あまいぞ!男吾
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あまいぞ!男吾
ジャンル
児童漫画
漫画
作者Moo.念平
出版社小学館
掲載誌月刊コロコロコミック
レーベルてんとう虫コミックス
発表号1986年3月号 - 1988年3月号
1988年6月号 - 1992年9月号
発表期間1986年2月 - 1992年8月
巻数全16巻(単行本)
全3巻(復刻本)
2巻(傑作選)
話数全81話
テンプレート - ノート
プロジェクト漫画
ポータル漫画

『あまいぞ!男吾』(あまいぞだんご)は、Moo.念平による日本漫画作品。平成2年度(第36回)小学館漫画賞(児童部門)受賞。
概要

月刊コロコロコミック』(小学館)にて1986年3月号から1988年3月号、1988年6月号から1992年9月号までの約6年半に亘り連載されていた。単行本は全16巻で、復刊希望を受けて2001年、2002年に英知出版が全3巻の復刻本を刊行した。完結編などを含め、全81話。

男気溢れる主人公の巴男吾(ともえだんご)が家族や友人らを巻き込んで日常生活のドタバタ活劇を繰り広げる作品で、男吾は豪快・粗放であると同時に非常に義理人情に厚い性格で、ストーリーは男吾の人情味や義理堅さによって展開していくことが多く、作者は人と人との心と体のぶつかり合いを中心にして作品を描いたとコメントしている[1]

この手のストーリー漫画としては珍しく、現実の時間と作中の時間とがほとんど同時リンクしており、連載が1年経過していくのに合わせて作中人物たちも1年進級していき、連載年数と同様、作中でも最終回までに6年近い時間が流れている。

小学校・中学校・高校と主に3つの展開に分かれており、作品のスタイルも異なっている。

単行本化の際には細かい修正やコマの並び方の変更、書き下ろしページが追加されたり、その逆に連載時のページが省略されることもあった。

中学生編からは『コロコロ』連載時にミニコーナー『それゆけ!男吾塾』がスタート。毎月のお題に合わせた読者からの投稿ハガキなどが紹介されていた。

2015年、小学館発行の『コロコロアニキ』3号に小学生編を舞台にした描き下ろしの新作が発表された。第5号から同誌にて中学生編と小学生編を行き来する形式で連載開始したが[2]、8号以降は休載が続きそのまま休刊まで休載が続いた。
あらすじ

各章のタイトルは英知版/小学館版
大あばれ小学生編/副題なし

男吾とお姫と呼ばれる転校生のお嬢様、奥田姫子を中心に、クラスメイトや町内を取り巻く人々が繰り広げる学園コメディ。コミカルなドタバタ活劇のほかに、二人の色恋沙汰が絡む展開も多く、男吾の男らしい優しさに姫子が惚れ直すというパターンが主となっている。他に、男吾の友情や純粋さが大人たちを説得していく展開、逆に子供らが親の愛を知るといった深いテーマの作品が多い。ホビー漫画が人気の中心だった当時の『コロコロ』では評判は今ひとつだったため[注釈 1]、男吾の卒業を以て連載終了が決定されたが、これを受けた作者はそれまで禁じ手としてきたバトル要素を含んだ前後編を執筆。これが大きな人気を得たため連載続行が決定。1988年3月号での一端の連載終了の後、同年6月号から中学生編がスタートする[3]
ぶっとび中学生編/おおあばれ!中学生編

大文字学園に入学した男吾が繰り広げるシリーズ。人情味溢れた小学生編とは一線を画し、男吾が社会の悪や暴君に挑んでいく展開が多く男吾の正義漢ぶりが垣間見られる。ボクシングや剣道、柔道、フェンシングなど様々な格闘技が登場するが、肝心のスポーツはルールを度外視した荒唐無稽とも呼べるレベルであり、作者もスポーツはあくまでプロットを引き出すための材料として使ったとコメントしている[1]。男吾が闘った相手として、風紀委員及び柔道部員、ボクシング部鶴田、剣道部、紅静波、白鳥竜子先生、不破源治郎などがおり、交換生徒として十文字中学へ招かれたこともある。『コロコロ』連載時では最も人気が高く、この時期に小学館漫画賞も受賞しており、中学生編で終了予定だった連載はさらに継続していくことになる[4]
がむしゃら青春編/青春立志編

瀬戸内海の百戸島を舞台に、高校生でありながら轟学園小学校3年9組の小学校教師として活躍する話。男吾が担任するクラスは問題児クラスで、一癖も二癖もある児童らに自分の豪放な生き方を説いていくものであり、男吾に大人としての自覚が見受けられ、小学生編のような人情話も見られるが、バトル展開が挿入されることが多かった。連載末期には突如としてケンカトーナメントという展開に入るが、作者が安易なバトル展開を嫌っていたことと連載終了の決定もあって[1]あっさりと話は収束し、直後に話は大団円を迎えた。その後『別冊コロコロコミック』にて完結編が掲載された。
コロコロアニキ掲載分

中学一年の年の夏休みや火山らの卒業式など、過去に『コロコロ』本誌で連載された各シリーズの合間に存在していたであろう話や、男吾の保育園時代のような連載前日談が描かれている。その後に展開される物語を踏まえた描写も多い(小学生時代の男吾の作文など)。
登場人物
巴家

皆が格闘能力に優れ、第一巻冒頭では帰宅早々、玄関先から部屋に辿り着くまでの間、金時、安子、知子が立て続けに襲ってくるなど男吾曰く、一家にいるときは気の休まるときがない。更にほんの僅かな遅れでも食事にありつけないなど食事中さえもバトルが繰り広げられている。男吾=団子、金時、安子=あんこ、知子=しるこ など名前はそれぞれ甘味に由来。家計は中流程度だが、家は広く、専用の道場がある。最初は家族だけで使っていたが、金時のリストラを機に格闘技教室に使われる。2巻の安子、叔母のセリフによると以前は長崎に住んでいた。金時と安子はミツの占いによる幼い頃の見合い結婚らしいが、ミツがギックリ腰で倒れた時、金時が男吾に「母ちゃんの実家(長崎)から電話があった」と伝える一方、安子はカツミの幼少時の写真を見せた際、「義妹の娘」と叔母との関係を姫子に伝えるなど実際に巴家がどちらの実家かは不明。
巴男吾(ともえ だんご)
物語の主人公。格闘一家の巴家の長男で性格は喧嘩っ早く縦横無尽、勉強嫌いで規則が大嫌い、時には敵対する勢力に暴力も平気で振るう熱血漢だが、根は正義感が非常に強く、弱い者いじめが大嫌いであり、行動的で情にも厚い。特に社会的な弱者には味方に回ることが多く、その純粋な心は何度も大人の心を揺り動かしている。遅刻の常習犯で毎回担任の負川に叱られている。姫子とは最大のライバルであり、かつ相思相愛の恋人。アフターストーリーでは姫子と結婚し、一男一女の父親となっている。連載当時の『コロコロ』読者ページが行っていた「コロコロ大賞」では、3年連続「ド元気賞」に輝いていた。男吾という名前は祖母によってつけられた。意味は「吾れ、男なり!」。ケンカの実力も年齢と共に成長していき、小学生時代には中学生はおろか一学年上の上級生にさえ後れを取ることがあったが、中学生時代やそれ以降になると大人やプロの格闘家相手にも互角以上に戦えるようになっていった。小学生編では通常のカジュアルな服装の上に主に柔道着を着用していたが、これは小さい頃に着ていたものを安子が手直ししたもの。大文字中学では肩掛けカバンを使用していたが小学校編で通学時に使用、時には武器にもなる手提げカバンは従兄からもらったものという。
巴金時(ともえ きんじ)
巴一家の大黒柱で、空手三段の猛者。その実力は北島、不破のケンカを一撃で仲裁したりするなど計り知れないものがあるが、家庭では特に失業直後など女性陣に悉く虐められており、立つ瀬がない。安子曰く「穀潰し」知子曰く「宇宙一の穀潰し」で、作中、何度も就職先を首になってその度巴家に危機が訪れていたが、本人提案の格闘道場「巴道場」が軌道に乗り、その師範(自称)として地位を得た。男吾にとっても最強にして、最大の宿敵でもあるが、本人にとって安子こそが最大の天敵。男吾に「自分の信じたことを胸張ってやれ」と言うなど、基本的に放任主義。『コロコロ』掲載時、登場人物紹介で「きんとき」と振り仮名を振られ、次号の男吾塾で「俺は『きんじ』だ!」と抗議することがあった。
巴安子(ともえ やすこ)
巴一家のよきお袋で、姫子は理想的な母親だと言っている。男吾に似た豪快さが持ち味で、一応柔道二段だが、スタイルは柔道と言うよりプロレス。大体技を仕掛けられるのは、失業直後の金時である。しかし、見かけとは裏腹に手先は器用で、かつ懐もしっかりしており、洋裁や着物の仕立てなどの内職で、収入不安定な旦那を支えてきた良妻賢母たる立ち位置も示す。得意技は金時から教わった投げ技「巴ダイナミック」。彼女のフルネームは作中には一切載っておらず、『コロコロ』連載時の登場人物紹介コーナーで判明した設定である。二人とも長崎出身でミツのセリフによると金時とは10歳の時にミツの占いで見合い、後に結婚したらしい。一度、仕立ての仕事で座りっ放しが原因でギックリ腰になったが一晩寝ただけで完治すると言う驚異的な回復力を持つ。また、男吾の朝寝坊に厳しく叱責する場面もある一方で、始業5分前に男吾を起こしそれを楽しみに傍観している場面も見られる。
巴知子(ともえ しるこ)
男吾の姉で、剣道二段[5]。男勝りで家ではいつも竹刀を振るう一方、弟と違って学業成績も優秀で文武両道。武道の実力も男吾以上で、男吾から恐れられていた。性格はかなりガサツだが、女性らしいしおらしさも見せることがある。自分と全く性格も価値観も違う男、華道部部長の大和撫郎(やまと なでしろう)に告白され、交際している。当初撫郎と会うときはガサツな自分を必死で隠していたが、「本来のあなたが素敵だ」と言われ元の自分に戻る。料理は語られているシーンはほとんどないが、作中の発言により不得意の模様で、本人も自覚している。普段の部屋は本棚には宮本武蔵など武術、刀剣などの書物などが置かれ、男吾曰く「いつ来ても、女の部屋とは思えない(逆に本人はそれが落ち着くらしい)」との事。一家同様の健啖家で、男吾曰く「普段は茶碗三杯は食べる」らしい。
巴カツミ(ともえ かつみ)
長崎に住んでいる男吾の従妹で、男吾より一つ年下。男吾を「男ちゃん」と呼ぶ。男吾が尻尾を巻いて逃げるほど苦手としている相手であり、しかも小学生男吾をこてんぱんにするほど、かなり腕が立つ。内心は男吾が好きで、それが原因で姫子と恋の火花を散らすことになるも、すぐに意気投合。青春立志編で高校生として再度登場するが、てんとう虫コミックス版では掲載ページ数の都合[6]で短縮されている。
巴ミツ(ともえ みつ)
男吾のお婆ちゃんで、剣道の達人。ぎっくり腰を患っても、矍鑠としていた。占いが大好きで、金時の結婚相手を見定め雲仙岳の噴火も的中させている。カツミに仕返しをしようと躍起になっていた男吾に、男らしさを説く。再度登場した時は占いで自分の死を予期してしまったため、かなり老け込んでいた。
巴正子(ともえ まさこ)
男吾の叔母でカツミの母だが、安子や知子とは対照的に巴家の女性では珍しく温和な性格。他の親族については不明だが、もう一人母方に伯母[注釈 2]がいるが、叔父は作中には登場しなかった。また、連載後半に帰郷した男吾が自身の占いで死期を悟り、寝込んだミツを勇気付けるため、変装、後に夢枕に立ち、生きるように諭した祖父が登場するが、祖父の名前は「大福」である。
一文字学園初等部


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