うぬぼれ刑事
[Wikipedia|▼Menu]

うぬぼれ刑事
ジャンル
刑事ドラマ
脚本宮藤官九郎
演出宮藤官九郎
吉田健
土井裕泰
金子文紀
出演者長瀬智也
生田斗真
中島美嘉
荒川良々
要潤
矢作兼
坂東三津五郎
西田敏行
音楽仲西匡
市川淳
都啓一
エンディングTOKIO
NaNaNa (太陽なんていらねぇ)
製作
プロデューサー磯山晶
製作TBSテレビ

放送
音声形式ステレオ放送
放送国・地域 日本
放送期間2010年7月9日 - 9月17日
放送時間金曜 22:00 - 22:54
放送枠金曜ドラマ
放送分54分
回数11
公式サイト
特記事項:
初回は22:00 - 23:09の15分拡大。
テンプレートを表示

『うぬぼれ刑事』(うぬぼれでか)は、2010年7月9日から9月17日まで毎週金曜日22:00 - 22:54に、TBS系の「金曜ドラマ」枠で放送された日本の刑事ドラマ。脚本は宮藤官九郎。主演は長瀬智也[1]
概要

恋愛体質でうぬぼれが強い刑事・“うぬぼれ”が、自らが一目惚れしてしまった女性が犯した罪の真相を突き止めていく一話完結の刑事ドラマ。第29回向田邦子賞受賞作[2]

本作は宮藤官九郎が7年間の構想の果てに実現した初の「刑事物」である。主演の長瀬とは『池袋ウエストゲートパーク』(2000年)と『タイガー&ドラゴン』(2005年)に引き続き、5年振りにタッグを組んだ。

ストーリー展開としては、下記の流れが毎回のパターンである。
長瀬演じる“うぬぼれ”が、真犯人の女性に一目惚れする。

犯行を突き止めた際、「罪を見逃す代わりに自分と結婚する」か「求婚を受け入れなければ逮捕」かを迫る。

女性が2.の後者を選択して逮捕され、“うぬぼれ”は失恋する。

「刑事が惚れた女性が犯人である」という同様のコンセプトの作品にテレビ朝日系『キミ犯人じゃないよね?[注 1]があり(ただし、事件を解決するのは相棒のフリーター)、宮藤は「似たようなことを考える人がいてビックリした。そこから同ドラマの刑事役だった要潤にも出てもらおうと思った」という旨の発言をしている[3]

キャッチコピーは「あなたを僕と結婚するの刑に処す。」。
登場人物
主人公
“うぬぼれ” / 小暮 己〈30〉
演 -
長瀬智也(当時TOKIO[注 2][注 3]警視庁世田谷通り警察署の刑事。30歳独身[4]福島県出身で父親は元警察官。興奮すると訛りが出てしまう。惚れ性の恋愛体質に加えて思い込みと浮き沈みが激しい性格。優秀な刑事だが、たまたま立ち寄ったコンビニで出会った女性が万引き犯だったりと、意中の女性が何らかの犯罪を犯しているのが本人にとって悩みの種。女性に惚れる際は、必ず女性の一部のパーツに惹かれる傾向がある。惚れた瞬間にはファンファーレが鳴り、持っていた物を落としてしまう(バーベルのプレートや西瓜なども落としている)。警視庁強行犯捜査係のエリート刑事だったが、1年前に交際していた里恵に振られたことで重度のスランプに陥り所轄に左遷された。里恵との交際中に洗脳され、自分こそは「世の中の女性が放っておかないモテ男」といううぬぼれを抱くようになった。里恵との甘い生活を夢見て買った所沢のマンションで泣きながら暮らしていたが、偶然立ち寄ったバーで心酔する栗橋と出会い、栗橋率いる「うぬぼれ4」の面々と知り合う。彼らの助言を得ながら恋愛に邁進するうち仲間の一人と認められる。「うぬぼれ5」の仲間からは「ロマンス刑事」もしくは「刑事さん」と呼ばれている。最終話にて本名が「小暮己」(こぐれ おのれ)で、誕生日1980年11月5日であることが判明、出演クレジットも最終話のみ本名だった。「うぬぼれ」は刑事仲間に付けられた渾名だが、両親からも渾名で呼ばれている。
うぬぼれ5

「うぬぼれ5」はバー「I am I」で恋愛話に興じる、うぬぼれ屋の男性5人組。当初は「うぬぼれ4」だったが、“うぬぼれ”が加わって「うぬぼれ5」となる。なお、劇中では、事件の関係者やうぬぼれの身内を除くと、うぬぼれ5以外の客が訪れた場面が描かれていない。葉造には「うぬぼれ酒場」と称される。
栗橋 誠
演 -
坂東三津五郎[注 4]国際女子短期大学心理学部教授。女性心理を計算し尽くし、恋愛心理学について本を出版したりテレビに出演したりと活躍しており、一部の男性のカリスマ。“うぬぼれ”も知り合う前から栗橋を崇拝し、影響を受けていた。女子学生からモテモテと自慢している。うぬぼれ5の中心的存在で「キャップ」と慕われる。基本的に恋愛については異常なほどポジティブ志向。玲子ママにアプローチを掛けているが、相手にされないどころか邪険に扱われている。
本城 サダメ〈26〉
演 - 生田斗真俳優。名前は漢字で書くと「本城運命」。口癖は「あ、はい!」26歳でメンバー最年少。駆け出しであまり売れておらず、死体役を演じることが多い。第2話より、葉造が執筆した劇中劇「うぬぼれ刑事」のドラマ版で主役のうぬぼれを演じる。現在はホームレスネットカフェ暮らし。引っ越すときには意地でも同棲と決めている。イケメンだが、ファッションセンスは意味もなく派手でダサい上、頭が悪くトークのセンスがゼロなので寄ってきた女性もすぐに去ってしまう。うぬぼれ5の面々には「顔がうるさい」とさえ評されることがしばしばある。ベストが必需品。共演した女優から誘われると自慢する。
松岡 征士郎
演 - 要潤[注 5]パティシエでケーキ屋「Sweet松岡Boy」のオーナー。トゥッティーフルッティーに自信があり、しばしばI am Iに持ち込んでうぬぼれ5に振舞う。外国人女性としか付き合ったことがなく、“愛してる”を7か国語操れることを自慢にしている。火曜、金曜にスイーツ教室を開いている。スカーフが必需品。下の名前「征士郎」は第5話で初めて判明、出演クレジットは第6話からフルネームとなった。
穴井 貴一〈38〉
演 - 矢作兼おぎやはぎ)38歳独身。グラビア専門のカメラマン。「脱がせアナーキー」の通り名を持ち、たとえ女性のガードが堅くとも10分以内で乳首を除いて裸にさせられると豪語する。自慢のため作品を持ち歩く。「中井貴一の中を穴に変えて、せーの、穴井貴一です」が自己紹介の口上。帽子とメガネが必需品で、女性と付き合うとファッションを相手に合わせる傾向がある。メガネをはずすとサダメの祖母に似ている。
バー「I am I」
ゴロー
演 -
少路勇介[注 6]バー「I am I」のバーテンダー。バーの中では唯一の良識人で、いつもバーでうぬぼれていた男たちを「うぬぼれ4」と名付けた人物(後に「うぬぼれ5」)。“うぬぼれ”の担当する事件の解決に繋がるヒントもたびたび提供しており、彼を「頭が良い」と唸らせるが、それ以前にうぬぼれ5の恋路を邪魔する存在と認識されているため、冷たく無視されることが多い。彼女持ち。第9話で姓「松島」が判明するが、出演クレジットには変化なし。最終話のうぬぼれ5のダンスシーンでは、サックスパートでサックス演奏を披露した。
玲子ママ
演 - 森下愛子[注 2][注 7][注 8][注 3][注 9]バー「 I am I 」 のママ。基本的に飲み歩いているので「 I am I 」にはあまり出勤せず、週に1回気まぐれで顔を出す。カラオケも高頻度で行っていることから、店にいる時にはたいてい喉が潰れて声が出ないため、会話は筆談がほとんど(第7話で初めて声を聞いた“うぬぼれ”に驚かれている)。凶暴かつ毒舌家で、紙に書く言葉は際どいものであることが多い。
その他
日暮 里恵〈27〉
[5]
演 - 中島美嘉[注 5](幼少期:峰岸花奈)主婦。“うぬぼれ”の元婚約者で冴木の妻。“うぬぼれ”をダメ男にした張本人。3年前に“うぬぼれ”が自分の家で「ひばり銀行世田谷支店強奪事件」を張り込んでいたことが縁で交際に発展したが、2年の交際後にうぬぼれの元を去り、その後、出会い系サイトで冴木と知り合い結婚した。“うぬぼれ”と付き合っていた当時は恋愛体質で異常に嫉妬深く、5分置きに「愛している」と言わせていた。現在はすっかり宗旨替えして、冴木のために愛妻弁当を作る健気な良妻として振舞っている。正確には事実婚であり、籍は入れていなかった(出演クレジットの姓が日暮だったのはそのため)。最終回で“うぬぼれ”の捜査により「ひばり銀行世田谷支店強奪事件」の首謀者・神である事が発覚し逮捕されるが、“うぬぼれ”からのプロポーズも受け入れた。当初“うぬぼれ”を誘ったのは事件の捜査妨害のためだったが、付き合ううちに本当に惚れ込んでしまい、自分が犯罪者であると知ってもなお自分を愛するにちがいないという事実に胸を痛めて逃げるようにして別れた、というのが真相だった。一方で、冴木と結婚したのは「絶対に好きにはなり得ない」という安心を持っていたためだった。
冴木 優〈33〉
演 - 荒川良々[注 3][注 6]10月に警視庁強行犯捜査係への異動を控える警視庁捜査一課刑事。新婚。かつて“うぬぼれ”の婚約者だった里恵の、現在の夫。極度のせっかちで独善的。人物の好みも激しい。勤務中にもかかわらず、新妻との通話に夢中になることもある。字がおそろしいほどきたない。酒に弱いのでノンアルコールビールを飲んでも酔っぱらう。現場の経験が少なかったために自ら志願して一時的に世田谷通り警察署に配属され、うぬぼれの相棒となる。見た目に反して非凡な頭脳を持った有能な刑事で、捜査ではその辣腕を振るう。“うぬぼれ”をライバル視していたが、やがてその捜査手腕を認めていく。愛妻が彼の元カノであったことは、葉造が酔った勢いでバラしてしまい、その時は再び険悪な仲になったが、その後、里恵の犯罪に関する捜査を経て“うぬぼれ”とは固い絆で結ばれる。正確には事実婚であり、籍は入れていなかったが、最終回では自らバツイチと称している。
町田警部
演 - 小松和重世田谷通り警察署の刑事。“うぬぼれ”の上司でありながら、うぬぼれの犯人へのプロポーズに立ち会ったりするなど、ミーハーな部分も目立つ。冴木に圧倒されている。地位は不明だが、“うぬぼれ”の母に「こう見えてもここで一番偉い」と言っている事から、部長・課長クラスの管理職にあると推測される。第7話の未亡人との会話及びその後の冴木とうぬぼれの屋台での会話より部長であることが確定している。
登戸
演 - ムロツヨシ世田谷通り警察署の刑事。妻帯者だが小山と不倫している。第5話では、手違いから殺されかけたが、寸前のところでうぬぼれが駆けつけたため助かった。
婦警・小山
演 - 伊藤修子[注 3]世田谷通り警察署の婦警。噂話が大好き。登戸に妻がいると知りながら不倫している。少々空気の読めないところがある。
婦警・南
演 - 西慶子[注 10]世田谷通り警察署の婦警。噂話が大好き。冴木にアゴで使われている。韓流スター「ペ・ヤングン」[注 11]のファン。
監督・田代
演 - 橋本じゅん[注 3][注 12][注 13]ドラマ「うぬぼれ刑事」の監督。当初はサダメに辛くあたっていたが、次第にサダメを認めるようになってきた。気に入った役者には衣装にタンクトップを指定する。ハードゲイであり、そっち方面でもサダメを気に入っていると思われたが、後述の女優と親密な関係にあり、ドラマの打ち上げで結婚を発表している。
女優
演 - 遠山景織子[注 8][注 14]友情出演)ドラマ「うぬぼれ刑事」では毎回ヒロイン役[注 15]をつとめた。葉造による回想シーンの女性役(こちらも相手の男性役は生田斗真)としても出演している。
葉造〈59〉[6]
演 - 西田敏行[注 3]“うぬぼれ”の父親で元福島県警本部長。“うぬぼれ”のマンションに転がり込み同居している。現在は警察の内情を明かす『暴露本』を執筆するノンフィクション作家として活動する。ペンネームは「月影葉造」。引退した身であるものの、元県警本部長という肩書きは伊達ではなく、現役時代の経験から捜査の度に“うぬぼれ”に的確なアドバイスを与える。が、自分が犯人に惚れ込んだ第8話では、息子に逆に鋭い指摘をされて逆切れする場面もあった。“うぬぼれ”のことが心配で仕方がなく、“うぬぼれ”に意中の女性を紹介されても「クロ」であるときは容赦なくそう教えている。息子をモデルにして執筆した「うぬぼれ刑事」シリーズがベストセラーになり、運命主演でドラマ化もすることになった。最終回では「稲刈りが近いから」と福島に帰った。“うぬぼれ”は父に頭が上がらず普段から敬語を使う一方で、左遷の原因は父親の書いた本が問題視されたと信じている。オープニングナレーションもつとめたが、最終回では「時間がないので早口で読んでくれ」と言われたと愚痴をこぼしたあと、探偵!ナイトスクープのオープニングナレーションをしゃべり出した。
ゲスト
第1話「初恋篇」
貴崎 恵里子
演 -
加藤あい[注 2]ゲーム制作会社「マジソン」営業部の社員。改札口で“うぬぼれ”とぶつかり、“うぬぼれ”に一目惚れされる。殺された宮本とは企画開発部時の上司であると同時に大学時代からの先輩後輩の間柄で尊敬していた。“うぬぼれ”が自分を疑っていると誤解する。映画好きで、最近観たのは「余命3?4日の花嫁」。
宮本 克也
演 - 猪岐英人「マジソン」の社員で企画開発部のエース。次々とヒット作を生み出し業界のみならず注目を集めていた。社内で撲殺された死体となって発見される。
リサ
演 - Rio“うぬぼれ”がコンビニで出会った女性。“うぬぼれ”のアプローチを受けるが、実は万引きをしていたため“うぬぼれ”に捕まる。最終回では逆に“うぬぼれ”に捕まえてもらおうと万引きをしたが、“うぬぼれ”に気付いてもらえなかった。
桜木
演 - 須藤公一[注 2]「マジソン」営業部の社員。厳重なセキュリティにより事件現場に入れずに困っていた“うぬぼれ”と冴木を助けた。貴崎と同僚。
三浦
演 - 則友謙司ピザ屋の配達員。“うぬぼれ”が描いた貴崎恵里子の似顔絵を見て、「マジソン」に配達に行ったときに見かけた怪しい人物はこの人だと証言する。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:84 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef