wine
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概要Wine 上の Media Player Classic バージョン 6.4.8.3

名称は"Wine" Is Not an Emulator(和訳:『Wineはエミュレータではない』)の略で、再帰的頭字語である[1]。以前の名称は WINE だったが、現在は Wine となっている[2]

仮想マシンを構築するXenVMwareとは異なり、Wineは互換レイヤーとして動作する。つまり、Windowsプログラムが要求するDLLの代替品を供給し、またWindows NTカーネルのプロセスを再現することによって、Windowsプログラムをネイティブ動作させる。したがってWineでWindowsバイナリを動作させる上でWindows OSは不要[3]だが、Wineのエミュレーションライブラリが不完全な場合にはWindowsのDLLを利用することで解決できる場合がある。

x86上のLinux環境を中心に開発されているが、SolarisFreeBSDMac OS X向けにも移植されている[4]GUIベースのWindowsプログラムはX Window System上で動作する。非x86環境では、QEMUなどをCPUエミュレータとしてWindowsバイナリを実行できる[5]

ライセンスはLGPLを採用し[6]フリーソフトウェアである。


歴史

サン・マイクロシステムズのPWI (Public Windows Initiative) やWabi[7](Windows APIのパブリックドメインソフトウェアによる完全代替を目指したもの)の影響を受け、ボブ・アムスタッドとエリック・ヤングデイルによりWindowsアプリケーションをLinux上で動作させることを目的としてWineプロジェクトは1993年にネットニュース上で創始された[8]。当初はWindows 3.1用(16ビット)アプリケーションに主眼を置いたが、現在は32ビット中心に開発されている。1994年以降はアレクサンダー・ジュリアードがプロジェクトリーダーを務めている[9]

プロジェクトは困難を極め、なかなか互換性が高まらなかった。特に1990年代は、日本語環境においてアプリケーションが思うように動かせない状況が続き、Wineのインストールや動作にもそれなりのスキルが必要とされていた。

Wineプロジェクトに着目したコーレルなどの支援によって一時的に状況は好転したが、マイクロソフトのコーレルへの大規模投資が原因となって、この支援は中止された[10]

現在はCodeWeaversがジュリアードらを雇っている[9]。また、GoogleはLinux版PicasaでWineを利用し、Wineの開発を支援している[11]

最初のベータ版となったバージョン0.9は2005年10月25日にリリースされ、最初のリリース候補版 (1.0-rc1) は2008年5月9日にリリースされた。2008年6月17日には Wine 1.0 がリリースされた[12]


対応アプリケーション

Wine における Windows アプリケーションの動作状態は Wine アプリケーションデータベース (AppDB) で調べることができる。Wine AppDB では Wine ユーザからの動作報告がデータベース化されており、アプリケーションが動作状況の良い順に「Platinum」、「Gold」、「Silver」、「Bronze」、「Garbage」で格付けされている[13]。一般に Wine のバージョン毎に格付けが変わる。

Wine 1.0 で

Adobe Photoshop CS2 体験版

Microsoft PowerPoint Viewer 97 と 2003

Microsoft Word Viewer 97 と 2003

Microsoft Excel Viewer 97 と 2003

がリリース基準に使われた[14]こともあり、Wine 1.0 ではこれらのアプリケーションが問題なく動作すると報告されている[15][16][17][18]


付属プログラム

Wine には wine コマンドを中心として様々なプログラムやツールが含まれている[19]

wine - 一般に Wine がインストールされた環境で Windows プログラムを起動するには EXE ファイルをダブルクリックすればよい。しかし、場合によってはデバッグなどの目的でコマンドラインからプログラムを起動させたいことがある。wine はこのようなときに用いるコマンドで、引数に Windows プログラムを指定する。

Wine設定 (winecfg) - Wine 全体の設定を GUI で行うためのプログラムである。

Wine File (winefile) - MDI 型のファイルマネージャであり、Windows Explorer に対応する。コマンドラインから wine explorer と入力することでも起動する。

Wine Application Uninstaller (uninstaller) - GUI でプログラムをアンインストールするためのツールであり、Windows の「プログラムの変更と削除」に対応する。

regedit - GUI でレジストリを編集するためのプログラムであり、同名の Windows 付属プログラムに対応する。

コマンドプロンプト (cmd)、メモ帳 (notepad)、タスクマネージャ (taskmgr)、マインスイーパ (winemine) やワードパッド (wordpad) なども含まれている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:Mamenoki