試験内容に関するもの
1997年度から実施された学習指導要領の改定に伴い、数学では旧課程履修者(浪人生)のために「旧数学I、旧数学II」、新課程履修者(現役生)のために「数学I・A、数学II・B」の2種類の試験科目が設けられた。現役生は新課程科目を解答しなければならなかったが、浪人生は旧課程・新課程いずれの問題を選択してもよく、多くは旧課程科目を選択解答した。しかし大学入試センターが公表した平均点は、数学I・Aは66.4点、旧数学Iは59.8点と約7点差、数学II・Bは63.9点、旧数学IIは42.2点と約22点差で、旧課程科目の方が平均点が低かった。通常は浪人生の方が同じテストでも10点近く平均点が高いことを考慮すると、実質的には数学Iで17点、数学IIでは32点と合計約50点もの差が生じていることとなり、学力の比較としての用を全く成さないほどの難易度の差があったことが判明した。その結果、全国の浪人生や予備校などから抗議の声が上がったが、大学入試センターは「今後は難易度に差が生じないように配慮する」というコメントを発表しただけで、謝罪の言葉や具体的な対応は全く無かった。文部省より二段階選抜の取りやめが行われたが二浪が多く生じた。このことは当時「浪人生の悲劇」と言われていた。
1998年度の本試験「英語I・II」第5問で虫歯治療に関する ⇒英文が出題されたが、その内容が現在の歯科技術に全く反するものであるとして、全国保険医団体連合会歯科協議会会長が大学入試センターに意見書を提出した。
2001年度の本試験「英語I・II」第6問の小説文が、三友社出版発行の高等学校英語教科書掲載の文章と出典が同じで、ストーリーも酷似していたことが指摘された[6]。ただし、この教科書がシェア0.25%(採択部数:4,000部)と少なかった上、当時は現在ほど入試倫理に関して各所がうるさくなかったためか、さほど大きな問題とはならなかった。
2004年、東北大学教授の森田康夫が、センター試験の数学の問題は「計算力」で解けてしまうため「数学力」の判定にはならないという批判を朝日新聞に寄稿した。同教授の調査によれば、東北大学が独自に行う二次試験の数学の成績とセンター数学の成績に特に強い相関関係は見られなかったという。
2004年度の本試験「世界史」において、「強制連行」などを確定的事実として扱っており、公正であるべきセンター試験がイデオロギー的に偏向しているという批判が「新しい歴史教科書をつくる会」によってなされ、同年7月には当時の受験生が原告となって大学入試センターを提訴するに至った[7]。さらに、藤岡信勝は過去のセンター試験の日本史・世界史の問題25年分を検証し、類似の問題点を含む出題が多数あることを指摘している。この影響もあってか、センター試験の出題者氏名公表の動きが強まった。なお、訴訟は2005年10月25日に請求棄却で終結している。
2005年度の本試験
「英語I・II」第5問の天気図を素材とした ⇒問題で、気象学的にはあり得ない寒冷前線図が素材となっていると、気象予報士の森田正光らが疑義を呈している[8]。
これは、前述の虫歯医療の英文と類似の問題点である。センター試験は、ほぼすべての大学受験生が共通に受験する試験という性格から、英語などの読解問題では、特定分野の知識を要求せず、一般常識と語学力のみで解答可能な作問を行う方針が望まれる。しかし、問題作成者(英語の場合は英語教員)が特定分野に素材を取った場合、その分野自体に関しては不案内であるため、常識から見ればさほど問題はなくても、専門分野の人から見ると問題点が見つかるといったケースが生じやすい。こうした背景には、語学教育における、実生活に近い教材を使おうとする方針もある。
「国語I」第1問(現代文評論)で、大岡信『抽象絵画への招待』が出典に用いられたが、この文章は高等学校国語教科書(第一学習社『高等学校 現代文2』)に所収されていたほか、過年度にも様々な大学入試や模擬試験で既に使用された文章であった。大学入試センターは、問題作成時点でのチェックミスと発表、異例の記者会見を開き謝罪したが、チェック自体がきわめて杜撰なものであったことが後日指摘され、社会的非難を受けた。