えんとつ町のプペル
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『えんとつ町のプペル』(えんとつまちのプペル、英題:POUPELLE OF CHIMNEY TOWN)は、日本絵本西野亮廣が脚本・監督となり完全分業制で制作した。メインイラストレーターは六七質。2021年9月時点で累計発行部数は70万部を記録している[1]
製作過程

西野が本作の制作をスタートさせたのは2011年[2]。自ら生み出したストーリーに好感触を得た西野はまずサンリオピューロランドと組んで、西野が手がけていたコントライブ「ナイスなやつら」のプロデュースの形で舞台化し、そこでの観客の反応を取り入れて映画のストーリーが完成した[2]。そのまま映画化しても得体の知れない作品に集客は見込めないだろうという判断から、映画のストーリーの5分の4くらいを削ったのが絵本の内容である[2]

絵本制作は完全分業といっても絵と文の2名であることから、「森を描く、人物を描くといった作業にそれぞれ専門家を充て、完全な分業を実現したい」という西野の思いから制作が始まった。分業を担当する作家はMUGENUPより35人が参加、西野が面接で選んだ[3][4]

分業による費用増はクラウドファンディングによって賄われており、作品中に登場する店名や企業名の看板は実は出資者による広告となっている[5]。分業制導入には作家性が薄れるとの批判もあったが[6]、2016年10月に発売された絵本はその年の年末までに10万部を超える大ヒットとなった。
あらすじ

配達屋が落とした心臓によって生まれたゴミ人間。町はハロウィンの真っ只中で、ゴミ人間は仮装した少年たちと出会う。少年たちはゴミ人間が仮装では無いことを知ると汚い言葉を浴びせ、ゴミ人間を追い出してしまう。そんな時、えんとつ掃除屋のルビッチと出会う。名前の無いゴミ人間に、ルビッチは「ハロウィン・プペル」と名付け、二人は仲良くなり、夜まで遊んだ。次の日、ルビッチはプペルに「『ホシ(星)』を知っているか」と尋ねる。
登場人物

出典:[7]
プペル
主人公。配達屋が落とした心臓によって生まれたゴミ人間。ひょんな事から出会ったルビッチにハロウィン・プペルと命名され彼の友だちになる。
ルビッチ
もう1人の主人公。母ちゃんと二人暮らしで、えんとつそうじ屋で家計を助ける。父ちゃんの『煙のうえにはホシがある』を信じている。ひょんな事からプペルと出会って彼の友だちになる。
アントニオ
ハロウィンパーティーに参加していた大柄な体格の少年。ジャック・オー・ランタンに仮装した。デニスが風邪をひいてしまったことで、プペルと一緒に遊んでいたルビッチの事を責めていた。
レベッカ
アントニオの仲間の少女。魔女に仮装していた。
デニス
アントニオの仲間のやせっぽちな体格の少年。物語の途中で風邪をひいて休んでしまう。彼らのほかにも仲間の子供たちが2名登場していたが名前は不明。
ローラ
ルビッチの母親。明るく優しい性格。
ブルーノ
ルビッチの父親。町でただひとりの漁師。冬の波に飲まれて死去。好奇心旺盛かつ照れ屋で、嬉しいことがあると、人差し指で鼻の下をこする癖がある。生前ルビッチに「信じぬくんだ。たとえ一人になっても」という言葉を残している。
配達屋さん
夜空を駆ける配達屋。煙を吸って咳き込んで、配達中の心臓を落としてしまう。
書誌情報

にしのあきひろ『えんとつ町のプペル』
幻冬舎2016年10月21日発売、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:linear-gradient(transparent,transparent),url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-344-03016-9

にしのあきひろ『ぬりえ えんとつ町のプペル』幻冬舎2020年11月26日発売、ISBN 978-4-344-03708-3

にしのあきひろ『みにくいマルコ?えんとつ町に咲いた花?』幻冬舎2021年5月31日発売、ISBN 978-4-344-03707-6

アニメ映画

映画 えんとつ町のプペル
POUPELLE OF CHIMNEY TOWN
監督廣田裕介
脚本
西野亮廣
原作西野亮廣
製作北橋悠佑
福山亮一
田中栄子
製作総指揮西野亮廣
出演者窪田正孝
芦田愛菜
立川志の輔
小池栄子
藤森慎吾
野間口徹
伊藤沙莉
宮根誠司
大平祥生JO1
飯尾和樹ずん
山内圭哉
國村隼
音楽小島裕規
坂東祐大
主題歌HYDE
HALLOWEEN PARTY -プペル Ver.-
ロザリーナ
『えんとつ町のプペル』
編集廣瀬清志
制作会社STUDIO 4℃
製作会社吉本興業
配給東宝
吉本興業
公開 2020年12月25日
上映時間101分
製作国 日本
言語日本語
興行収入27.0億円[8]
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2019年12月にアニメーション映画化が発表され、2020年12月25日に公開された。アニメーション制作はSTUDIO 4℃[9]。原作者の西野が製作総指揮と脚本も兼任し、絵本では描かれなかった部分も描かれている[10]。2021年9月2日に、期間限定(10月22日?10月31日)でハロウィン限定上映が決定された。
あらすじ(アニメ映画)

舞台は4000mの崖にかこまれた、えんとつだらけの町、朝から晩までけむりがもっくもく、空はいつもけむりに覆われていた。

この町にはルールがある。

1,空を見上げてはいけない

2,夢を信じてはいけない

3,真実を知ってはいけない

町の住人は煙の向こうに何があるのかを知らない。しかし、えんとつ掃除屋のルビッチだけは星の存在を信じていたのだった。そんなある日の夜、空から赤い塊がゴミ山に落ち、そこからゴミ人間が生まれた。ハロウィンの日にルビッチはゴミ人間に出会い、「ハロウィン・プペル」と名付け友達になる。異端を許さないこの町の統率者レター一族と参謀トシアキはプペルを危険人物とみなした。彼らに追われながらも、心を通じ合わせたルビッチはプペルに対し、煙の向こうには星があると信じていることを、誰にも話さないという約束で打ち明ける。

ある日、町に流れるドブ川沿いを歩いていたプペル、それを見つけた、いじめっ子のアントニオ達に声をかけられる。ひょんなきっかけでプペルは星の存在の話を、彼らに話してしまう、途端、激昂するアントニオ、わけもわからず殴られ続けるプペルは川に落ち、流されていくのであった。騒動にかけつけた異端審問官にアントニオ達は星を信じるプペルとルビッチの事を話してしまう。プペルがアントニオ達に星の話をしたことを知ったルビッチは、彼を遠ざけてしまうのであった。

雨の降るある夜、渡したい物があると、プペルはルビッチの自宅を訪れた。やりとりの最中、ある事がきっかけでプペルの心臓が大きく動き出す。そして、心臓に引き寄せられるように海からボロボロになった巨大な船が現れる。町の人たちは、怪物が海から打ち上げられたとパニックに陥る中、ルビッチとアントニオだけは気付いたのだった。それは、ルビッチの今は亡き父親ブルーノが作った紙芝居「えんとつ町のプペル」に描かれていた船の絵とよく似ていることに。

そして、物語はここから大きく動きだす。

星の存在を信じていたために異端審問官に消されたブルーノの想いも引き継ぎ、ルビッチとプペルはこの船を使って町の人たちに星を見せることを企てる。えんとつ掃除屋のボスであるダンや、プペルが町に現れた時からなにかと手助けしてくれていたドロシー達の協力も得たことで、異端審問官から逃げながらも、同じく星の存在を信じる鉱山泥棒スコップの力を借りて大量の無煙火薬を入手する。スコップからは星の存在だけでなく、住人が外の世界を知ることを阻むために、町の政府や異端審問官がえんとつから出る煙で町を覆っている経緯も知っていて、その昔、酒場にて酔っ払った勢いで、星の存在や異端審問官の策略についてブルーノに喋ってしまったことを告げられる。スコップによると、元々、えんとつ町は、中央銀行の支配を恐れたレター一族が、昔、あの巨大な船に乗って移住してきて築いた町だと、そして、当初は中央の目から逃れるため、えんとつを立てて煙を張り、外部との接触をなくすことで町を守っていたのだが、それが今や、政府が住人を外の世界を知らせず閉じ込めるように成り下がったのだという。


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