Α-ラクトアルブミン
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LALBA

PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj

PDBのIDコード一覧

4L41, 1A4V, 1B9O, 1CB3, 1HML, 3B0I, 3B0O


識別子
記号 ⇒LALBA, entrez:3906, LYZG, lactalbumin alpha, HAMLET
外部IDOMIM: 149750 MGI: ⇒96742 HomoloGene: 1720 GeneCards: LALBA

遺伝子の位置 (ヒト)

染色体12番染色体 (ヒト)[1]

バンドデータ無し開始点48,567,684 bp[1]
終点48,570,066 bp[1]

遺伝子の位置 (マウス)

染色体15番染色体 (マウス)[2]

バンドデータ無し開始点98,378,281 bp[2]
終点98,380,602 bp[2]

RNA発現パターン

さらなる参照発現データ

遺伝子オントロジー
分子機能? ⇒calcium ion binding
? ⇒金属イオン結合
? ⇒lactose synthase activity
? ⇒リゾチーム活性

細胞の構成要素? ⇒細胞外領域
? ⇒Golgi lumen
? ⇒ゴルジ膜
? ⇒細胞外空間

生物学的プロセス? ⇒アポトーシス
? ⇒シグナル伝達
? ⇒defense response to bacterium
? ⇒細胞間シグナル伝達
? ⇒lactose biosynthetic process
? ⇒cell wall macromolecule catabolic process
? ⇒defense response to Gram-negative bacterium
? ⇒defense response to Gram-positive bacterium

出典: ⇒Amigo / QuickGO

オルソログ
種ヒトマウス
Entrez


3906


16770

Ensembl


ENSG00000167531


ENSMUSG00000022991

UniProt


P00709


P29752

RefSeq
(mRNA)


NM_002289
NM_001384350


NM_010679

RefSeq
(タンパク質)


NP_002280


NP_034809

場所
(UCSC)Chr 12: 48.57 ? 48.57 MbChr 12: 98.38 ? 98.38 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ

閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス

α-ラクトアルブミンは、タンパク質である。牛乳乳清タンパク質の重要な成分であり(?1 g/l)、また他の多くの哺乳類の乳にも含まれる。ヒトでは、LALBA遺伝子がコードする[5][6][7]
機能

霊長類では、α-ラクトアルブミンの発現はプロラクチンに反応して正に調節され、ラクトースの生産量を増加させる[8]

α-ラクトアルブミンは、ラクトースシンターゼヘテロ二量体の調節サブユニットを形成し、β-1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼが触媒部位を形成する。これらのタンパク質は一緒に働いて、ラクトースシンターゼがガラクトースの一部をグルコースに転移させ、ラクトースを合成することができるようにしている。α-ラクトアルブミンがβ-1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼと複合体を形成すると、グルコースとのアフィニティが約1000倍も上昇し、ガラクトースを重合させる機能が失われる。これにより、β-1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼをラクトースシンターゼに変化させることで、ラクトース形成経路を形成させる。

多量体として、α-ラクトアルブミンはカルシウムイオンと亜鉛イオンに強く結合し、恐らく抗細菌、抗腫瘍活性を持つ。等の酸性環境で形成されるヒトのα-ラクトアルブミンのフォールディングバリアントは、HAMLET(英語版)と呼ばれ、腫瘍細胞にアポトーシスを起こさせると考えられている[5]

クリーヴィランド・クリニックのVincent Tuohyの研究は、α-ラクトアルブミンを乳癌ワクチンの基礎として用いるものである。乳癌は通常、出産適齢期を過ぎた人生の後半に発病する。このタンパク質は通常、妊娠後期や授乳期にしか発現しないが、Tuohyは、このたんぱく質は新しく形成された腫瘍でも発現していることを発見し、「彼らがやっていることの1つは、α-ラクトアルブミンのような適切ではないタンパク質を作ることだ」と記した。Tuohyのグループは、α-ラクトアルブミンをターゲットとするワクチンを開発し、患者自身の免疫系を騙して、α-ラクトアルブミンを発現する胸の組織を攻撃させ、癌細胞を高い確率で殺させた。実際に、腫瘍が発達する前にワクチンを接種されたマウスは乳癌から100%守られた。組織の損傷や炎症は胸の組織に限定されたが、ヒトの乳癌の患者は通常出産適齢期を過ぎているため、このことはあまり問題にならないと考えられる[9]
物理的性質

分子量は14178 Da、等電点は4.2と4.5の間である。β-ラクトグロブリンとの構造上の最大の違いの1つは、共有縮合反応の開始点となるフリーなチオール基を持たないことである。結果として、純粋なα-ラクトアルブミンは、変性や酸性化によってゲルを形成しない。
進化

α-ラクトアルブミンの配列比較により、リゾチーム、特にカルシウムイオンと結合するc-リゾチームとの強い類似性が示された[10]。従って、考えられる進化史は、c-リゾチームの遺伝子重複の後に突然変異が起こったということである[11]。この遺伝子は、哺乳類と鳥類の最後の共通の祖先(有羊膜類出現後の単弓類双弓類の分岐点に相当する)より前から存在し、起源は恐らく約3億年であると考えられる[12]
出典^ a b cGRCh38: Ensembl release 89: ENSG00000167531 - Ensembl, May 2017


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