『お留守バンシー』(おるすバンシー)は、小河正岳による日本のライトノベル。イラストは戸部淑が担当している。電撃文庫(メディアワークス)より2006年2月から2007年2月まで刊行された。第12回電撃小説大賞「大賞」受賞作[1]。
科学が信仰の対象となった19世紀の東欧を舞台に、東欧の片田舎にあるお城、オルレーユ城で暮らす妖精バンシーのアリアとその同僚たちとの平穏な生活を描く。 この作品記事はあらすじの作成が望まれています。ご協力
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登場人物
アリア
主人公。オルレーユ城の主人・ブラド卿に仕えるバンシー(女精)だが実態はいわゆるメイドである。見た目は12?3歳の可愛らしい少女。ブラド卿に仕える者の中では一番の古株。真面目かつ献身的な性格で、毎日の炊事、洗濯、城内の掃除に余念がない。個性的な城の住人達と度重なるトラブルにいつも頭を悩ませている、恐らく一番の苦労人。主人のブラドを心から敬愛しており、城を守る為なら多少の強引や無茶は問わない為、他の住人達を振り回す事もある。人名をよく聞き間違える。機嫌が頗る悪い時は、時間構わず掃除をし始める。特殊能力として幽体となり物や壁をすり抜けられる、生後間もない赤ん坊を世話する事で病から一生涯守れる、泣き出す事で周囲の人間をもらい泣きさせる『女精の慟哭(バンシーキーニング)』、ゴキブリ等の不潔なものを近づけない、というのがある。
ブラド・ドラクル
オルレーユ城の主人。恐らくは吸血鬼。宿敵であるルイラムから逃れるために隠居生活を始める。外見は20代後半の若さを保った、鷹の様な鋭い目つきを持つ青年。上流階級に属する人間と親交がある為、その時、その場所で思い付いた偽名を使っている(例として「レイシェント・アーゼラ」、またはその逆など)。亡命後も潤いのある生活を送っている。他者を威圧する様な厳格な物言いが目立つが、アリアを初めとする僕(しもべ)達を気遣うなどの優しさも見せ、長い付き合いのアリアには全幅の信頼を寄せている。しかしトファニア曰く「難問にブチ当たると、決まって背を向ける」性格で、面倒事は僕に押し付けようとする無責任な性格でもある。また争い事を極端に嫌う性格でもあり、彼自ら手を下す事は決してない。特殊能力として、蝙蝠に変身出来る。また蝙蝠や熊ほどの巨躯を持つ狼を使い魔として使役している。
フォン・シュバルツェン
アリアと同じくブラド卿に仕えるデュラハン(首無し騎士)。常に左手に自分の首を抱えている。亜麻色の髪と碧眼を持つ中々の好男子。ブラド卿に仕えている者の中では新参者にあたる。死んだ時に名前を奪われてしまった為、ファーストネームは不明。元は人間。イルザリアに恋愛感情を持つ。変態的な発言が多い。ナイトメア(夢馬)のコシュタバワーを愛馬とし(しかし3巻でアリアの方に懐いている事が判明した)、かなりの業物らしい一振りの大剣を所持しているが、3巻で折れてしまった。本人は精一杯カッコつけているつもりの様だが、大抵は空回りに終わっている。普段はアリアに遣り込められてばかりで、彼女には頭が上がらない。しかしやる時はやるらしく、1巻でアリアを襲った「異端者(ゴーレム)」から彼女を守り、大立ち回りを演じた事がある。
イルザリア
ブラド卿に仕えるサキュバス(淫魔)。プラチナブロンドのロングヘアの女性。アリアにとっては姉の様な存在。サキュバスに相応しい美貌とスタイルを備えているのだが、どういう訳か奥ゆかしく慎ましやかな淑女で、自分が異性に対してふしだらになれないことで悩んでおり、何とかしてふしだらになろうと努力しているが、どうしても徒労に終わる。普段は素肌を殆ど露出しない禁欲的なドレスを着ているのだが、それでもやはり隠しおおせぬ色香が滲み出ている事は、流石といった所。異性が香りを嗅げば淫靡な夢を見せられ永遠の眠りに就かせられる蔓薔薇を自室に張り巡らせるという、過剰な自己防衛を施している。4巻では「サキュバス」の単位不足が発覚し、再教育センターに連行されそうになる。フォン・シュバルツェンに恋心を抱いている。
セルルマーニ
ブラド卿に仕えるガーゴイル(魔除けの石像)だが、実際は丸々太ったペンギンの様な可愛らしい外見をしている。城で唯一、ブラド卿によって生み出された存在だが、ブラド卿は精一杯恐ろしい外見にしたつもりで、本人も成功作だと思っている。普段は門番をしているが、犬やフクロウの声で驚き恐れるほどの臆病者で寂しがり屋。元々警告するのが役目である為、声が高い。
フンデルボッチ
ブラド卿に仕えるリビングデッド(生ける屍)。城の庭師をしている。かなりおぞましい姿をしているので、アリアの提案で仮面と服で体を全て隠したが、逆に不気味さが増してしまっている。昼間は土の中にいる。無論喋ることはなく、会話は全て身振り手振りのジェスチャーで行われている。