『「雨の木」を聴く女たち』(レイン・ツリーをきくおんなたち)は大江健三郎の連続短編形式の長編小説。1982年に発表し、新潮社より刊行された本作品は1983年に読売文学賞を受賞した。1986年に新潮文庫に収録された。
「『雨の木』というのは、夜なかに驟雨があると、翌日は昼すぎまでその茂りの全体から滴をしたたらせて、雨を降らせるようだから。他の木はすぐ乾いてしまうのに、指の腹くらいの小さい葉をびっしりとつけているので、その葉に水滴をためこんでいられるのよ。頭がいい木でしょう」と登場人物は説明する。荒涼たる世界と人間の魂に水滴を注ぐ「雨の木」のイメージに重ねて、危機にある男女の生き死にを描いた物語である。 作曲家の武満徹は、この連作集の第一作『頭のいい「雨の木」』に触発され、打楽器アンサンブル曲『雨の樹』(レイン・ツリー)を作曲した。大江の連作第2作『「雨の木」を聴く女たち』は、この曲の初演を受けて執筆されており、小説中に「作曲家のTさん」と称する武満徹の描写と、コンサートの場面が出てくる。小説では「調律されたトライアングルの音から始まり」と書いてあるが、これはトライアングルではなくアンティークシンバルの音である。漢字が木から樹に変わった理由は、小説内にも紹介されているが、武満が以前作曲した初のオーケストラ作品『樹の曲』と、その頃に生まれた「眞樹 1.頭のいい「雨の木」 2.「雨の木」を聴く女たち 3.「雨の木」の首吊り男 4.さかさまに立つ「雨の木」 5.泳ぐ男――水の中の「雨の木」
音楽
収録短編
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更新日時:2017年5月29日(月)18:48
取得日時:2019/07/18 11:06