全教科・全科目で設問の解答をマークシートに記入する方式となっており、記述式の設問はない。各科目ごとに決められている高等学校の学習指導要領に沿って出題される。すべての受験生を対象にしているため、教科書にある例題のような出題も多く、対策さえしていれば比較的容易に高得点がマークできる試験である。ただし、多くの受験生が高得点となるため、少しのミスが後々の受験に大きな影響を与えることもあるので注意が必要である。
1979年から1989年までの間、国公立大学の入学志望者を対象とした「大学共通一次試験」(共通一次)が実施されていた。これは、入学試験問題において奇問・難問の出題をなくしたり、歴史などの重箱の隅をつついたりするような設問をなくし、一定の学力基準を測るものとして導入されたものである。しかし、実際にはこういった設問を完全に排除することができず、1990年から、国立大学の共同利用機関である大学入試センターの実施する「大学入試センター試験」に変更し、私立大学も試験成績を利用できるようにするなど、試験自体を流動性のあるものに改めた。2006年には英語科のリスニング試験が、世界で初めてICプレイヤーを利用したリスニング試験として実施され、機械に関するトラブルも含めて話題となった。
国公立大学においては(一部の推薦選抜などを除き)出願資格を「センター試験で本学が指定した教科・科目を受験した者」と規定している。生徒の学力低下の懸念から、ほとんどの国公立大学ではセンター試験で5 (6) 教科7科目の受験が必須である。文系では外国語、国語、数学2科目、地理歴史、公民、理科1科目が、理系では外国語、国語、数学2科目、地理歴史または公民、理科2科目が主流となっている。また私立大学の参加も年々増加している。私大の場合、センター試験の入学者選抜への利用方法は各大学が個別に設定している。
平均点はおおよそ6割程度になるように作成されているが、年度や科目によっては、想定以上のずれが生じることは避けられない。その場合は、翌年度の同一科目の難易度を、前年度に比べ逆にしてバランスを保とうとしているようである。つまり、ある年度の問題の難易度が低かった場合(平均点が高かった場合)、翌年度は難易度が上がり(平均点が下がり)、難易度が高かった場合(平均点が低かった場合)はその逆になる。このため、受けようとする科目の過去数年間にわたる平均点の推移を把握しておくことで、出題難易度をある程度は予測できるのである。
試験会場は、様々な大学、高校に設定されている。なお、試験1日目の前日の金曜日は、「設営準備日」として試験会場の建物とその周辺が関係者以外立入禁止となる場所が多い。
試験が行われる1月中旬は厳冬期に当たるため、雪により公共交通機関のダイヤに混乱が生じた場合には開始時刻を遅らせるなどの措置が取られることが多い。なお、センター試験が実施される2日間は全国的に大雪になったりぐずついたりすることが多く、「センター試験の日は雪の特異日」とも言われている。この日は、雪のあまり降らない東京でも異例の降雪確率を誇っている。
この他に、共通一次試験の場合と同様、1994年・1995年は成人の日(当時は1月15日)に試験が実施されていた。
沿革
1988年12月:試行テストを実施
センター試験を新たに利用する私立大学のうち、今回の試行テストに参加した大学・学部を受験する当時の高校3年生が受験者(モニター)となり、センター試験の受験予定者(当時の高校2年生)向けのものではなかった。
私立大学の関係者が、どのように試験を実施するのかを確認することに加え、試行テストの成績と実際の入試結果との比較調査を行うためであった。ただし、合否判定の資料にならないよう、成績は翌年4月以降に各大学へ通知された。
試行テストは2日間にわたって実施され、1日目は国語・社会・数学A・数学Bの3教科10科目、2日目は外国語・理科A・理科B・理科Cの2教科8科目がそれぞれ実施された。
1990年:大学共通一次試験を改称し「大学入試センター試験(第1回)」を実施
1997年:学習指導要領の改定に伴い、試験内容を一部改定
外国語に「中国語」を導入
「国語」を「国語I」「国語I・II」に分割
社会グループを地理歴史グループと公民グループに分割
新科目である「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」をそれぞれ導入、「倫理、政治・経済」を「倫理」「政治・経済」に分割
数学AグループとBグループを数学 (1) グループと (2) グループに改称
新科目である「数学I」「数学I・数学A」をそれぞれ導入(数学 (1) グループ)
「簿記会計I・II」を「簿記」に変更、新科目である「情報関係基礎」を導入(数学 (2) グループ)
理科Aグループ・Bグループを、それぞれ理科 (1) グループ・ (2) グループに改称(Cグループは廃止)
新科目である「総合理科」「物理IA」「物理IB」「生物IA」「生物IB」「化学IA」「化学IB」「地学IA」「地学IB」をそれぞれ導入(1997年度・1998年度は旧課程履修者のため、旧数学I・旧数学II・理科Iも平行して実施)
1999年:旧数学I・旧数学II・理科Iを廃止
2002年:外国語に「韓国語」を導入
2004年:短期大学の利用が開始、生物IA・生物IBを理科 (1) グループから理科 (3) グループに移行
2006年:学習指導要領の改定に伴い、試験内容を一部改定
外国語のうち、英語にリスニング試験を正式導入(配点50点・試験時間30分)
「国語I」「国語I・II」を「国語」に統合
「簿記」を「簿記・会計」に変更、「工業数理」を「工業数理基礎」に変更(数学 (2) グループ)
「総合理科」を廃止し、「理科総合A」(物理・化学分野)「理科総合B」(生物・地学分野)に分割(2006年度に限り旧課程履修者のため、物理IA・化学IA・生物IA・地学IA・総合理科も平行して実施)
2007年:物理IA・化学IA・生物IA・地学IA・総合理科を廃止
センター試験は、大学入試センターの「教科科目第一委員会」に所属している、国公私立の大学教員などを中心とした約400人が問題を作成している。出題科目の作業部会と点字問題の作成部会の計24部会が設置されており、委員の任期は2年で、毎年約半数ずつ交代する仕組みとなっている。
出来上がった問題は、大学入試センターの「教科科目第二委員会」に所属している、第一委員会での委員経験のある、国公私立の大学教員や学識経験者などの約100人によって点検される。出題科目ごとに計21の点検部会が置かれており、ここでは構成や内容、解答、用字・用語などの点検が行われる。続いて、国公私立の大学教員や学識経験者などで構成される「教科科目第三委員会」で形式や表現、各科目間での整合性、重複などの点検が行われる。また、点検協力者として、難易度や出題範囲が学習指導要領から逸脱していないかを確認するため、少数ではあるが高校の教員も参加している。
点検が行われた問題は印刷に回され、24時間厳重に警備されている保管倉庫に一旦保管される。その後、試験数日前に全国約700の会場に送られて、当日まで厳重に保管される。ここまでの過程で、全体で数千人が関わってくる。なお、問題用紙の試験場までの輸送も特別な専用車を用いて、警備員常駐で輸送されている。また、大学入試センターは警察庁・警視庁・各都道府県の警察に対して、試験問題の輸送時における警備協力の要請を行っている[1]。