うに
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地名については「ウニ (キーロフ州)」をご覧ください。

ウニ綱
ウニの一種
分類

:動物界 Animalia
:棘皮動物門 Echinodermata
亜門:有棘動物亜門 Echinozoa
:ウニ綱 Echinoidea

学名
Echinoidea Schumacher, 1817[1]
和名
ウニ(海胆、海栗)
英名
Sea urchin
亜綱


真ウニ亜綱 Euechinoidea

オウサマウニ亜綱 Cidaroidea

ウニ(海胆、海栗、: Sea urchin)は、ウニ綱に属する棘皮動物の総称。別名にガゼなど。なお、「雲丹」の字を充てるときはウニを加工した食品を指す[2]日本俳句では春の季語[3]
概要

深海の海底から磯に至る世界中の海に生息し、約870種が確認されている[4]。多くの種が全身にトゲを持つ。中にはガンガゼのように毒を持つものもある。ウニの体の構造は5つの部分から成り、背面から見た殻の輪郭が円形で、中心から5つの部分が放射相称に配置されたものを正形ウニ類と呼ぶ。タコノマクラなど、放射状ではなく左右相称になっているものを不正形ウニ類と呼ぶ[4]
形態ウニの肛門付近。中心の肛門の周りに、生殖孔が空いた生殖板が並んでいる。右下の大きな骨片が多孔板。生殖板の間を埋めている終板から、無数の歩帯板の列がそれぞれ伸びて歩帯をなす。歩帯の左右の穴から管足が伸び、その間は間歩帯と呼ばれる。ウニの口

棘皮動物は五放射相称の形をしており、棘のためにわかりにくくはなっているものの、ウニも五放射相称である[5]。ウニは炭酸カルシウムの球状の骨格を持ち、骨格上のから棘が伸びている。棘のある側に肛門があり、口はその反対側で骨格に大きな穴を空けている[6]。骨格は肛門の付近を除いて、5本の歩帯とその間の間歩帯からなる。歩帯には、管足が伸びる2つの穴を空けた歩帯板が連なっており、その下には放射水管が流れる。間歩帯の下には生殖巣がある[7]

肛門付近の骨格は頂上板系と呼ばれる。頂上板系はウニのなかで最も古い部分になる。精子や卵が放出される生殖孔を持つ5つの生殖板が肛門の周りにならび、生殖巣はここにつながる。生殖板のうち、ひときわ大きく多くの小孔を持つのが多孔板であり、水管系と外界をつないでいる。生殖板の間に終板と呼ばれる骨があり、歩帯はここからのびる。終板にも管足があり終管足と呼ばれ、これは1本ずつ生える[8]。口からは腸が伸びる。口には5つの歯があり、五放射相称の「アリストテレス提灯[9]と呼ばれる骨と筋肉によって動かされる。[10]

棘は炭酸カルシウムの骨を表皮で覆った構造をしており[11]、防御や移動の機能がある[12]。主に反口側の棘が防御に用いられ、口側の棘は移動に用いられる[13]。視覚器官の役割も果たしている[14]。棘は管足の並ぶ歩帯の間(間歩帯)に主に配置する。普通の単純な棘の他に、先端がピンセット状などになった叉棘があり、体表の掃除や敵に対する防御などに使われる[11]

棘はその根元から大きく動かすことができる。殻の棘のつく部分は丸く盛り上がっており、棘の基部もまた半円形に突き出している。この両者は筋肉で結びつけられており、この筋肉によって棘は振り回すような運動が可能である[13]。筋肉の内側にキャッチアパレータスと呼ばれる結合組織があり、これを硬くすることによって棘を固定することができる。種によっては棘の中央と殻をつなぐ結合組織も持つ[15]
内部構造

消化系は比較的単純で、腹面中央に口があり、体内を一巻きのらせんを描きつつ上に抜け、殻の真上か、それをはずれた上面に肛門が開く。生殖巣も殻の上面に開く。それらのそばに多孔板があり、ここから水管系へと海水が取り入れられる。多孔板から石管が体内を貫いて腹面側に抜け、顎の後ろの消化管を取り巻く環状水管へと続く。ここから歩帯にそって放射水管が伸びて管足に繋がる。
発生

胞胚孵化し、プランクトン生活をしながら成長する。やがて三角形のようになり、それぞれの角から突起を突き出したプルテウス幼生となる。その後、海底に一時的に固着し、変態してウニの姿となる。プルテウス幼生

その後卵割し、

2細胞期→4細胞期→8細胞期→16細胞期→桑実胚→胞胚→プリズム幼生→プルテウス幼生

と発生が進む。プルテウス幼生まで約64時間かかる。

プルテウス幼生の突起は増えて3週間ほどで8本になった8腕プルテウス幼生となる。この突起がそのまま成体のトゲになるわけでなく、胃の左側の一部で、原腸由来の水腔を、表皮の陥入してきた羊膜陥が包みウニ原基がつくられ、原基は幼生の中で寄生するように成長し突き破って稚ウニとなる[16][17]
生態

全て海産で、動きの遅い底性動物である。棘を動かし、また管足を使ってゆっくりと移動するが、普段は岩に張り付いている場合が多い。岩のくぼみなどに入り込んでいるものも多い。砂底に適応したものでは、カシパン類のように砂に浅く潜って暮らすものや、ブンブクチャガマのように砂に穴を掘って暮らす例もある。ガンガゼは、熱帯地方では砂底の海底で群れをなして生活する。

海藻を食うものやデトリタスを食べるものが多い。ウニの過剰な増加は海藻群落(藻場)の食害による消失を引き起こすことから、藻場の回復やウニの実入りの改善のためにウニ類の除去が行われる場合もある[18]。北洋では、ウニが多産する海岸ではコンブが生育出来なくなるという。岩に附着するコンブの苗を喰ってしまうからである。なかには雌雄同体のものもいる。

なお、絶食状態に置いた直後のムラサキウニは、野菜・雑草・魚肉・穀物やパン類なども含め、与えればほとんど何でも食べる[19]

近年の調査研究結果により、寿命は(種と環境によるが)200歳に至ることもあることが判り、生殖能力も100歳を超えても、10歳のウニと変わらないことが判ってきた[20]
系統

棘皮動物各群の関係についてはよくわからない点が多い。その中でウニ綱はナマコ綱に近いものと考えられている。腕が完全に欠けていること、歩帯が口から肛門にわたって伸びることなどが共通点としてあげられる。
分類

現生群は真ウニ亜綱Euechinoidea[21]、オウサマウニ目のみからなるオウサマウニ亜綱Cidaroidea[22]の2亜綱に分けられる[1]。かつてはオウサマウニ目を化石種のみで知られているニセウニ科Bothriocidaridaeを含む溝帯目Bothriocidaroidaなどとともに擬ウニ亜綱Perischoechinoideaに分類することもあったが[23]、のちにニセウニ類は古生代に現生群の共通祖先より以前に派生したステムグループとして区別された[21]
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