Wine には wine コマンドを中心として様々なプログラムやツールが含まれている[19]。
wine - 一般に Wine がインストールされた環境で Windows プログラムを起動するには EXE ファイルをダブルクリックすればよい。しかし、場合によってはデバッグなどの目的でコマンドラインからプログラムを起動させたいことがある。wine はこのようなときに用いるコマンドで、引数に Windows プログラムを指定する。
Wine設定 (winecfg) - Wine 全体の設定を GUI で行うためのプログラムである。
Wine File (winefile) - MDI 型のファイルマネージャであり、Windows Explorer に対応する。コマンドラインから wine explorer と入力することでも起動する。
Wine Application Uninstaller (uninstaller) - GUI でプログラムをアンインストールするためのツールであり、Windows の「プログラムの変更と削除」に対応する。
regedit - GUI でレジストリを編集するためのプログラムであり、同名の Windows 付属プログラムに対応する。
コマンドプロンプト (cmd)、メモ帳 (notepad)、タスクマネージャ (taskmgr)、マインスイーパ (winemine) やワードパッド (wordpad) なども含まれている。コマンドラインから起動する場合、cmd、taskmgr や wordpad など一部のプログラムについては、wine コマンドの引数としてプログラム名を指定して起動する。例えば、ワードパッドを起動するにはwine wordpad
と入力する。
Wine やアプリケーションの EXE ファイルやレジストリなどはホームディレクトリ内の .wine ディレクトリ下に保存される。保存先は環境変数 WINEPREFIX を設定することで変更できる[20]。かつて Wine の設定ファイルとして config というファイルがあったが、2005年に廃止され[21]現在は拡張子が reg のファイルに設定が保存されるようになっている。
アプリケーションのデスクトップエントリファイルやアイコンなどはホームディレクトリ下の
.config/menus/applications-merged
.local/share/applications/wine
.local/share/desktop-directories
.local/share/icons
にインストールされる[22]。これらのディレクトリにインストールされるファイルは GNOME や KDE などでメニューに使われる。
Wineに似た他のプロジェクト
CodeWeavers - アメリカの会社で、Windows向けのブラウザ用プラグインソフトをLinux上で動作させるCodeWeavers Pluginなどを開発・販売している。Wineベース。また、Windows アプリケーションを動作させるCrossOver Linuxという製品や、Mac OS X上でWin32 アプリケーションを動作させるCrossOver Macを出荷している。
cedega - ⇒TransGaming Technologies社のWineの改良版プロジェクト。 DirectXに対応しているのが特徴。主にWindows用ゲームをLinux上で動かすことを主目的にしている。
ReactOS - Windows NTとバイナリレベル・ドライバレベルでの互換性を確保することを目標とした、オープンソースプロジェクト。Wineとも協力して開発を進めている。
Wine 用のツール
⇒Wine-Doors - GNOME デスクトップ用のアプリケーション管理ツールであり、Wine に機能を追加する。Wine-Doors は ⇒WineTools の代りとなるもので、WineTools の機能を改善し、より現代的な設計アプローチのもとで WineTools のアイディアを発展させることを狙いとしている。
⇒WineBot - apt/dpkg/rpm のようなネイティブな Linux パッケージマネージャと同様の方法で動作するようなアプリケーション管理ツールである。このプロジェクトの狙いは特定のアプリケーションをインストールするのに必要なハックを追跡するためのプラットフォームと、Wine プロジェクトの自動退行テストのフレームワークを提供することに加え、Wine-Doors とのデータ互換性をもたせることにある。
⇒WineTricks - Wine を正しく動作させるのに必要で基本的なコンポーネントをインストールするためのやっつけで汚いスタイルのスクリプトである。これを使えば QuickTime、Windows Media Player、 .NET Framework や DirectX のランタイムライブラリなどが簡単にインストールできる。
⇒IEs4Linux - バージョン4から6までの Internet Explorer (IE) をインストールするためのユーティリティであり、まもなく IE7 もサポートされる予定である。現在 IE7 のエンジンはユーザが選択したときにのみインストールされる(ベータ段階)。ただし IE のライセンスの関係上、一部のバージョンの IE に関して Wine 上で使用することはライセンス違反となる可能性が高い[注釈 1]。また、それ以外のバージョンでも Windows のライセンスが必須[注釈 2]である。
⇒WineLocale - Windows プログラムの中には日本語、中国語や韓国語などで使われることのある非 Unicode の文字コードのサポートを必要とするものがある。 WineLocale はこのようなプログラムを Wine で動作させるための拡張ユーティリティである。Ubuntu のフォーラムにこのツールを使うためのドキュメントがいくつかある[23]。