世界名作劇場
通番題名放映期間
第2作母をたずねて三千里1976年1月
-1976年12月
第3作あらいぐまラスカル1977年1月
-1977年12月
第4作ペリーヌ物語1978年1月
-1978年12月
あらいぐまラスカル
ジャンル児童文学
アニメ
原作スターリング・ノース
『はるかなるわがラスカル』
監督遠藤政治/斎藤博(第1話 - 第33話)
腰繁男(第34話 - 第52話)
シリーズ構成宮崎晃、太田省吾、佐藤嘉助
『あらいぐまラスカル』は、1977年1月2日から12月25日まで、フジテレビ系列で毎週日曜19:30 - 20:00(JST)に全52話が放送された、日本アニメーション制作のテレビアニメ。「世界名作劇場」の第3作目に当たる。 原作はアメリカ合衆国の作家スターリング・ノース(Sterling North
概要
本作品では主人公である11歳の少年スターリング・ノースと、アライグマ「ラスカル」の友情を主軸に据えつつ、そのラスカルとの出会いから別れまでの1年間にわたって、20世紀前半(原作では1918年 - 1919年)のウィスコンシン州農村地域を背景に、同時代の少年の日常を牧歌的に・または淡々と描写している。また同時に動物と人間との共存の難しさを、成長したラスカルを通して描いている。
アニメオリジナルのキャラクターであるアリスや、アニメオリジナルのエピソードが追加されるなど、前二作と同様に原作とは細かな物語の展開に相違点も見られる。例えば冒頭では猟師は登場せず、スターリングとオスカーは母親アライグマとラスカルの「兄弟」たちの捕獲に失敗し、彼らは逃走している。またスターリングのボクシングや、父親の事業の失敗と引越しなどもアニメオリジナルの要素である。この他、原作では時代背景が第一次世界大戦中に設定されていたことから、スターリングの兄ハーシェルがヨーロッパ戦線に従軍していた他、食糧配給や金属供与などアメリカの戦時下の生活が垣間見える描写があるが、本作品ではいずれもカットされており、兄ハーシェルも本作品には一切登場しない。
本作品が人気を博した影響で、本来日本に生息していないはずの、北アメリカ大陸(北米)原産のアライグマがペットとして大量に持ち込まれた。その後、飼えなくなったアライグマが山などに捨てられて野生化し、農作物への被害やタヌキなど既存の野生動物の生息を脅かすなど害獣化して問題となった。2005年に特定外来生物の指定を受けたため、現在ではアライグマを輸入することも、ペットとして飼うこともできなくなっている。 北米の山林地域を原産とするアライグマという動物は、その丸々としてユーモラスな容姿や餌を洗うという興味深い習性からは、想像もつかないほどに気性の荒い動物だとされている。原作においても、主人公の友人がアライグマを捕獲・飼育することは困難で苦労が多いことを指摘している。特に成獣となる頃には、本作品中でも触れられている通り、人間との共存は極めて困難である[注 1]。本作品に影響され実際に飼育し、その経験を『ぜったいに飼ってはいけないアライグマ』(ISBN 978-4652071816)として出版したさとうまきこによれば、噛まれたり引っ掻かれたりといったケガは日常茶飯事だったという[1]。ただし、出産・育児の時期に安全な住処を得る目的でメスのアライグマが人間社会に接近することはある(物語に出てくる、ホテルに住み着いたクレオパトラ親子はこれに該当する)。しかし、アメリカにおいても、アライグマは(日本におけるタヌキ、イタチなど里山の動物に相当する)身近な動物ではあっても、ペットとして飼育する動物ではなく、農業関係者からは害獣とされることが多い。また、原作の舞台となった時代には、既にアライグマが狂犬病を媒介する恐れがあることは知れ渡っており、ラスカルが狂犬病媒介の恐れが無いか確認をするべきだと、ラスカルを学校に連れてきたスターリングにホエーレンが注意するシーンもある。 また頭がよく、閂(かんぬき)程度なら前足を使って器用に開けることも出来てしまうため、前出の野生化問題では様々な被害防止用の仕掛けも徒労に終わるとする報告も出ており、結果的に駆除(捕獲後に誰かに飼われるケースは稀である)する以外では被害を予防する方法は無いとされている。作中でも、周囲の畑にある作物を荒らす被害が出た。 後述のように、本放送から四半世紀以上過ぎた今なお再放送が度々行われていることから、日本国内で販売されている関連製品(キャラクターグッズ)も数多い(関連項目の節なども参照)。こうした関連商品の好調は商品化する各社を結束した「ラスカル会」の設立につながった。同会は1998年に設立。会員となった各社共同で商品開発やプロモーションが行われるようになった[2]。
アライグマに関して
本放送後の展開