うつ病
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この項目では、臨床的うつ病 (Clinical depression) について説明しています。症候については「抑うつ」を、精神障害としての抑うつ障害全般については「気分障害」をご覧ください。

うつ病

フィンセント・ファン・ゴッホ
悲しむ老人
1890年5月
概要
診療科精神医学
分類および外部参照情報
ICD-10F32, F33
ICD-9-CM296.2, ⇒296.3
OMIM608516
DiseasesDB3589
MedlinePlus003213
eMedicinemed/532
Patient UKうつ病
MeSHD003865
[ウィキデータで編集]

世界の疾病負荷(WHO, 2019年)[1]順位疾病DALYs (万)DALYs(%)DALYs
(10万人当たり)
1新生児疾患20,182.18.02,618
2虚血性心疾患18,084.77.12,346
3脳卒中13,942.95.51,809
4下気道感染症10,565.24.21,371
5下痢性疾患7,931.13.11,029
6交通事故7,911.63.11,026
7COPD7,398.12.9960
8糖尿病7,041.12.8913
9結核6,602.42.6857
10先天異常5,179.72.0672
11背中と首の痛み4,653.21.8604
12うつ病性障害4,635.91.8601
13肝硬変4,279.81.7555
14気管、気管支、肺がん4,137.81.6537
15腎臓病4,057.11.6526
16HIV / AIDS4,014.71.6521
17その他の難聴3,947.71.6512
18墜死3,821.61.5496
19マラリア3,339.81.3433
20裸眼の屈折異常3,198.11.3415

うつ病(うつびょう、鬱病、欝病、英語: clinical depression)または大うつ病性障害(だいうつびょうせいしょうがい、英語: major depressive disorder)とは[2]、一般的な精神障害であり[3]、より厳密には精神障害内の気分障害内の一つ[4]

主な症状として、少なくとも2週間にわたり抑うつ気分(悲しみ苛立ち・虚しい感覚)や、喜びの喪失〔アンヘドニア〕や活動的興味の喪失が続く[4]。他にあり得る症状としては集中力低下、過剰な罪悪感自尊心の低下、将来への絶望自殺についての考え、不安定な睡眠食欲体重の変化、疲労感、エネルギー低下感など[4]WHO(世界保健機関)の推計では、全世界の成人の5%が罹患している[3]。2000?2010年代以降の神経精神医学では、ヒトヘルペスウイルス6脳神経細胞を部分的に死滅させることでうつ病が発症するという仕組みが解析されつつある[5][6][7][注釈 1]

精神障害の診断と統計マニュアル』第5版(DSM-5)には、うつ病の診断名と大うつ病性障害(英語: major depressive disorder)が併記されており、この記事ではおもにこれらについて取り上げる[2]。これは1日のほとんどや、ほぼ毎日、2 - 3週間は抑うつであり、さらに著しい機能の障害を引き起こすほど重症である場合である[8]。1 - 2年続く死別の反応、経済破綻、重い病気への反応は理解可能な正常な反応である場合がある[2]

有病者数は世界で3.5億人ほどで一般的であり、世界の障害調整生命年(DALY)において第3位(4.3パーセント)に位置づけられる[9][10]。しかし多くの国にて治療につながっておらず、先進国であろうと適切にうつ病と診断されていないことが多い一方、うつ病と誤診されたために間違った抗うつ薬投与がなされているケースもみられる[9]世界保健機関(WHO)はうつ病の未治療率を56.3パーセントと推定し(2004年)[11]、mhGAPプログラムにて診療ガイドラインおよびクリニカルパスを公開しており、適切な治療により回復できることを示している(「うつ病#治療」も参照)[12][9][13]。.mw-parser-output .toclimit-2 .toclevel-1 ul,.mw-parser-output .toclimit-3 .toclevel-2 ul,.mw-parser-output .toclimit-4 .toclevel-3 ul,.mw-parser-output .toclimit-5 .toclevel-4 ul,.mw-parser-output .toclimit-6 .toclevel-5 ul,.mw-parser-output .toclimit-7 .toclevel-6 ul{display:none}
定義「精神障害#定義」も参照

2021年のWHO(世界保健機関)によればうつ病の原因とは、生物学的・心理学的・社会的なさまざまな要因相互作用である[14]。うつ病と身体健康には相互関係があり、例えば心血管疾患はうつ病へ、うつ病は心血管疾患へ繋がり得る[14]。不利なライフイベント(人生の出来事)──例えば失業死別トラウマ的出来事など──を経験した人間は、うつ病の発症確率が高まる[14]。一方でうつ病は、さらなるストレスと機能障害に繋がったり、QOL(生活の質)とうつ病自体を悪化させたりし得る[14]。うつ病予防プログラムは、うつ病を軽減させていると見られる[14]

診断と医学用語とを共通化する目的で操作的診断基準が開発されてきた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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