためである。 10 白マスであることが確定したマスには、下のように印(よく使われるのは×)を付けておくとよい。ただ、あまり大きな印をつけると、出来上がった時に絵が見辛くなるので要注意である。 0×××××××××× 複数の数字がある列で、数字と数字の間に白マスが1つと仮定して計算すると、ちょうど最高値と同じ数になる列は、1通りの可能性しかないので数字と数字の間に1マスだけ白マスを入れて塗り潰す。 (例) 72 は、7と2の間には白マスが1マスしかないと仮定すると、7+1+2=10(1は白マスの分、以下同じ)で最高値と同じ値になるから、次の1通りしかない。 72 × この処理ができることは数字が細かくなればなるほど気づきにくいので、注意が必要である。例えば次のようなもの。 422 は、4+1+2+1+2=10だから、 422 × × である。もっと細かい場合もある。 12111 は、1+1+2+1+1+1+1+1+1=10だから、 12111 × × × × である。 例えば、次の列はどう処理するか。 8 この列には次の3通りが考えられる。 8 この場合はどうしようも無いかというと、そうでもない。よく見ると、どの場合も真ん中の6マスは必ず塗られていることがわかる。従って、この列はこの様に一部が確定する。 8 もっと言えば、一番左のマスが黒マスだと仮定した場合と、一番右のマスが黒マスだと仮定した場合で、共通する黒マスは確定する。 (例) 6 これを、一番左が黒マスだと仮定すると、 6 逆に一番右が黒マスだと仮定すると、 6 2つを比べて、共通して黒マスになっているのは、 6 となり、黄色で示した中央の2つが共通するので、次の通りマスが確定する。 6 複数の数字がある場合についても、数字と数字の間の白マスを1マスと仮定すれば同じ事ができる。但し、左と右から塗った場合を比べた時に、黒マスで共通していても、別の数字に由来する場合は共通とは言わない(下の例を参照)。 (例) 42 一番左が黒マスと仮定して、
3
3
数字が複数ある場合
「白マス」について
11
11
11
11
11
順番について
13
13
1
111
解く時の定石
第1段階
0と最高値を処理
足して最高値になる列を処理
左右につめた時に生じる共通の黒マスを処理
8
8
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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