いぬやしき
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いぬやしき

テレビアニメのロゴ
ジャンル青年漫画SF
漫画
作者奥浩哉
出版社講談社
掲載誌イブニング
レーベルイブニングKC
発表号2014年4号 - 2017年16号
発表期間2014年1月28日 - 2017年7月25日
巻数全10巻
話数全85話
アニメ
原作奥浩哉
総監督さとうけいいち
監督籔田修平
シリーズ構成瀬古浩司
脚本瀬古浩司
キャラクターデザイン恩田尚之
音楽池頼広
アニメーション制作MAPPA
製作アニメ『いぬやしき』制作委員会
放送局フジテレビほか
放送期間2017年10月13日 - 12月22日
話数全11話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画アニメ
ポータル漫画アニメ

『いぬやしき』は、奥浩哉による日本漫画講談社の漫画雑誌『イブニング』にて、2014年4号(2014年1月28日発売)から2017年16号まで連載された。全85話で、2015年4月22日発売の『週刊少年マガジン』第21・22合併号には、作者初の少年誌掲載となる出張掲載もされている[1]。単行本は全10巻が出版され、第9巻は週刊少年マガジンに掲載された読み切りがフルカラーで収録された特装版が発売されている。2018年4月時点で累計発行部数は310万部を記録している[2]

2017年にアニメ化され10月から12月まで全11話が放送され、2018年4月には実写映画化され劇場公開された。

宇宙人の手によって機械の身体となった初老の男性と高校生の活躍や苦悩、救済される人々や殺害される人々を描く。
あらすじ
私は機械編

現代の日本。老人のような外見の冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は、会社や家庭からも疎外された生活を送っており、ようやく購入した一戸建てすらも家族の歓心を得ることができなかった。追い打ちをかけるように胃ガンだと診断され、余命3か月を宣告される。ガンのことを家族に打ち明けるタイミングが見つからず、打ち明けたとして家族が悲しんでくれるか思い悩む犬屋敷だったが、犬の散歩中に、高校生・獅子神皓と共に非常に小さな宇宙人による事故に巻き込まれ死亡してしまう。事故を隠蔽したい宇宙人によって、犬屋敷と獅子神は生前の記憶や精神を持った機械の身体となって蘇る。

日常における肉体との相違から、身体が機械となり本当の自分は死んだことを自覚した犬屋敷は、人でもなく犬屋敷壱郎でもない自分の存在意義を問い始める。そんな折、少年たちからリンチされているホームレスを助けて感謝されたことをきっかけとして、人助けに存在意義を見出すようになる。さらに生物の命を助けることもできることに気付いた犬屋敷は、現代医療では助からない重病人の治癒も始め、ますますその能力を他人のために使おうと考える。
慟哭の獅子神編

犬屋敷と同じく機械の身体となったことを自覚した獅子神は、イジメを受け引きこもりとなっていた幼馴染・安堂直行に自らの能力を披露し、再び登校するよう説得する。獅子神は母親や親友には有用に能力を使う一方で、生を実感するために民家に押し入っては無差別殺人を繰り返していた。獅子神の犯行に気づいた安堂は、犬屋敷と出会い共に獅子神を止めようと行動を起こす。やがて獅子神の犯行が世間に明るみに出て逃亡の身となると、彼に想いを寄せ無実を信じるクラスメイトの渡辺しおんに匿われる。しおんに説得され、能力を人助けに使い始める獅子神だったが、特殊部隊の突入でしおんと彼女の祖母が銃撃されたのをきっかけに、日本に対して殺戮を行なうと宣言する。
宣戦布告編

大量虐殺を始めた獅子神と、それを止めるべく奔走する犬屋敷との戦いが始まる。都内上空で激しい攻防が繰り広げられ、やがて獅子神のエネルギー切れの隙を突いて犬屋敷が勝利する。引き続き犬屋敷は事故に巻き込まれていた娘・麻理の救出へ向かい、さらに大勢の人々を救出する。犬屋敷の姿はテレビやインターネットで公開され日本中に知れ渡る。翌朝、自宅に帰った犬屋敷は機械の身体であることを家族に明かした。本当の自分は死んで、ここにいる自分は偽物かもしれないと告げ、家から去ろうとする犬屋敷だったが、妻・万理江や麻理が受け入れてくれたことで涙ながらに喜ぶ。当初は困惑していた息子・剛史も後に受け入れ和解し、犬屋敷は大切な家族として扱われるようになった幸せな生活を過ごす。一方、獅子神は後頭部と両腕を失った状態で安堂の前に姿を現す。獅子神は再会の理由を説明するが安堂に全く信用してもらえず、安堂との友情が無くなったことを実感する。また、しおんに会うこともできず孤独となる。
誰が為に編

家族団欒の日々を送る犬屋敷であったが、以前から危惧されていた巨大隕石が地球に衝突する危機を伝えるニュースが流れる。自身の能力で出来ることはないかと諦めきれない犬屋敷は、引き留める家族や安堂を諭し、一人で隕石の破壊へ向かう。犬屋敷は能力を使って様々な手段を試すが、隕石は破壊することも軌道を変えることもできない。そこへ獅子神が現れ、自分にも死んでほしくない人間がいることを打ち明け、巨大隕石を破壊できる方法を提案する。自爆能力によって巨大隕石は破壊され地球の危機は免れた。混乱は収まり平穏になった地球で、人々は再びそれぞれの日常を生き続ける。
登場人物

の項はテレビアニメ版のもの。の項は実写映画版のもの。
主人公
犬屋敷 壱郎(いぬやしき いちろう)
声 -
小日向文世 / 演 - 木梨憲武本作品の主人公。妻と高校生の娘、中学生の息子がいる58歳だが、娘の友達に「おじいちゃん?」と聞かれるほど、白髪に皺だらけの老け顔の冴えないサラリーマン。なぜかほぼ常に小刻みに震えている。正義感は強いが温厚かつ内向的な性格で、やや卑屈な面もある。社会から疎外されたような人生を歩み、最愛の家族からも疎まれ、やるせない日々を過ごす。理不尽な目に遭っている人を見ると怒りに燃えるが、それと同時に自分が無力という現実に耐えるしかなかった。追い打ちをかけるかのように健康診断で胃ガンが発覚、余命3か月と宣告され絶望する。愛犬・はな子との散歩中に非常に小さな宇宙人の事故に巻き込まれて死亡するが、兵器ユニットを搭載された機械の身体として蘇る。日常の中で自身の異常に気付き、機械の身体となったことを知ると自分の存在意義に悩むが、ホームレス狩りを行う少年たちを撃退したことで、ホームレスに感謝され自分が生きている人間であることを実感する。そうして人助けに自分の存在意義を見出す。現代医療では助からない重病人や怪我人を完治させる能力に気付いてからは、休日の病院に潜入して重病人を治して周り、ネットで「謎の奇跡の人」として評判になる。そのニュースを安堂が偶然知ることで彼と知り合う切っ掛けとなり、意気投合し安堂の友人となる。機械としての自身の能力については、獅子神と比べてまだ未知の部分が多い。ホームレス狩りの少年やヤクザたちと戦闘した際には、途中で意識を失った後に兵器ユニットの自動モードのような状態に入り、気付いた際には全てが終わっていたといった具合であるが、対象を不殺で対処しながら相応の悪行の報いを受ける状態にしている。安堂と知り合ってからは、安堂が獅子神から知り得た情報をたよりに機能について特訓する。しかし機能を使いこなす獅子神の行動を追尾捕捉することができず、獅子神の暴走を許してしまう形となっている。愛車は原作では2代目マツダ・デミオ、アニメ版では初代トヨタ・ヴィッツ
獅子神 皓(ししがみ ひろ)
声 -
村上虹郎藤田奈央(小学生) / 演 - 佐藤健犬屋敷と同じく非常に小さな宇宙人の事故に巻き込まれ、兵器ユニットを搭載する機械の身体にされた高校生。家族や友人には気の優しい好青年だが、それ以外の人間には全くの無関心という極端な二面性を持つ。機械の身体であることを自覚すると、イジメられて引きこもりとなっていた親友・安堂を救うために能力を使う。徐々にイタズラの限度を超え、安堂をイジメていた同級生を射殺、ATMの不正操作で大金を引き出すといった過激な行動をとりはじめる。さらには、駅のホームで目撃した飛び込み自殺をきっかけに、自分が生きている人間であることを実感するため、縁もゆかりもない無関係の一家を兵器ユニットの銃撃能力で惨殺する凶悪事件を起こすなど、犬屋敷とは対照的な手段で自分の存在意義を見出す。またこの時一度だけ犬屋敷と対面しており、銃撃能力で犬屋敷を射殺しようとしたが、犬屋敷が無傷だったことに驚愕して飛行能力でその場を去った。母親が末期の膵臓ガンと知らされると母を失いたくない一心で能力によってガンを治し、殺人をやめようと思い直した矢先、連続殺人事件の犯人であることが警察に発覚。連続殺人事件の犯人として追われるようになってからは好意を持たれていた渡辺の家に身を寄せる。渡辺に胸中を吐露した際には逆に渡辺に説得され、今まで殺してきた人数分の人助けをしていくことを約束する。数か月間は約束に従い、SNSを通して募った重病人の治癒を行い平穏な日々を過ごしていたが、渡辺の家にSATが投入され渡辺と渡辺の祖母が巻き込まれたことをきっかけに警察署を襲撃、さらに新宿で集団殺戮を行う。その際に犬屋敷と再び対面し、犬屋敷も自分と同じ機械の身体でありながら正反対の手段で生の実感を得ていたことを知る。やり場のない怒りを犬屋敷にぶつけるが、激闘の末に敗北し後頭部と両腕を失い、その後は安堂や渡辺とも疎遠になっていく。巨大隕石衝突の際には犬屋敷と同時に隕石上に現れ、犬屋敷に自らの本心を打ち明けると、身を挺して隕石を破壊した。
犬屋敷の家族
犬屋敷 万理江(いぬやしき まりえ)[3]
声 - 西宏子 / 演 - 濱田マリ犬屋敷の妻。外見は典型的な中年女性。スーパーでパートをしている。気だるい風情で、夫婦仲は冷めているため非協力的である。何かと歯切れが悪い夫の性格もあり小言が多い。しかし、帰ってこない夫に対して「殺されてるんじゃないの?」という不謹慎な発言をした息子をたしなめる程度には気にかけている様子をみせている。夫が機械であることを打ち明けた際には、娘の麻理と共に涙ながらに大切な家族として受け入れた。
犬屋敷 麻理(いぬやしき まり)
声 -
上坂すみれ / 演 - 三吉彩花犬屋敷の娘。容姿は両親に似ておらず美少女で友人も多く、典型的な今時の女子高生。獅子神と安堂のクラスメイトだが、特に接点はない。幼少期は父を慕っていたが、老けて冴えない外見になった父を疎ましく思っている。団地から一戸建てに引っ越した際に新居を見ても隣の有名漫画家の豪邸と比べて「こんなもんか」と不満を漏らし、犬を飼う際にも希望と違うはな子を見て「かわいくない」と文句を言うなど、ワガママな面を見せる。漫画家を志望しており、父のような平凡な人間には絶対になりたくないという思いと隣家の有名漫画家への敵愾心を密かに燃やしている。ある日の帰宅時、父がクラスメイトの安堂と一緒にいるところを偶然目撃し尾行したことから父の秘密を知る。さらに進路相談でのやりとりをきっかけに父への態度が徐々に軟化し、父が機械であることを打ち明けた際には涙ながらに大切な家族として受け入れた。作品中では数少ない美少女キャラであり、2016年8月23日発売の『イブニング』18号で表紙を飾った[4]
犬屋敷 剛史(いぬやしき たけし)
声 -
朝井彩加 / 演 - 福崎那由他犬屋敷の息子。


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