外交交渉は戦争中には行われる場合と行われない場合があるが、戦争を収束させるためには絶対に避けては通れない争いである。講和や休戦を行うためには政府間の利害関係を調整する実務的な交渉が必要であり、またその過程には双方が国益を最大化するための交渉の駆け引きが行われる。また同盟やさまざまな支援を取り付けるための外交も戦争の行方に大きな影響を与える。(外交交渉を参照)
電子戦とは通信機器などで用いられる電磁波を巡る争いである。平時においても情報収集などを目的とした電波の傍受や分析などの電子戦は行われているが、戦時においては指揮組織、通信拠点、SAMシステムに対してより攻撃的なECMが実施される。現代の戦争においては非常に重要な通信手段は電磁波を用いたものが多く、また通信手段は指揮統率における要であるため、その重要性は大きい。日露戦争以降世界各国の軍隊が電子戦に対応する部隊を保有するようになっている。
謀略(military artifice)とは敵国の戦争指導を妨げる活動であり、一般的に極秘裏に遂行される。間接的には政治的・外交的・経済的・心理的な妨害活動があり、直接的には軍事的な破壊工作がある。破壊工作とは交通拠点、政府機関、生産施設、堤防、国境線などの重要拠点に対する爆発物などを用いた放火や爆破などの活動のことである。しばしば敵国に特殊部隊やスパイを送りこんで実行するが、秘密裏にかつ迅速に行われるために無効化が難しい。敵部隊の戦闘力の無力化などを目的とした戦闘とは性格が異なり、対反乱作戦や対テロ作戦に分類される。
心理戦とは、テレビや新聞などを用いた広報活動、政党や思想団体の政治活動、学校教育などによって情報を計画的に活用し、民衆や組織の思想や考えを誘導し、自らに有利に動くように間接的に働きかけるさまざまな活動と、敵の同様の手段へ対抗する活動の総称である。戦争が開始されれば両国とも自国の正統性を主張し、支持を得ようと試みる。また相手国の国民に対して、自国に有利になるように反政府活動を支援したり、相手国の非人道性を宣伝することによって政権の行動を制限することなどが可能である。これは対ゲリラ作戦や対テロ作戦、政権転覆などさまざまな局面で実施される。(心理戦を参照)
軍備拡張競争は軍備の量的な拡張と軍事技術の開発競争を言う。現代の戦争において勝利を納めるには、兵力や戦略のみならず、優秀な兵器が不可欠である。そのため、敵国・対立国より優れた兵器を多く保持することが重要になり、戦時中はもちろん平時においても、その開発・生産が活発に行われている。
例えば、東西冷戦においては、米ソの直接対決こそなかったものの、核兵器や戦車などの熾烈な開発競争が行われ(核兵器については、開発競争により核戦力の均衡が保たれていたからこそ現実に核戦争が起こらなかったとする見方もある)、代理戦争はそれらの兵器の実験場でもあった。また、人類を宇宙や月に送った宇宙開発競争も、ロケット技術が戦略核を搭載する大陸間弾道ミサイルなどのミサイル技術に直結していたことが大きな推進力となっていた。
一方で現代兵器は優れた工業製品でもあるため、その研究開発や生産管理は国内・国際経済においても重要な位置を占めている。特にアメリカは第二次世界大戦とその後の米ソ冷戦、イスラエルは四度に渡る中東戦争を経た結果、国の産業の大部分が軍需産業やそれに関連する産業に成長している。逆に、それらの軍需産業が軍産複合体という形で政府に影響力を持ち、自身の利益のために戦争を誘発しているとも言われており、それを如何にコントロールするかが国際平和構築の大きな課題のひとつとなっている。
戦争に関する国際法には大きく二つの体系がある。軍事力の行使が合法かどうかを定めている「開戦法規(jus ad bellum、ユス・アド・ベルム)」と、戦争におけるさまざまな行為を規律する「交戦法規(jus ad bello、ユス・アド・ベロ)」の二つである。前者は国連憲章が基本的に根拠になっており、後者は「戦時国際法」「武力紛争法」「国際人道法」とも呼ばれ、その主な根拠となっている条約にジュネーブ条約などがある。一般的に戦争犯罪と呼ばれる行為とは、戦時国際法に違反する行為を指す。(極東国際軍事裁判におけるA級戦犯はこの戦時国際法とは無関係である)また戦時国際法は作戦領域から、陸戦法規、海戦法規、空戦法規に分類されることもある。[17]
伝統的国際法においては、戦争は国家の権利であったが、現代国際法においては武力行使の禁止に伴い、戦争そのものが禁止されている。具体的には,1928年のパリ不戦条約(ケロッグ=ブリアン条約)および1945年の国連憲章2条4項により、武力行使は違法化された。ただしパリ不戦条約では実質的な紛争解決機能が盛り込まれなかったために第二次世界大戦が勃発し、そのため国連憲章が改めて定められた。国連憲章において国際社会の平和と安全が破壊される違法行為があれば、集団安全保障体制で場合によっては軍事的措置を講ずることも定められた。また国連加盟国は個別的、集団的自衛権の行使が認められている。すなわち現代における戦争を行う原則は以下の通りとなる。
国家の自衛の場合(同51条)。
安全保障理事会において認定された「国際社会の平和と秩序への脅威」に対する強制行動(第七章)
地域的取極や地域的安全保障枠組みにおける強制行動(第八章)。
戦争においては無制限の暴力が交戦国によって行使されるが、しかし現代の戦時国際法においては「軍事的必要性」と「人道性」の原則がある。軍事的必要性はさまざまな軍事作戦の遂行に不可欠な行動などを正当化する原則であり、一方で人道性とは最小限の人命損失、不要な破壊、文民に対する攻撃、過剰な苦痛などの軍事作戦にとって不適切な行動を禁止する原則である。またこのほかにも戦時国際法においては攻撃目標、戦闘方法、非戦闘員の対応、中立国との関係などが定められており、軍隊の各級指揮官や部隊の戦闘行動を規定している。