2005年度の本試験
「英語I・II」第5問の天気図を素材とした ⇒問題で、気象学的にはあり得ない寒冷前線図が素材となっていると、気象予報士の森田正光らが疑義を呈している[8]。
これは、前述の虫歯医療の英文と類似の問題点である。センター試験は、ほぼすべての大学受験生が共通に受験する試験という性格から、英語などの読解問題では、特定分野の知識を要求せず、一般常識と語学力のみで解答可能な作問を行う方針が望まれる。しかし、問題作成者(英語の場合は英語教員)が特定分野に素材を取った場合、その分野自体に関しては不案内であるため、常識から見ればさほど問題はなくても、専門分野の人から見ると問題点が見つかるといったケースが生じやすい。こうした背景には、語学教育における、実生活に近い教材を使おうとする方針もある。
「国語I」第1問(現代文評論)で、大岡信『抽象絵画への招待』が出典に用いられたが、この文章は高等学校国語教科書(第一学習社『高等学校 現代文2』)に所収されていたほか、過年度にも様々な大学入試や模擬試験で既に使用された文章であった。大学入試センターは、問題作成時点でのチェックミスと発表、異例の記者会見を開き謝罪したが、チェック自体がきわめて杜撰なものであったことが後日指摘され、社会的非難を受けた。この件に関しても、大学入試センターは得点調整・再試験などの措置は一切講じていない。
「国語I・II」第3問(古文)問4に関して、河合塾は「正解をひとつにしぼるのは困難」と指摘し、大学入試センターに対して公開質問状を提出した。問題は『日光山縁起』の一節で、5つの選択肢のうち正しいものを1つ選ぶものだが、選択肢(5)「不孝をわびたい」という心情を本文から読み取ることは困難であり、また選択肢(2)にある馬との対話とも読み取れるとしている。
この問題の背景としては、近年のセンター試験古文は、高校の学習範囲ではない江戸近代などの文章(平安文法を逸脱しているもの)が多く、また、物語になると、表面からはとても読み取れないような深いことを聞いており、センター試験レベルの出題ではない、といった点が挙げられる[9]。
2006年度の本試験
「政治・経済」において、実教出版発行の教科書の日本と他国のGDP比較のグラフと類似のものが出たが、教科書に誤りがあったため間違えた受験生が発生した。しかし、救済措置は取られなかった。
2007年度の本試験
「世界史B」小問32に関して河合塾は、「フランスでは、普仏戦争(プロイセン = フランス戦争)の敗北後、第三共和政が成立した」という文を正文として扱う問題があったのに対し、東京書籍『新選世界史B』(採択率:8.2%)と三省堂『世界史B』(同3.9%)では、第三共和政の開始を普仏戦争中の1870年として扱っており、学説的にも異同が見られることから、不適切な設問ではないかとする質問状を大学入試センターに送付した。これについて大学入試センターは21日、第三共和政が成立した時期については様々な説があるが、一般的には普仏戦争後に成立したと考えられているとして、明らかな出題ミスではないと回答した。だが河合塾は同日、該当の教科書で履修した生徒に対して問題が不利益になったこと、普仏戦争の敗北と第三共和制成立の定義について再考してもらいたいとして、質問状を送付している。
河合塾は、「化学I」第4問問4(加水分解後の物質より元のエステルの構造式を問う問題)についても、ギ酸はフェーリング反応をせず、問題文中の記述「b 得られたカルボン酸は、フェーリング液を還元した」を正確に考えると正解がなく、深く学習をした受験生にとって不利益になったとして質問状を送付している。