いかした彼
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「いかした彼」
シフォンズシングル
初出アルバム『The Chiffons』
B面Oh My Lover
リリース1963年1月[1]
規格7インチ・シングル
ジャンルポップ
時間1分53秒
レーベルローリー・レコード
作詞・作曲ロニー・マック
プロデュースフィリップ・マーゴ、ミッチ・マーゴ、ジェイ・シーゲル、ハンク・メドレス
チャート最高順位


1位(Billboard Hot 100

1位(Billboard Hot R&B Singles)

16位(全英シングルチャート

シフォンズ シングル 年表

いかした彼
(1963年1月)Lucky Me
(1963年4月)

ミュージックビデオ
「He's So Fine」 - YouTube


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「いかした彼」(原題: He's So Fine)は、4人組のガール・グループシフォンズ1963年に発表した楽曲。デビュー・シングルながら、ビルボードのHot 100およびR&Bチャートで1位を獲得した。
概要

ソングライターやマネージャー業などを生業としていたロニー・マック(Ronnie Mack)は、ブロンクスのジェームズ・モンロー高校の食堂で3人組の女性グループ(ジュディ・クレイグ、パトリシア・ベネット、バーバラ・リー)のハーモニーを聴いた。彼は、Little Jimmy Rivers and the Topsというグループにいたシルヴィア・ピーターソンをメンバーに入れてもらえないかと3人に頼み、4人組となった彼女らはマックによって「シフォンズ」と名付けられた[2]

マックはLittle Jimmy Rivers and the Topsのために書いた「She's So Fine」を女性用に「He's So Fine」と書き直す。1962年8月、シフォンズは本作品を含む数曲のデモを男性ボーカルグループのトーケンズとともに録音。レコーディングはトーケンズが専属プロデューサーとして関わっていたキャピトル・レコードのスタジオで行われた。「いかした彼」がヒットの可能性を秘めていたことは誰にとっても明らかだったが、レコード会社はなかなか決まらなかった。グループのジェイ・シーゲルは、キャピタルのヴォイル・ギルモア社長自身が「陳腐で単純すぎる」と言ってはねのけたことを記憶している。同じくトーケンズのフィリップ・マーゴもこう述べている。「キャピトルは我々に『お粗末きわまりない曲だ』という手紙を書いてよこしたよ。それからビクターに断わられた。コロムビアABCパラマウントも断ってきた。独立系の小さな会社であるローリーが引き受けてくれるまで、マスター・テープは6か月も眠ったままだった」[3]

トーケンズは10にのぼる会社を回ったあとでニューヨークのローリー・レコードにたどりついた。オフィスでレコードをかけると、ローリーの人間はドアを閉め「君らはここから出るんじゃないぞ。我々はそのレコードがほしい」と言ったという[4]

シフォンズはトーケンズのメンバー4人のプロデュースの下、再レコーディングした。ドラムズはゲイリー・チェスター(Gary Chester)[5]。ピアノでキャロル・キングが参加したと言われている[3]

1963年1月、グループのデビュー・シングルとして発売された。同年3月30日から4月20日にかけて4週連続でビルボード・Hot 100の1位を記録[6]。Hot R&B Singlesチャートでも1位を記録し、ビルボードの1963年年間チャートの5位(4位とする資料もあり)を記録するなど大ヒットとなった。イギリスでは16位を記録した。同年のアルバム『The Chiffons』にも収録された[7]

「いかした彼」がチャートをのぼりつめる頃、ロニー・マックはホジキンリンパ腫に冒されていた。彼は同じ年、23歳の若さで亡くなった。マーサ&ザ・ヴァンデラスのヒット曲「ジミー・マック」は彼の死にインスパイアされて書かれた[8][9][10]

プロデューサーの一人、ジェイ・シーゲルは言う。「何しろ歌詞が途方もなくすばらしいんだ。確かに知的な歌詞とは言い難いけれど、人々が日常で交わしている言葉がそのまま使われている。日常の言葉を音楽に乗せるのは実は難しいことで、ほとんどの人間はそれができない。でもロニーはやってのけた。もし彼が生きていたら・・・60年代のもっとも成功したソングライターの一人になっていただろうね」[11]
カバー・バージョン

ディー・ディー・シャープ - 1963年のアルバム『Do the Bird』に収録。

ダナ・ヴァレリー - 1963年のシングル。

デュアン・エディ - 1963年のアルバム『"Twangin'" Up a Storm!』に収録。

エンジェルス - 1963年のアルバム『My Boyfriend's Back』に収録。

ジョディ・ミラー - 1971年のシングル。ビルボードのカントリー・チャートで5位、イージーリスニング・チャートで2位を記録した。

ジョナサン・キング - 1976年のシングル[12]。パロディ・ソングの一種。ジョージ・ハリスンの曲のタイトルがコーラスで織り込まれている。

クリスティ・マクニコル&ジミー・マクニコル - 1978年のシングル。

ジェーン・オリヴァー - 1978年のアルバム『Stay the Night』に収録。

脚注[脚注の使い方]^45cat - The Chiffons - He's So Fine / Oh My Lover - Laurie - USA - 3152
^ John Clemente, Girl Groups: Fabulous Females Who Rocked The World, Author House, 2013, p.102
^ a b He's So Fine by The Chiffons - Songfacts
^ Artie Wayne. ⇒"Hangin' in: Spectropop presents Hank Medress," Spectropop.com, 2006. Retrieved 2012-01-20.
^ “ ⇒The Official Gary Chester Website ? Discography”. Angelfire.com. 2016年9月27日閲覧。
^The Hot 100 - 1963 Archive 。Billboard Charts Archive
^ The Chiffons - The Chiffons (1963, Vinyl) 。Discogs
^Charlie Horner, "Little Jimmy & the Tops", ClassicUrbanHarmony.net, 2016. Retrieved August 8, 2016
^ Robert Webb, "Story of the song - Jimmy Mack, Martha & the Vandellas (1967)", The Independent, 27 August 2009. Retrieved 8 August 2016
^ Bob Stanley, Yeah Yeah Yeah: The Story of Modern Pop, Faber & Faber, 2013
^Dotty Mack Sanders and others, "He's So Fine: The Ronnie Mack Story", Songfacts.com. Retrieved August 8, 2016
^45cat - Jonathan King - He's So Fine / The King Of The Hooks - UK - UK - UK 132

関連項目

1963年のビルボード・ホット100による1位のシングル一覧

先代
ルビー&ザ・ロマンティックス
燃ゆる初恋Billboard Hot 100 ナンバーワンシングル
1963年3月30日 - 4月20日(4週)次代
リトル・ペギー・マーチ
アイ・ウィル・フォロー・ヒム
先代
ルビー&ザ・ロマンティックス
「燃ゆる初恋」Hot R&B Singles ナンバーワンシングル
1963年4月6日 - 4月27日(4週)次代
ジャッキー・ウィルソン


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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