あやかしトライアングル
ジャンル少年漫画
TSF
ファンタジー
ラブコメディ
お色気漫画
ハーレムもの
バトル漫画
漫画
作者矢吹健太朗
出版社集英社
掲載誌週刊少年ジャンプ→少年ジャンプ+
レーベルジャンプ・コミックス
発表号週刊少年ジャンプ:
2020年28号 - 2022年20号
少年ジャンプ+:
2022年4月25日[1] - 2023年9月25日
巻数全16巻
話数全144話
アニメ
原作矢吹健太朗
監督秋田谷典昭
シリーズ構成ヤスカワショウゴ
キャラクターデザイン古川英樹
音楽石塚玲依
アニメーション制作CONNECT
製作あやかしトライアングル製作委員会
放送局BS11ほか
放送期間2023年1月10日 - 9月26日
話数全12話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画・アニメ
ポータル漫画・アニメ
『あやかしトライアングル』 (AYAKASHI TRIANGLE) は、矢吹健太朗による漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて、2020年28号より2022年20号まで連載後[2]、『少年ジャンプ+』(同)に移籍して2022年4月25日から2023年9月25日まで連載された[1][3]。2022年1月時点で累計発行部数は100万部を突破している[4]。 不思議な妖怪「妖(あやかし)」がいる現代の日本。妖と戦う忍者「祓忍」の少年・風巻祭里は、妖が好きな幼なじみの少女・花奏すずを守るべく日々妖と戦っていた。 ある日、強大な猫の妖シロガネがすずを食らおうと襲いかかり、祭里は祖父から受け継いだ封印術を使って辛くもシロガネを撃退するが、往生際の悪いシロガネは、自身の術で祭里を女性の肉体に変えてしまう。祭里は、力を封印され弱体化したシロガネを今度こそ退治しようとするが、それは自身が二度と男に戻れなくなることを意味する。それでも、すずを守るためならばと受け入れる祭里であったが、すずは祭里への恋心と罪悪感から強く反対し、シロガネと和解するよう主張する。やむをえず、祭里はシロガネを飼い猫という名目で自分の監視下に置くと宣言し、当面の問題は先送りにされる。ここに祭里・すず・シロガネの三者による恋し恋され、食い食われの奇妙な三角(トライアングル)関係が形成される。 担当声優はテレビアニメ版 / ボイスコミック版の順に表記。ひとりのみの記載の場合は特記がない限りテレビアニメ版での配役。
ストーリー
作中設定・用語
妖(あやかし)
一般的に語られる妖怪とほぼ同義の存在で、本作では人や動物などのさまざまな思念(おもに魄)が集まり意思を得た存在とされる。その姿はある程度の魂力ないし魄力の持ち主、最低でも妖という存在を「事実として認識していなければ」視認することができず、一般人が妖を視認するには妖側が視認できる姿に「変化」する必要がある。小さく愛嬌のある姿をした無害な妖が大半であるが、邪悪な思念から生まれた妖はほかの妖を食べることで大型化・狂暴化し、やがて人間そのものを食らう脅威となる。危害を加える者は全て討滅する、という訳ではなく、悪意は無いが性質上人間に危害を加えてしまう妖の場合は捕獲後に人間の生活圏へ来ないように人間への恐怖心を植え付ける「おそろしの儀」を掛けたうえで山へと帰す。ただしシロガネは「あくまでも人間側の定めた基準だろう」と指摘しており、効果があるかどうかは不明。
異魂(イコン)
人間の負の残留思念の集合体で、いくつもの人間の叫ぶ顔を模した黒煙のようなまがまがしい姿をした妖。人間の集まる都市圏に現れる。出現直後は直接危害を加える力は無いが、自身を認識した人間や動物に憑依し、生命力を奪って成長していき、次第に人に害する存在となるため、近年祓忍のあいだでは自然発生した妖よりも優先される討滅対象となっている。討滅する場合は憑依した対象が意識の無い状態であるほうが都合が良く、基本的に寝ている間に祓うこととなる。初登場時はルーシーの写真撮影に写りこんだことでルーシーに取り憑く。そして彼女の生命力を奪い気絶させた後、精神世界で異形の姿に変貌してルーシーに襲いかかるが、祭里の不浄吸扇で浄化される。妖側からも不快な存在とされており、シロガネが辛辣な評価を口にしている。
人妖(ジンヨウ)、異妖(イヨウ)
異魂から強大な進化を遂げた妖の最上位種。人型の人妖と異形をもつ異妖に大別されるが、データが少なく祓忍の間でも詳しいことは分からないことが多い。性格や凶暴性も千差万別で、人に危害をおよぼすもの、逆に人間社会に適応して暮らしているものなどがいる。
祓忍(はらいにん)
古来より妖退治に従事してきた「妖祓い」の一種。退魔師としての霊力と技能をもった忍者で、封印や自然現象を操るさまざまな術を駆使する。主人公の出身である「風巻家」をはじめとする複数の流派が存在し、それぞれが得意とする術や技能をもつ。各流派は江戸時代に徳川幕府が秘密裏に設立した「祓忍組合」というネットワークに属しており、各地にある支部を介して怪異の情報収集や治安維持を行っている。現在では祓忍組合専用のサイトを開設するなど、電子機器も活用している。
祓忍具(はらいにんぐ)
祓忍が使用する霊力や術が施された武具。
風車(かざぐるま)
祭里が愛用する祓忍具。外見は、芯が鉄製という以外は折り紙製の風車と変わらないが、口に咥えることで術を発動するための集中力を高めたり、一定以上の力を持つ妖の存在を探知するアンテナのような役割を果たす。女性化後の祭里は髪飾り代わりに頭に差すようになる。
祓忍装束(はらいにんしょうぞく)
祓忍の仕事着。おおむね普通の忍装束のデザインをしている。平時はチョーカーやバッジなどの携帯に適した形状となっており、「着装」の掛け声で特撮ヒーローのように瞬時に纏うことが可能。着用中は霊力のない一般人に認識されなくなる術式も込められている。
風魔手裏剣(ふうましゅりけん)
祭里が愛用する恋緒特製の手裏剣。風の術を込めることで切断力をより増幅させる。
魂(コン)、魄(ハク)
本作における生物のエネルギーの概念で、「魂」は精神力、「魄」は肉体に内包される生命力を指す。祓忍はこの魂の力を高めることで、身体能力の強化やさまざまな術の行使を可能としている。
妖巫女(あやかしみこ)
生まれながら桁外れに強い魄をもつ希少な人間。作中では「生命(いのち)の過剰分泌(シロガネ談)」「濃厚な蜂蜜のごとき甘さ(シロガネ談)」「超ハイカロリーの悪魔的限定スイーツ(すず談)」「人にして妖(宗牙談)」などと称され、その力を食らおうと狙う強力な妖を引き寄せる性質から、古来の人間社会では迫害対象とされ、妖への供物として犠牲になった者もいる。
命光輪(めいこうりん)
妖巫女の真骨頂とも言える戦闘形態で背後に魄力の光輪を背負う。現在のすずは自身の力だけでは発動できない。
命玉(めいぎょく)
魄力を凝縮した玉で、適量であれば他者を癒やす力となるが、過剰なまでに魄力を込めたそれは生命活動を暴走させて枯らしてしまう。
小美呼市(おみこし)
本作の舞台となる架空の町。祭里たち主要人物が通う北彩高校(ほくさいこうこう)や、すずの両親が営む喫茶店「Melody Bell」がある商店街「わっしょいロード」などが存在する。
花鳥風月(かちょうふうげつ)
祭里・すず・弥生・ルーシーの4人組の通称。祭里と親交を深めた弥生からの提案により、SNSのグループ名として4人の名字から取って名付けられる。
登場人物
主要人物
風巻 祭里(かざまき まつり)
声 - 千葉翔也(男)[5]、富田美憂(女)[5] / 峯田大夢(男)[6]、京花優希(女)[6]、樺澤綾
風苦無(かぜくない)
風をまとった刀から無数もの真空の刃を放ち、敵を滅多刺しにする。
旋散華(せんざんか)
突風で敵を切り刻む。
豪風陣(ごうふうじん)
暴風で敵を吹き飛ばす。風による攻撃だけでなく、風で物体を射出する、という使い方も可能。作中ではシロガネを風で発射する、という使用法を見せた。
鎌威太刀(かまいたち)
風の力を込めた手刀で瞬時に敵を斬り裂く。
封神結界(ほうしんけっかい)
先代当主である祖父の清弦が妖の王のシロガネを封印するべく30年かけて生み出した秘術。清弦の力が込められた巻物「封神の巻」に対象を囲み、その広げた巻物で対象の身体と力を閉じ込め、封印する。
不浄吸扇(ふじょうきゅうせん)
妖に憑依され、眠りについた相手の口に風車を咥えさせて使用することで、憑依された妖を吸い出す。
嵐身の術(らんしんのじゅつ)
練り上げた風を体内に留めることで身体能力を底上げする。画楽によって風を封じられたことで会得する。
花奏 すず(かなで すず)
声 - 市ノ瀬加那[5] / 会沢紗弥[6]本作のヒロイン[7]。祭里の幼なじみで高校のクラスメイト。強い生命力をもつ妖巫女の少女で、幼少期から妖を友として育ってきた。「凄い」「絶対」という意味で「もーれつ」と評する口癖がある。黒髪のボブカット[注 1]が特徴の美少女であるが、脚がやや太いことを気にしており、悪意なくこれを指摘した祭里を制裁することもある。甘い食べ物全般が大好きで、実家の喫茶店「Melody Bell」ではスイーツメニューの監修も行っている。幼少期は家族を含め妖が見えない一般人から、妖と触れ合っている場面が独り言を言っているようにしか見えないとして変人とさげすまれ孤立していた[8]。しかし、同じく妖が見える祭里に出会い友人となってからは次第に本来の明るさを取り戻し、同時に祭里に恋心を抱くようになる。祭里が祓忍となってからは、自分を妖から遠ざけようとする姿勢に反発し対立していたが、自分が原因でシロガネの呪いを受けた祭里をサポートするうちに関係も改善していく。祭里が男に戻れなければ異性として祭里と交際できなくなるという危機感から、唯一呪いを解除できるシロガネの退治には反対し、二人の仲を取り持とうと奔走する。「シロガネが自分を捕食対象として見なくなれば、祭里とシロガネが争う理由がなくなる」という考えから、「自分の手製のスイーツでシロガネの興味を引く」という作戦に行きつき、インターネットで製法を学んだ特製きびだんご「すずだんご」を完成させる。このすずだんごにはすずの無意識の魄力が込められており、本来肉食の猫であるシロガネも絶賛するほどの美味である。女体化しても凛々しい姿を見せる祭里に惹かれたり、もしも祭里が男の姿に戻れなくなった場合に備え、女の子同士の恋愛を妄想するなど満更でもない様子も見せるようになる。三大欲求が全般的に旺盛であり、食事・睡眠は言わずもがな、祭里への恋心をあらわにしてからは性的にも積極的になり、シロガネからは「ハレンチ巫女」、かなでからも「色欲オバケ」と呼ばれる。シロガネからは「過剰生命力ゆえか、ああいう奴だからこそ妖巫女なのか」と疑問を持たれているが、実際に妖巫女の性質である桁外れに強い魄と関係があるかは不明。幾多の妖との戦いや騒動を乗り越えていくうちに妖巫女としての能力を使いこなせるようになり、やがてシロガネに代わる「妖の王」として近隣の妖たちから崇拝される存在となる。
かなで / 幼心の君(おさなごころのきみ)
すずの精神世界に存在する別人格。幼少時のすずの姿をしている。妖巫女は転生して成長する過程で前世の記憶や知識も一部が思い出される程度だったが、すずの場合は過去12代の妖巫女の記憶すべてを引き継いでいた。そのため過去の記憶から笑うこともなく暮らしていたが、祭里との出会いをきっかけに主人格であるすずから過去の記憶を分離したことで誕生する。主人格であるすずからは「幼心ちゃん」と呼ばれていたが、幼少時の祭里が使っていた呼び名である「かなで」を名乗るようになる。
シロガネ
声 - 玄田哲章[5][注 2] / 長門三照(変化時)[6]、 藤倉光
性醒流転(せいせいるてん)
対象の性別を反転させる秘術。被術者の腹部には霊力・妖力をもつ者にしか見えない「性転紋(せいてんもん)」が印される。解術ができるのは術者であるシロガネのみであり、解術前にシロガネが死亡すると術は呪いに変化し、二度と本来の性別に戻れなくなる。
北彩高校
ヤヨルーすずの中学生時代からの友人で、クラスメイトの二人組。「ヤヨルー」とは、二人の愛称を合わせたコンビ名で、初対面の際に祭里によって命名される。
鳥羽 弥生(とば やよい)
声 - 戸松遥[9] / 遠藤香音