いとこ同志_(1972年のテレビドラマ)
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三つ首塔
著者横溝正史
発行日1972年8月22日
ジャンル小説
日本
言語日本語
ページ数364
コードISBN 4041304067
ISBN 978-4041304068(文庫本)

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『三つ首塔』(みつくびとう)は、横溝正史1955年に著した長編推理小説。「金田一耕助シリーズ」の一つ。

本作を原作として、2014年3月時点で、映画1本、テレビドラマ4作品が制作されている。
概要

本作は、ヒロイン音禰による回想手記の形をとっている。そのため『八つ墓村』同様、金田一耕助の出番は少ない。つねに合理的解決を厳守する横溝正史の作品としては、やや珍しい終わり方をする。その理由について横溝は、原稿枚数の都合で合理的な結末を展開できなかったと語っている[1]

横溝は本作を自選ベスト10の8位に挙げている。ただし実際の自選は7位までで、8位以下は文庫本の売れ行き順で決まった。横溝は「(8位以下を)ベスト10に入れるとなると躊躇せざるをえない」とも記している[2]。『幽霊男』『吸血蛾』『悪魔の寵児』などと同様に娯楽系の倶楽部雑誌に発表された作品なので扇情的な描写が多いが、三つ首塔伝承をはじめローカル物に似た色彩も持ち、構成も複雑なことから、他の通俗長編(ベストテン談義などではまず一顧だにされない)とは別格の扱いを受けることが多い。
ストーリー

宮本音禰(みやもとおとね)は、13歳のときに両親を亡くし、伯父の某私立大学文学部長で英文学者である上杉誠也にひきとられた。昭和30年[注 1]9月17日、音禰は、遠縁に当たる佐竹玄蔵老人の百億円に近い財産を、高頭俊作という見知らぬ男と結婚することを条件に譲られることになっていることを告げられる。

その1ヵ月後の10月3日。上杉伯父の還暦祝いの夜に、連続殺人の最初の事件が起こる。その連続殺人事件は、玄蔵老人が、かつて死に追いやった2人の男と自らの合せて3人の首を供養するために建てたという蓮華供養塔「三つ首塔」に起因していた。
登場人物

金田一耕助(きんだいち こうすけ)…私立探偵

等々力大志(とどろき だいし)…警視庁警部

宮本音禰(みやもと おとね)…「私」、百億円の
遺産相続人に選ばれる。

佐竹玄蔵(さたけ げんぞう)…大富豪、音禰に遺産を相続させようとする、偽名は陳和敬

佐竹彦太(さたけ ひこた)…玄蔵の長兄、故人

佐竹善吉(さたけ ぜんきち)…玄蔵の次兄で音禰の曾祖父、故人

宮本省三(みやもと しょうぞう)…音禰の父、国文学者、故人

宮本節子(みやもと せつこ)…音禰の母で善吉の孫、故人

上杉和子(うえすぎ かずこ)…節子の姉で音禰の養母、善吉の孫、故人

上杉誠也(うえすぎ せいや)…和子の夫で音禰の養父、某私立大学の文学部長

上杉品子(うえすぎ しなこ)…誠也の姉

お茂(おしげ)…上杉家女中

佐竹建彦(さたけ たてひこ)…節子の弟で音禰の叔父、善吉の孫

武内大弐(たけうち だいじ)…山師、玄蔵に殺される。

武内潤伍(たけうち じゅんご)…大弐の孫

高頭省三(たかとう しょうぞう)…玄蔵の共同出資者、大弐殺しの罪を着せられ打ち首になる。

高頭俊作(たかとう しゅんさく)…高頭省三の曾孫

高頭五郎(たかとう ごろう)…高頭省三の曾孫で俊作の従兄弟

笠原薫(かさはら かおる)…彦太の曾孫、アクロバットダンサー、芸名はナンシー笠原

笠原操(かさはら みさお)…彦太の曾孫で薫の妹、アクロバットダンサー、芸名はカロリン笠原

島原明美(しまばら あけみ)…彦太の曾孫、バー「BON・BON」のマダム

古坂史郎(ふるさか しろう)…明美の愛人

佐竹由香利(さたけ ゆかり)…彦太の玄孫、オリオン座の芸者

鬼頭庄七(きとう しょうしち)…由香利の養父

根岸蝶子(ねぎし ちょうこ)…彦太の曾孫で花子の双子の姉、紅薔薇座の芸者、芸名はヘレン根岸

根岸花子(ねぎし はなこ)…彦太の曾孫で蝶子の双子の妹、紅薔薇座の芸者、芸名はメリー根岸

志賀雷蔵(しが らいぞう)…紅薔薇座支配人、蝶子と花子の愛人

黒川(くろかわ)…黒川法律事務所所長

法然(ほうねん)…蓮華供養塔(三つ首塔)の和尚、同性愛者

岩下三五郎(いわした さごろう)…私立探偵

映画
1956年版

『三つ首塔』は1956年4月25日に公開された。東映、監督は小林恒夫、小沢茂弘。主演は片岡千恵蔵。詳細は「三つ首塔 (映画)」を参照
テレビドラマ
1972年版

『いとこ同志』は、日本テレビ系列の「火曜日の女シリーズ」(毎週火曜日21時30分 - 22時26分)で1972年8月22日から9月26日まで放送された。全6回。

遺産相続資格者は一條玄蔵(原作の佐竹玄蔵)の孫娘たちで、一條百合(原作の宮本音禰)のみが男系で他は女系である。建彦は百合の亡父であり、百合の亡母やその姉・上野奈美子(原作の上杉和子)は一條家(原作の佐竹家)出身ではない。女系の孫娘たち(原作の佐竹彦太末裔)は3姉妹の娘5人(双生児設定は無し)に整理されていて(原作登場人物名の一部は玄蔵の娘たちの名に割り当てられ登場しない)、各々に男がついている。高杉卓也と次郎(原作の高頭俊作と五郎)は兄弟で、父親が冤罪で死刑となっていた。
キャスト


(金田一 - 登場せず)

一條百合(原作の宮本音禰) - 島田陽子、一條玄蔵の長男建彦の娘20歳

上野誠也 - 仲谷昇、国文学者、一條百合の伯母上野奈美子の夫43歳、金田一の謎解きの代わりに自らが罪を告白する。

高杉卓也 - 高田裕史、一條玄蔵の遺言状の中で、百合が全財産を相続する条件として、高杉卓也と結婚することとされていた。

高杉次郎 - 佐々木剛、卓也の弟

佐竹かほる[注 2] - 悠木千帆、百合の従姉(一條玄蔵の三女佐竹和子の娘)26歳

佐竹由香利 - 可愛和美、百合の従妹(一條玄蔵の三女佐竹和子の娘)18歳

志賀節子 - 原良子、百合の従姉(一條玄蔵の次女笠原蝶子の娘)32歳

志賀幸二 - 鶴賀二郎、志賀節子の夫35歳

古坂史郎 - 水谷豊、島原明美の情人19歳

鬼頭庄七 - 草野大悟、佐竹由香利のマネージャー32歳

辻森源三 - 穂積隆信、佐竹かほるの情人、不動産業者

島原明美 - 春川ますみ、百合の従姉(一條玄蔵の長女島原花子の娘)36歳

島原操 - 根岸明美、百合の従姉(一條玄蔵の長女島原花子の娘)33歳

神山光司 - 柳瀬志郎、島原操の情人36歳

黒川弁護士 - 森塚敏

雨宮刑事 - 近藤宏、捜査責任者

小倉刑事 - 北村総一郎、雨宮刑事の部下

小田刑事 - 中条静夫

ジュン - 宮野リエ、高杉次郎の仲間のフーテン娘

ナレーター - 矢島正明

スタッフ


企画 - 小坂敬

プロデューサー - 高橋靖二、中尾孝道

音楽 - 大野雄二

脚本 - 佐々木守

監督 - 松尾昭典

撮影 - 岩佐一泉

美術 - 松井敏行

録音 - 橋本文雄

照明 - 宮崎清

編集 - 井上治

製作担当 - 高木正幸(1回)、長尾茂久(2 - 6回)

助監督 - 岡本弘

記録 - 中尾寿美子

結髪 - 加藤つや子

衣裳 - 東京衣装

映広音響

高津映画装飾

東京テレビアート

東洋現像所

衣裳協力 - 三陽商会

製作 - ユニオン映画

1977年版

横溝正史シリーズI・三つ首塔』は、TBS系列1977年5月28日から6月18日まで毎週土曜日22時 - 22時55分に放送された。全4回。

基本的に原作通りにストーリーが進むが、細かい設定が多々省略されている。具体的には、堀井敬三の多様な変装、音禰が上杉家から出奔したときの詳細経緯、志賀雷蔵から逃げ出す際の鍵入手および古坂史郎との遭遇、ヤミ屋パーティでの堀井の負傷、古坂史郎から逃げ出すときの詳細経緯、三つ首塔発見後の近辺での情報収集、井戸に落ちた後の食糧事情などが省略されている。


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