Β-エンドルフィン
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β-Endorphin

IUPAC名

L-Tyrosylglycylglycyl-L-phenylalanyl-L-methionyl-L-threonyl-L-seryl-L-glutaminyl-L-lysyl-L-seryl-L-glutaminyl-L-threonyl-L-prolyl-L-leucyl-L-valyl-L-threonyl-L-leucyl-L-phenylalanyl-L-lysyl-L-asparaginyl-L-alanyl-L-isoleucyl-L-isoleucyl-L-lysyl-L-asparaginyl-L-alanyl-L-tyrosyl-L-lysyl-L-lysylglycyl-L-glutamine
識別情報
CAS登録番号60617-12-1 
PubChem16132316
ChemSpider28184601
UNII3S51P4W3XQ 
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CHEBI:10415

IUPHAR/BPS1643
SMILES

CC[C@H](C)[C@@H](C(=O)N[C@@H]([C@@H](C)CC)C(=O)N[C@@H](CCCCN)C(=O)N[C@@H](CC(=O)N)C(=O)N[C@@H](C)C(=O)N[C@@H](Cc1ccc(cc1)O)C(=O)N[C@@H](CCCCN)C(=O)N[C@@H](CCCCN)C(=O)NCC(=O)N[C@@H](CCC(=O)N)C(=O)O)NC(=O)[C@H](C)NC(=O)[C@H](CC(=O)N)NC(=O)[C@H](CCCCN)NC(=O)[C@H](Cc2ccccc2)NC(=O)[C@H](CC(C)C)NC(=O)[C@H]([C@@H](C)O)NC(=O)[C@H](C(C)C)NC(=O)[C@H](CC(C)C)NC(=O)[C@@H]3CCCN3C(=O)[C@H]([C@@H](C)O)NC(=O)[C@H](CCC(=O)N)NC(=O)[C@H](CO)NC(=O)[C@H](CCCCN)NC(=O)[C@H](CCC(=O)N)NC(=O)[C@H](CO)NC(=O)[C@H]([C@@H](C)O)NC(=O)[C@H](CCSC)NC(=O)[C@H](Cc4ccccc4)NC(=O)CNC(=O)CNC(=O)[C@H](Cc5ccc(cc5)O)N

InChI

InChI=1S/C158H253N41O44S/c1-17-84(9)126(153(237)184-102(44-29-34-65-163)137(221)188-112(74-120(168)210)142(226)173-86(11)131(215)185-110(73-94-48-52-96(206)53-49-94)146(230)179-99(41-26-31-62-160)135(219)177-98(40-25-30-61-159)134(218)172-78-124(214)175-106(158(242)243)56-59-119(167)209)195-154(238)127(85(10)18-2)194-132(216)87(12)174-143(227)113(75-121(169)211)187-136(220)100(42-27-32-63-161)180-147(231)111(72-92-38-23-20-24-39-92)186-144(228)107(68-81(3)4)190-155(239)129(89(14)203)197-152(236)125(83(7)8)193-148(232)108(69-82(5)6)189-151(235)116-45-35-66-199(116)157(241)130(90(15)204)198-140(224)104(55-58-118(166)208)182-149(233)114(79-200)191-138(222)101(43-28-33-64-162)178-139(223)103(54-57-117(165)207)181-150(234)115(80-201)192-156(240)128(88(13)202)196-141(225)105(60-67-244-16)183-145(229)109(71-91-36-21-19-22-37-91)176-123(213)77-170-122(212)76-171-133(217)97(164)70-93-46-50-95(205)51-47-93/h19-24,36-39,46-53,81-90,97-116,125-130,200-206H,17-18,25-35,40-45,54-80,159-164H2,1-16H3,(H2,165,207)(H2,166,208)(H2,167,209)(H2,168,210)(H2,169,211)(H,170,212)(H,171,217)(H,172,218)(H,173,226)(H,174,227)(H,175,214)(H,176,213)(H,177,219)(H,178,223)(H,179,230)(H,180,231)(H,181,234)(H,182,233)(H,183,229)(H,184,237)(H,185,215)(H,186,228)(H,187,220)(H,188,221)(H,189,235)(H,190,239)(H,191,222)(H,192,240)(H,193,232)(H,194,216)(H,195,238)(H,196,225)(H,197,236)(H,198,224)(H,242,243)/t84-,85-,86-,87-,88+,89+,90+,97-,98-,99-,100-,101-,102-,103-,104-,105-,106-,107-,108-,109-,110-,111-,112-,113-,114-,115-,116-,125-,126-,127-,128-,129-,130-/m0/s1Key: WOPZMFQRCBYPJU-NTXHZHDSSA-N

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特性
化学式C158H251N39O46S
モル質量3464.98 g mol?1
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

β-エンドルフィン(: beta-endorphin)は、中枢神経系末梢神経系の双方の神経細胞で産生される内因性オピオイド神経ペプチド(英語版)、ペプチドホルモンである[1]α-エンドルフィンγ-エンドルフィンとともに、ヒトで産生される3つのエンドルフィンのうちの1つである[2]

アミノ酸配列は、Tyr-Gly-Gly-Phe-Met-Thr-Ser-Glu-Lys-Ser-Gln-Thr-Pro-Leu-Val-Thr-Leu-Phe-Lys-Asn-Ala-Ile-Ile-Lys-Asn-Ala-Tyr-Lys-Lys-Gly-Gluである[1][3]。最初の16アミノ酸はα-エンドルフィンと同一である。β-エンドルフィンは内因性オピオイドであり、エンドルフィンに分類される神経ペプチドである[1]。実証されている内因性オピオイドペプチドは全て同じN末端のアミノ酸配列Tyr-Gly-Gly-Pheを持ち、-Metまたは-Leuのいずれかが続く[1]

β-エンドルフィンの機能は空腹、スリル、疼痛、母性、性行動、報酬系と関係していることが知られている。最広義では、β-エンドルフィンは主にストレスを低下させ、恒常性を維持するために体内で利用される。行動研究では、β-エンドルフィンはさまざまな刺激、特に新奇刺激に反応して、拡散性伝達(volume transmission)によって脳室系(英語版)へ放出されることが示されている[4]
形成と構造

β-エンドルフィンは、視床下部脳下垂体の神経細胞に存在する。β-エンドルフィンはβ-リポトロピンに由来し、β-リポトロピンは脳下垂体において、より大きなペプチド前駆体であるプロオピオメラノコルチン(POMC)から産生される[5]。POMCは2つの神経ペプチド、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)とβ-リポトロピンへと切断される[6]。その後、β-リポトロピンのC末端領域の切断の結果、31アミノ酸長でαヘリックス二次構造を持つβ-エンドルフィンが形成される。POMCは、プロタンパク質コンベルターゼ(英語版)と呼ばれる酵素による細胞内でのプロセシングにより、メラニン細胞刺激ホルモンなど他のペプチドホルモンの前駆体にもなる。

β-エンドルフィンと他の内因性オピオイドとの差異となる重要な因子は、μ-オピオイド受容体(英語版)に対する高いアフィニティと効果の持続性である[5]。β-エンドルフィンの二次構造によるタンパク質分解酵素に対する抵抗性はその一因となっている[5]この模式図ではPOMCからのβ-エンドルフィンの形成が示されている。この遺伝子の2番目と3番目のエクソンがPOMCタンパク質を構成する。このタンパク質のC末端の切断によってβ-リポトロピンが産生され、その後さらに切断されることでβ-エンドルフィンが形成される。POMCタンパク質は副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)など、他の神経ペプチドやホルモンの前駆体でもある。
機能と効果

β-エンドルフィンの機能は、局所的機能と全身機能の2つの主要なカテゴリに分類される。β-エンドルフィンの全身機能は身体のストレスの低下と恒常性の維持に関連しており、疼痛管理、報酬効果、行動の安定などをもたらす。β-エンドルフィンは脊髄脳脊髄液を介して身体のさまざまな部分に拡散するため、β-エンドルフィンの放出は末梢神経系にも影響を与える。β-エンドルフィンの局所的機能は、扁桃体や視床下部などのさまざまな脳領域でβ-エンドルフィンの放出をもたらす[4]。β-エンドルフィンが体内で利用される2つの主要な方法は、末梢ホルモン作用[7]と神経調節である。β-エンドルフィンや他のエンケファリンは、ホルモン系の機能の調節のためにACTHとともに放出されることが多い。β-エンドルフィンによる神経調節は他の神経ペプチドの機能の阻害によって行われ、神経ペプチドの放出を直接的な阻害や、神経ペプチドの作用を低下させるシグナル伝達カスケードの誘導が行われる[6]
オピオイドアゴニスト


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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