“文学少女”シリーズ
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“文学少女”シリーズ
ジャンル
学園[1]ミステリ[2]ラブコメ[3]
小説
著者野村美月
イラスト竹岡美穂
出版社エンターブレイン
掲載サイトFB Online(短編のみ)
レーベルファミ通文庫
刊行期間2006年4月28日 - 2011年4月30日
巻数全16巻
漫画:“文学少女”と死にたがりの道化
原作・原案など野村美月(原作)
竹岡美穂(キャラクター原案)
作画高坂りと
出版社スクウェア・エニックス
掲載誌月刊ガンガンJOKER
(5話まではガンガンパワード
レーベルガンガンコミックスJOKER
発表号パワード2008年8月号 - JOKER2010年11月号
巻数全3巻
漫画:“文学少女”と飢え渇く幽霊
原作・原案など野村美月(原作)
竹岡美穂(キャラクター原案)
作画高坂りと
出版社スクウェア・エニックス
掲載誌月刊ガンガンJOKER
レーベルガンガンコミックスJOKER
発表号2011年1月号 - 2013年9月号
発表期間2010年12月22日 - 2013年8月22日
巻数全4巻
漫画:“文学少女”と美味しい噺【レシピ】
原作・原案など野村美月(原作)
竹岡美穂(キャラクター原案)
松田美弥(シナリオ協力)
作画日吉丸晃
出版社角川書店
掲載誌ビーンズエース
月刊Asuka(Recipe4より)
レーベルあすかコミックスDX
発表号ビーンズエースVol.17 - VOL.19
月刊Asuka2009年9月号 - 2010年4月号
巻数全2巻
漫画:“文学少女”と恋する詩人【ポエット】
原作・原案など野村美月(原作)
竹岡美穂(キャラクター原案)
松田美弥(シナリオ協力)
作画日吉丸晃
出版社角川書店
掲載誌月刊Asuka
レーベルあすかコミックスDX
発表号2010年6月号 - 2011年1月号
巻数全1巻
映画:劇場版“文学少女”
原作野村美月
監督多田俊介
脚本笹野恵
キャラクターデザイン松本圭太
音楽伊藤真澄
制作Production I.G
配給クロックワークス
封切日2010年5月1日
上映時間103分
テンプレート - ノート
プロジェクトライトノベル漫画
ポータル文学漫画

『“文学少女”シリーズ』(ぶんがくしょうじょシリーズ)は、野村美月による日本ライトノベルシリーズイラスト竹岡美穂が担当。ファミ通文庫エンターブレイン)より、2006年4月から2011年4月にかけて全16冊(長編8冊、短篇集4冊、外伝4冊)が刊行された。また、これを原作として漫画化劇場アニメ化などが行われている。2011年4月時点でシリーズ累計発行部数は250万部を記録している[4]

本作は実在の文学小説が題材となっており、その小説をなぞるかのように物語が展開したり、登場人物がその小説に強い影響を受けたりしている(題材は#既刊一覧参照)。物語は基本的に井上心葉の一人称で進むが、その物語の合間には登場人物の「誰か」の文章・心情などがその人物の一人称で語られる。

タイトルロゴ縦書きで、「文学少女=vとダブルミニュートが使われる。横書きではダブルクォーテーションマークが使われる。

海外向け(英語)では『Book Girl』と表記される。
シリーズ展開

2006年5月10日に初刊『“文学少女”と死にたがりの道化(ピエロ)』を刊行後、シリーズとして続刊化。2011年5月時点、ライトノベルは長編(本編)は全8巻、短編集は「恋する挿話集(エピソード)」シリーズ全4巻、外伝は「“文学少女”見習い」シリーズ全3巻と「半熟作家と“文学少女”な編集者(ミューズ)」がファミ通文庫エンターブレイン)より刊行されている(計16巻)。このうち、本編は『“文学少女”と神に臨む作家(ロマンシエ)下』を以って完結しており、DVDやBD特典など収録分を除く短編エピソードは『恋する挿話集(エピソード)4』を以って全て収録されている。このうち外伝は日坂菜乃を主人公とした「“文学少女”見習いの卒業」、“文学少女”天野遠子に振り回される雀宮快斗を主人公とした「半熟作家と“文学少女”な編集者(ミューズ)」で完結した。

ちなみに作者は、外伝も含むこのシリーズについて、刊行された順番で読んでいくことを強く推奨している。
あらすじ
本編

高校2年生の今、「普通の男子高生」の主人公・井上心葉。モットーは「君子危うきに近寄らず」という彼は、過去に大きなトラウマを抱えていた。そんな彼がひょんな事から、生粋の文学少女である天野遠子の秘密「文学を食べる」ことを知ってしまう。秘密を知ったことで彼は、遠子が部長を務める文芸部に強制的に入部させられ、毎日毎日三題噺を書かされることとなってしまった。天真爛漫で無邪気な遠子に振り回され、「これは事件よ!」の台詞に頭を抱えながらも、遠子が首を突っ込んださまざまな事件を解決に導く手助けをしていく。その中で関わりを持った竹田千愛、芥川一詩、櫻井流人、姫倉麻貴、琴吹ななせなどに少しずつ心を開き、やがてトラウマの元となった、ある少女と再会を果たす。そして彼の物語が読み解かれ過去から解放されたとき、心葉と遠子は今までの信頼を互いに裏切ってしまう。千愛、一詩、流人、麻貴、ななせ、そして心葉……。あたたかく、甘く、優しい文学少女の手によってすべての物語が読み解かれ終えたとき。読み手であった文学少女・天野遠子の物語が綴られる。彼女の物語を読み解いていくにつれ心葉たちの運命もまた、少しずつ動き出すのであった。
外伝

高校2年生の井上心葉は、桜が舞い散る黄昏の校庭で、卒業し北海道の大学に進学する天野遠子に別れのキスをした。遠子の後ろ姿を見て泣き崩れる井上心葉の姿を、人知れず見ていたのは外伝の主人公となる日坂菜乃だった。その姿に日坂菜乃は一目ぼれし、入学後になって彼が文芸部の部長であることを知り入部する。しかし、彼女は小説など読んだこともない素人であり遠子とは全く性格が異なるのだが、なぜか天野遠子を彷彿させるおてんば娘だった。井上心葉は、彼女が首を突っ込み厄介なことになると、遠子並みの「想像」で菜乃を助けるなど、本編には見られない男らしさが垣間見られる。
登場人物

※声は特記のない限りドラマCD版・劇場アニメ版・OVA版共通。
メインキャラクター
天野 遠子(あまの とおこ)
- 花澤香菜[5]本作の主人公。聖条学園3年生。文芸部部長で、心葉の先輩にあたる女性。自称“文学少女”であり、物語を愛するゆえに純文学の本や小説の原稿を文字通り紙ごと食べる美食家。この行為をみて心葉は妖怪と呼び気味悪がるが、本人は言われる度に“文学少女”だと否定している。普通の食材も食べることができるものの、本人にとってはただの味がしない無機物にすぎない(ゆえに、物語を食べ物の味に例えて表現しているのもあくまで想像上のもの)。図書委員以上に図書室について詳しいなど、文学にも精通している。幽霊や呪い、ホラーやスプラッタが苦手であり、その話が飛び出すごとに顔色を悪くしたり悲鳴や言葉にならない声を上げたりする。しかし、本人は先輩としての威厳が損なわれることを理由に見栄を張ったりごまかそうとしたりしている。得意教科は国語と英語。外国語は外国文学作品を原書で読みたいがために、英語以外にも中国語やフランス語も勉強しているらしい。苦手科目は数学。数字を食べたとしても1つ1つ文字に意味がないため、味はしないという。また保健体育の知識も豊富である[6]。華奢な体つきでバストは推定Aカップで、本人もそのことを気にしている。また恋愛にも興味があるようだが、ある有名な占い師に占ってもらった所、高校現在恋愛大殺界中らしい[7]。ずっと前から心葉を「男の子」として認識していた。長い2本の三つ編みに色白の肌、セーラー服のその姿は古式ゆかしい文学少女そのものだが性格は無邪気でお気楽で天然気味。かなりの妄想狂で物語めいた空想を巡らしたり、こうと決めたら人の意見も聞かず行動に移したりする。頼まれてもいないのに人の事情に首を突っ込むようなおせっかい焼きな面もあり、事あるごとに心葉の冷めた態度や嫌がらせを受けては泣いたりいじけたりするが[7]、そんなことも忘れたかのようにすぐ機嫌を直すポジティブ思考で、彼を度々引っ張りまわしている。その一方で妙なところで勘が鋭く、ここぞというときにはとても細やかな心配りが出来る人でもある。様々な物語を読む事と食べる事に熱心。心葉がどんなに滅茶苦茶な話を書いても、それを決して残さないなど文学に対しては真摯で命の危機にさらされても本のことを心配している程である。また、「廃棄していい本なんて、この世に一冊たりとも存在しない」と主張するほど他者が話や本を処分することを非常に嫌う[8]。自分はあくまで「探偵」ではなく、ただの「文学少女」。ゆえに自分がするのは「推理」ではなく「妄想」、もとい「想像」とは本人の弁。当初の構想ではクールなキャラクターとなっていたが、心葉とのバランスが悪かったことから現在のキャラクターへと変更された[9]
井上 心葉(いのうえ このは)
声 - 入野自由[5] / 少年時代 - 斎藤千和本作のもう一人の主人公であり語り手。見習いシリーズでは副主人公をつとめる。聖条学園に通う高校2年生。中学3年生の時に生まれて初めて書いた「青空(ソラ)に似ている」という小説を「井上ミウ」というペンネームで文芸雑誌に応募したところ大賞を受賞、14歳の謎の美少女覆面作家として売り出される。本は大ベストセラーとなり映画化やドラマ化もされ社会現象となるが、当時想いを寄せていた美羽が学校の屋上から飛び降りた事によるストレスから過呼吸を起こして倒れ、一時引きこもりとなり執筆を断念。この事件がもとで他人とのかかわりをできるだけ避ける消極的な性格になるが、遠子との出会いにより少しずつ快活な性格を取り戻しつつある。学校生活では猫をかぶっていることが多い。現在は普通の男子高校生として生活しているものの遠子の秘密を知ったことで文芸部に無理矢理引きずり込まれ、様々な事件(厄介ごと)に首を突っ込み、部活では彼女のおやつ係で彼女のズレた言動にツッコミを入れる日々を送っている。部活に入った当初は遠子に振り回される日常から解放されたいと思っていたが、本当は頼れる存在である遠子を後に心から信頼するようになり、作中何度くじけるも彼女に救われている。恒例の三題噺では時々わざと変な話を書いて遠子に嫌がらせをしたりもしているが、時々彼女好みの甘くておいしいおやつを書いてあげることも。勉強はできる方であり、理数系を得意としている[6]。『見習いシリーズ』では高校3年生で、卒業した遠子に代わって文芸部の部長を務める。菜乃を始めとした女生徒に振り回されるのは相変わらずで、特に菜乃に対してはズレた言動や話にため息をつくことも多いが、本当は彼女を大切に思っていて先輩らしい一面も見せるようになっている。3年生になってから女子生徒(主に下級生)に人気になった。菜乃曰く「ツンデレ」らしい。
朝倉 美羽(あさくら みう)
声 - 平野綾[10]心葉の過去の想い人で幼馴染。家庭事情に苦しんでおり、「汚れた世界」から解放される作家になることを目指していたが、中学時代心葉との「井上ミウ」の一件が引き金となり、心葉の目の前で中学校の屋上から飛び降りる事件を起こし、彼に大きなトラウマを植え付け自らの心も傷つけた[11]。現在は和解し、一詩と共にリハビリに精を出している。以降は一詩と一緒にいる姿が多く見られていた。ななせとは違った意味でぶっきらぼうな性格で、常に周囲ではキツイ性格をしているが、本人は「誰かを幸せにできる人間になりたかった」と言っているように、本当は他人に気遣いができる性格である。一詩には悪態をつくことも多いが、異性としては満更でもない一面も見せる。現在はショートヘアだが、中学生時は髪が長くポニーテールにしていた。
琴吹 ななせ(ことぶき ななせ)
声 - 水樹奈々[5]心葉の同級生。図書委員[7]。中学時代のとある出来事から心葉に想いを寄せている。高校で再会したが、自分の本心を偽っている心葉に対して苛立ちを感じている。遠子を尊敬しているが同時に心葉と仲が良いため、嫉妬してもいるらしい。茶髪でスタイル抜群。美人であるためクラスの男子の間でも人気がある。友達思いであり、クラスメイトの森とは親友で、学校の違う夕歌とは大の親友。極度のツンデレで、心葉を前にするとまともにしゃべれなくなるくらいの恋愛下手。真っ直ぐな性格で、曲がったことが大嫌い。『見習いシリーズ』では高校3年生で、菜乃の先輩として登場。心葉とは高校2年生の卒業式の日に振られたことから、また心葉への思いを抑え込むために疎遠となっていたが、それでも心葉を諦めきれず、更に菜乃に「もう楽になってもいい」と言われたことからモヤモヤが晴れ、再び心葉への思いを胸に抱いた。このことから、菜乃とも恋のライバル関係になるが、菜乃には物事を教えたりしているなど、それでも良き先輩である。
櫻井 流人(さくらい りゅうと)
声 - 宮野真守[5]遠子の居候先の息子で、弟のような存在[12]。 現在高校1年生だが、大学生でも通用する容姿をしている。『サロメ』のような愛憎溢れた激しい恋愛が好みだという、かなり変わった嗜好をもつ。自称精神的マゾ。とにかく女性にモテるため、3股4股は当たり前。しかし遠子にだけは頭が上がらない。人脈(主に女性)やパソコンを使った情報収集が得意で、行動力も異常に高い。明るく社交的だが、目的のためなら手段を選ばない冷徹な面も。遠子のことを姉のように思っており、彼女の幸せを願っている。彼女と心葉をくっつけようとなりふり構わず奔走したことも。麻貴とは仲が悪いが、後に好意を持っていたことがうかがえる。今でも相変わらず麻貴には冷たくされたりからかわれたりしている。
芥川 一詩(あくたがわ かずし)
声 - 小野大輔[5]心葉のクラスメイト。弓道部員。背が高く、整った顔立ちと寡黙な性格の持ち主。成績も1年の中間が4位、期末は2位という優秀さ。運動神経もいいらしく、典型的な優等生である。ある理由から誠実な人間である事を自分に課している。文化祭のある出来事を通して心葉と友人になり、後に彼と深い絆を結んでいく[13]。恋愛の意味で美羽に好意を寄せており、心配性といわれるほどに彼女の介護と世話に付きっきり。
姫倉 麻貴(ひめくら まき)
声 - 伊藤静[5]聖条学園理事長の孫娘。3年生。オーケストラ部の部長で指揮者。アイルランド系クォーターであり、周りからは「姫」と呼ばれるほどの美貌を持っている。肉食系で尊大な性格の持主。本当は美術部志望だったが理事長の孫という理由でオーケストラ部に入らされ、その交換条件としてオーケストラ部が練習に利用するホールにアトリエを作ってもらい根城にしている。1年の頃から遠子に執着しており、裸婦画のモデルになるよう口説き続けている。一方、数多くのOBを持つオーケストラ部に所属するため、かなりの情報通。遠子たちも時折情報を求めて彼女のところへやってくる。遠子とは高校1年の入学式からの付き合いだが、遠子は前述のモデルの件から「変態」と毛嫌いしており、彼女に対して悪態をよく付いているが、麻貴は憤慨する遠子を見て、喜んでいるような節があり、毎度のように遠子をからかっている。だが、遠子も自分なりの気遣いを彼女にみせている。流人とは折り合いが悪く、会う度に何かと憎まれ口を叩きあう仲である。最初の頃は蛍のこともあって嫌っていたが、後にそっけない言動は変わらないがからかったりすることが多くなる。
竹田 千愛(たけだ ちあ)
声 - 豊崎愛生[5]文芸部にラブレターの代筆を依頼した少女[7]。聖条学園に通う1年生。図書委員[7]。普段は子犬の様に愛らしく純粋で、よく転ぶドジっ娘。だがそれは演じている「竹田千愛」であり本当は何事にも無感動・無関心で、顔に感情が表れない。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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