いかさま師_(ラ・トゥールの絵画)
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ジョン・フィリップ・スーザ作詞・作曲の歌劇については「いかさま師 (オペレッタ)」をご覧ください。

『ダイヤのエースを持ついかさま師』フランス語: Le Tricheur a l'as de carreau
英語: The Card Sharp with the Ace of Diamonds

作者ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
製作年1636-1638年
寸法106 cm × 146 cm (42 in × 57 in)
所蔵ルーヴル美術館パリ

『クラブのエースを持ついかさま師』フランス語: Le Tricheur a l'as de trefle
英語: The Card Sharp with the Ace of Clubs

作者ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
製作年1630-1634年
寸法97.8 cm × 156.2 cm (38.5 in × 61.5 in)
所蔵キンベル美術館テキサス州フォートワース
カラヴァッジョトランプ詐欺師』、1594年頃、キンベル美術館テキサス州フォートワース

『いかさま師』(いかさまし)は、フランス17世紀の画家ジョルジュ・ド・ラ・トゥールによるキャンバス上の油彩画であり、2点のヴァージョンがある。1636-1638年に制作された『ダイヤのエースを持ついかさま師』(ダイヤのエースをもついかさまし、: Le Tricheur a l'as de carreau, : The Card Sharp with the Ace of Diamonds)は、パリルーヴル美術館に所蔵されている[1]。一方、1630-1634年に制作された『クラブのエースを持ついかさま師』(クラブのエースをもついかさまし、: Le Tricheur a l'as de trefle, : The Card Sharp with the Ace of Clubs)は、テキサス州フォートワースにあるキンベル美術館に所蔵されている[2]
歴史

ルーヴル美術館にある『いかさま師』は元来、フランスの世界的なテニス選手であったピエール・ランドリー(フランス語版)が1926年に古美術商から購入したものである。彼は早くも1923年にフランスのナント美術館にあった『ヴィエル弾き』(英語版)をラ・トゥールの作品だと見なした初期の目利きであった[3]。ピエール・ランドリー所有の『いかさま師』は、1931年にラ・トゥールの研究者であったヘルマン・フォス(英語版)がラ・トゥールの作品であると認定した。当時、ラ・トゥールの作品リストに入っていた作品はすべて夜の情景を描いたものであり、昼の情景を描いたこの作品はそれらとは作風が非常に異なっていたが、いかさま師たちが策を弄しているテーブルの下に「ゲオルギウス・ド・ラ・トゥール」という署名がはっきりと入っていたのである[4]

一方、1934年に美術史家シャルル・ステルラン(英語版)は、当時スイスジュネーヴにもう1点の『いかさま師』があると指摘した。これを機に、両作品は並べて展示され、画中の左端にいる男性が持つトランプのカードの違いによって、ピエール・ランドリーのヴァージョンは『ダイヤのエースを持ついかさま師』、スイスのヴァージョンは『クラブのエースを持ついかさま師』と呼ばれて区別されるようになった[5]。前者は1972年にピエール・ランドリーからルーヴル美術館に譲渡され[1]、後者は1981年に米国テキサス州フォートワースにあるキンベル美術館に購入された[2]
解説

『いかさま師』の主題は、イタリアバロック期の巨匠カラヴァッジョの『トランプ詐欺師』(キンベル美術館) に先例を見出すことができ[2]、「世間知らずで欲深な若者に、世間ずれした悪賢い人々が勝つという物悲しい教訓」が示されている[3]。遊女たちのもとで金を浪費した、旧約聖書にある放蕩息子寓話を示唆しているのかもしれない[2][4]

画面に描かれているのは、17世紀のヨーロッパにおいて3つの最大の悪徳とされた「賭博」、「飲酒」、「淫蕩」である[6][7]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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