フォワード(FORWARD)はいすゞ自動車が製造する中型トラックである。日本国外では主にいすゞ・Fシリーズとして展開されているが、南米ではシボレーブランドで販売される。なお、北米においてはフォワードのキャブと6Hディーゼルエンジンをゼネラルモーターズ(GM)製シャシに搭載した車両が、いすゞ・Fシリーズおよびシボレー/GMCのTシリーズとして展開されている。
TY (前史)
1966年(昭和41年)5月、いすゞは、日野自動車(1964年〈昭和39年〉に初代レンジャー発売)、三菱重工業(現三菱ふそうトラック・バス、1965年〈昭和40年〉にT620発売)に続いて初の中型トラック・TY型を発売した。セミキャブオーバー型で、全車4t積、平ボディのTY20とダンプのTY20-Dの2種類。エンジンは直列6気筒・3.644cc・100psのD370型を搭載。
1966年(昭和41年)9月、バンボディ車を追加。
1967年(昭和42年)8月、3.5 t積み追加。
1968年(昭和43年)3月、マイナーチェンジ。フロントグリルを変更。
初代(1970年-1975年〔Sキャブは1970年-1986年〕)
1970年(昭和45年)4月、TR型登場。直6・125 psのD500型エンジン搭載。先代のTY型に引き続き、セミキャブオーバー型を採用。フルキャブとSキャブ(ショートキャブ)の2種類があった。キャブの形状から「ムーミン」の愛称で親しまれている。
1971年(昭和46年)7月、D500型エンジンを125psから130psにパワーアップ。
1972年(昭和47年)9月、マイナーチェンジ。SBR型が登場し、外装デザインが変更される。
1974年(昭和49年)5月、中型車初のAT車を追加。
1975年(昭和50年)8月、フルキャブはフルキャブオーバー型としてフルモデルチェンジされるが、Sキャブは「フォワードS」として、フォワードジャストンが登場する1986年(昭和61年)まで生産された。
2代目(1975年-1985年)2代目フォワード最終型
1975年(昭和50年)8月、ベッド付き車のみフルモデルチェンジ。フルキャブオーバー型となる(SBR/FBR/JBR系)。中型直噴ディーゼルの嚆矢となる145 psの6BB1型エンジン[1] を搭載。
キャッチコピーは「フォワード・ザ・ビッグ」。
1976年(昭和51年)7月、160 psの6BD1型エンジンを搭載したフォワードFX-IIを発売。従来の6BB1型搭載車はフォワードFX-Tに改名され、車両型式も*CR系となる。
キャッチコピーは「隣りもフォワード」。
1978年(昭和53年)8月、全輪駆動のSCS330型とSCS370型を追加。エンジンは6BD1型・160 ps。
1979年(昭和54年)10月、マイナーチェンジ。内外装を大幅に変更。6BF1型170 psを搭載したフォワードFX-Vを追加し、車両型式も*D*系となり昭和54年排出ガス規制に適合。バイレベル機構付き強制ベンチレーター、ビニールニットシート、ディスクブレーキ、エアサスペンション、速度感応型パワーステアリング、チルトステアリングなど、装備が充実し始める。後にターボエンジン搭載車も登場。
キャッチコピーは「オーライ!フォワード」。
1980年(昭和55年)12月、6BD1型・180 psターボエンジン搭載車とワイドキャブ車を追加。全車に助手席セーフティーウィンドウを標準装備。
1981年(昭和56年)3月、4.5 t、5.5 tセミトラクタを追加。
1982年(昭和57年)5月、超ロングボディ架装のワイドキャブ車や、5 tコンテナ専用車など32車型を追加発売。
1984年(昭和59年)2月、マイナーチェンジ。グリルガーニッシュがシルバーからブラックになるなど内外装デザインが変更され、車両型式もF**系となる。昭和58年排出ガス規制適合の新開発エンジンを搭載。810同様、予熱や停止がイグニッションキーのみで行えるエンジンワンキーシステムが装備され、バッテリーリレースイッチが廃止される。
キャッチコピーは「機能で先進 稼ぎで前進」。また、CMキャラクターに古舘伊知郎を起用。
1984年(昭和59年)8月、エアサスペンション装備車を発売。
日本テレビ系で1982年(昭和57年)4月28日から9月22日まで2クール放映されたテレビドラマ『女かじき特急便』で、劇用車の鮮魚輸送トラックにこの2代目モデルが充てられたが、これは放映当時60秒×6社で構成されていたスポンサーにいすゞ自動車が入っていたためである。
3代目(1985年-1994年)クレーン付き平ボディ(中期型)アルミバン(後期型)