エルガ(ERGA)は、ジェイ・バスが製造し、いすゞ自動車が2000年から販売している路線・自家用大型バス。
なお、エルガシリーズの9 m大型路線バスはいすゞ・エルガLTを、9 m中型路線バスはいすゞ・エルガミオを、10.5 m中型路線バスはいすゞ・エルガJを参照のこと。
概要
登場時中型路線バス・エルガミオ
エルガと部品が共通化されている。
写真は関東自動車 (栃木県) 所属の車両
日本の長期規制(平成11年排出ガス規制)に合わせ、キュービックをフルモデルチェンジし2000年6月20日に登場した。車名はラテン語で「?に向かって」と言う意味を持ち、新たな時代に向かって走り始めた路線バスをイメージしたことに由来する[1]。外観は前年にフルモデルチェンジされた中型路線バス・エルガミオと同様に、全体的に四角く、コーナーに丸みを帯びたラウンディッシュキューブフォルムのボディーとなっている。また、ヘッドランプも視認性向上のために同じく横置きから縦置き4灯式に変更になった。これらは、エルガミオとの部品共通化によるコスト削減を念頭においている。
床形状としては、キュービックに引き続き、フルノンステップバス・ワンステップバス・ツーステップバス(路線仕様・高速仕様)が設定されたが、新たに前中ノンステップ(部分超低床車)のtype-Aが新たに追加された[2]。type-Aは、後半パワートレーン部分をワンステップバスと構造共通化することによってコスト削減を図っており、以後のノンステップバスの主流となるものである(UDトラックス(旧:日産ディーゼル)・UA(当時)のGタイプと同一構造)。一方、キュービックの時代に設定されたトルコンAT搭載、横置きエンジンの床面フルフラットノンステップバスはtype-Bとなった[2]。ホイールベースは4.8 m(L尺)・5.3 m(N尺)・5.8 m(Q尺)の3種類が設定されているが、Q尺のノンステップバスは構造上の関係などからtype-Aもtype-Bも製造されていない。
サスペンションはエアサスペンションを標準仕様とし、リーフサスペンションはオプション設定とされた。
2002年1月にはCNGノンステップバスが販売開始され、こちらはtype-A・type-B双方に設定された。また、自動車教習所向けの教習車も製造されており、多くがツーステップバスとなっている。 2002年にコスト削減を目的として、メーカー標準仕様である「ERGA-VP」が設定された。「ERGA VALUABLE PACKAGE」の略で、どの運行事業者でも使いやすいように仕様を統一し、部品の共通化を図ることでコスト削減を行い、排出ガス規制強化に伴うコスト増大の影響を最小限にとどめることを目的としている。 これに伴い、リーフサスペンション車の製造が中止となったほか、ツーステップ路線バスは標準ラインアップからは除外されオプション扱いとなったため、カタログ上にも記載されなくなった。ツーステップ路線バスに関しては、後に交通バリアフリー法の制定に伴い、高速路線用や山岳路線用などを除き、原則として低床バスの購入を事業者側に対し義務付けることを見越してのものとされる。
メーカー標準仕様「ERGA-VP」の設定
いすゞバス製造からジェイ・バスへ