iPod
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この項目では、iPodファミリーの共通事項について説明しています。旧iPodシリーズについては「iPod classic」をご覧ください。

iPod(アイポッド)は、かつてAppleが開発・販売していた携帯型デジタル音楽プレイヤー。本体に搭載されている記憶装置に数百から数万曲の音楽を保存することができた。左から、iPod shuffleiPod nanoiPod touch

2001年10月23日に第1世代を発表[1]。Appleから発売されていた最後のモデルはiPod touch(アイポッド・タッチ)のみであったが、2022年5月10日に在庫限りで販売終了となることが発表された[2]
バリエーション

Appleは2017年7月までは3種類のiPodを販売しており、モデルによって容量やデザインが異なっていたが、同年7月27日にiPod shuffleとiPod nanoのApple Storeでの取り扱いを終了。2022年5月10日に最後までラインナップされていたiPod touchの在庫限りでの販売終了を告知。これにより2001年からのiPodシリーズの歴史に終止符が打たれた。

iPod classicは初代iPodからの流れを汲むシリーズであったが、2014年9月10日にApple Storeでの取り扱いを終了した。

iPod miniはiPod nanoの登場に伴い生産中止された。iPod U2 Special Editionは第5世代iPodの登場に伴って一旦生産中止されたが、2006年6月6日、第5世代iPodの30GBモデルをベースに、背面のステンレススチールまで黒いオールブラックの筐体で再登場した。

初代iPodを発売した時期に他のメーカーは数十MBのSDカード等を音楽ファイルのストレージにしており、突然5GBの音楽プレイヤーを発売したことは大きな衝撃であった。

iPodはその時期に応じて投入される新しい世代の存在が市場における牽引力になり、2001年にオリジナルモデル(第1世代)が登場して以来、市場の中で高い地位を確保し続けていた。


iPod(オリジナルからの流れをくむiPod)詳細は「iPod classic」を参照

初版発売日:2001年10月23日。ハードディスク内蔵タイプ。2019年発売のiPod touch (第7世代)256GBモデル登場まで、iPodファミリーで最大の保存容量を有していた。2014年9月に販売終了。
iPod mini詳細は「iPod mini」を参照

初版発売日:2004年1月6日。1インチハードディスクを内蔵し、オリジナルのiPodよりも小型軽量。2005年9月に販売終了。
iPod shuffle詳細は「iPod shuffle」を参照

初版発売日:2005年1月11日。液晶画面を廃し、シャッフル再生に特化したタイプ。衣服等に付けるためのクリップを備えており、VoiceOver(ボイス・オーバー)機能により再生している楽曲を合成音声で読み上げる。2017年7月に販売終了。
iPod nano詳細は「iPod nano」を参照

初版発売日:2005年9月7日。フラッシュメモリーを使い、iPod miniよりもさらに小型化したシリーズ。iPod miniの後継機種にあたる。第5世代のみカメラ採用。第6世代からカメラを採用せず、タッチスクリーンに対応した。2017年7月に販売終了。
iPod touch詳細は「iPod touch」を参照

初版発売日:2007年9月5日。全面タッチパネルによるユーザインターフェースをもち、無線LANによるウェブブラウズ、アプリケーションの追加などが可能。iPodファミリーで唯一iOS(アイオーエス)を採用し、iPhone(アイフォーン)に準じた仕様である。2019年モデルiPod touch (第7世代)はiPod史上最大のストレージである256GBを有する。
特徴iPodのホイール部分。一部の機種を除きこれでほぼ全ての操作を行う

iPodは光沢のある白または黒、金属的な銀を基調としたシンプルなデザインで、iPodおよび第1、第3世代のiPod nanoの裏面は鏡面加工されたステンレスを用いて高級感を演出している。

最初のiPodは「四角と丸で表す事ができる」デザインで、後の世代やmini、nanoもそれを踏襲している。大きな液晶画面を備え、その下にはiPodの象徴とも言うべきホイールがある。このホイールを用いて選曲、音量調整、早送り、巻き戻し、画像・動画閲覧などすべての操作を直感的に行える。このデザインは、液晶のないshuffleですらホイールとよく似た形のコントロールパッドを備えるほどに一貫していた。ただし、2014年9月のiPod classic販売終了以降、このデザインを採用しているモデルはない。touchは従来のiPodとは異なり、表面全体を液晶画面とし、それに触れることで直観的な操作を実現している。

iPodには1G、2G、3Gというように明確な世代が存在する。なお、これらの数字の後ろにある「G」は、「世代」を意味する英単語である「ジェネレーション」[3]の略である。日本語においては第1世代などと称されることもある。

iPodへ音楽・動画やそのプレイリスト、写真などを転送するには、iTunesもしくはXPlayなどのアプリケーションを使用する。開発元のAppleではiTunesを使用することを推奨している。
ユーザインタフェース

「アーティスト」「アルバム」「ジャンル」等で管理される階層的な検索システムを持つ。これは クリエイティブテクノロジーの持つ「ZEN特許」とも呼ばれている[4]ユーザインタフェース関連の特許に該当し、他社製プレイヤーにも同様のユーザインタフェースを持つ物がある。なお、Appleはクリエイティブテクノロジー訴訟に対し1億ドルの和解金を支払い、和解した[5]

iPod(のちのiPod classic)、第5世代までのiPod nano、iPod miniのユーザインタフェースは、中央のスクロールホイールを使って操作し、階層構造をたどって選曲するタイプのものである。この方法により、何千曲ものライブラリがあったとしても、ユーザは容易に選曲をすることが可能である。再生中の曲の頭出しや早送り、音量調整、収録されているゲームの操作や写真・動画の閲覧も、全てスクロールホイールによって行うことができる。このデザインは第1世代から踏襲されており、スクロールホイール(その後、クリックホイールに改良されている)はiPodの象徴ともなっている。

iPod touchやiPhone、iPad、iPod nano(第6世代以降)などは、タッチパネルでの入力となっており、こちらも直感的な操作ができるように工夫されている。

GUIの言語はmacOS同様、21言語を切り替えて使用できる。

モノクロディスプレイの液晶表示の書体は、英数字フォントに「Chicago(シカゴ)」、日本語フォントに「Osaka(おおさか)」を採用している。これは9.X以前のClassic Mac OSにおいて表示用全般として使われていたフォントである。第4世代以降のカラーiPodは、書体として英数字に「Helvetica(ヘルベチカ)」、日本語には「ヒラギノ角ゴシック」を採用している。「Osaka」以外はいずれもアンチエイリアス処理がなされている。ただし、第4世代以降のiPodでもディスクモードにしたときのフォントはChicagoになる。
USBストレージ

iPod Touchを除く現行モデルのiPodはUSB大容量記憶装置としても利用できる。過去のモデルではFireWire接続の外付けディスクとして利用できるものもあったが、2005年9月発表のiPod nano以降のモデルではFireWire接続には対応していない。MacはFireWire接続の外付けディスクを起動ディスクとすることも可能だが、Apple社はiPodの起動ディスクとしての利用を推奨していない[6]
ソフトウェア

iPodにはさまざまなソフトウェアが搭載されていて、パソコン側のiTunesを通して、バックアップもとれる。
ミュージック
iPodは
MP3WAVAAC/M4A、Protected AAC/M4P、AIFF、Audible audiobook/AA/M4B、Apple Lossless音声ファイルフォーマット/M4AおよびM4Vの再生に対応する。ただし、iPod shuffleはApple Losslessには対応していない。第5世代のiPodではこれに加えて H.264MPEG-4の再生にも対応する。iTunes for Windowsでは、コピーガードが無いWMAファイルをAAC、MP3、WAVの各形式に変換し、iPodに取り込めるようにもできる。AppleはiTunesメディア・ライブラリー・ソフトウェアと連携して利用することを前提としてiPodを設計した。iTunesはコンピュータおよびiPod上の音楽ライブラリを扱うためのソフトウェアである。iTunesは特定のプレイリストまたは音楽ライブラリ全体の内容を、ホスト・コンピュータとiPodを接続するたびに自動同期することができる。もちろん、iTunes上で作成した スマートプレイリスト を、そのままiPodに転送することや、iPod上で自動的に更新させることも可能である。自動同期を行わず、全ての曲とプレイリスト、あるいは一部のプレイリストのみを手動管理することもできる。ユーザーはiPodないしiTunes上で音楽のレーティングをつけることもでき、0?5つ星まで指定可能である。
VoiceOver(ボイスオーバー)
再生している楽曲を合成音声で読み上げる機能。iPod shuffleとiPod nanoに搭載。液晶を持たないiPod shuffleを除くiPodは、音楽再生機能に加えて簡易なPDA的な機能を備えていて、PDAの初心者には便利である。最新のiPod touch 64GBを例にとって見ると、
メモ、連絡先
「メモ」では簡単なメモを入力して、各メモの最初の行をリスト名として、あとで見ることができる。ただし、リストは作成日時の逆順に表示されるだけで、アルファベット・五十音順または分類項目順などにはできない。なお、「連絡先」もすべてアルファベット・五十音順になり、分類項目順(親類、知人、同僚など)にはできない。
写真アルバム
「写真」では、iTunesで指定したパソコン側のフォルダーまたはAdobe Photoshop AlbumアドビはPhotoshop 2.0.1までを出荷して、その後販売を中止)のコレクションから同期の時にiPodへダウンロードして、写真アルバムを見ることができる。リストはフォルダ名またはコレクション名の五十音順・アルファベット順になる。
多言語処理
「設定」の「一般」から「言語環境」で、世界の30に渡る言語環境から自分の好きな言語を選ぶことができる。同様に「キーボード」から「各国のキーボード」で、43の各国語のキーボードから日本語、英語(米国)、ロシア語、簡体字中国語など複数を自由に選ぶことができ、これらは入力の際にはキーボードのシフトキーの横の地球マークを押すたびに入れ替わり、外国語ができる人には大変便利である。ただし、英語にはプレディクター機能[7](例えば「sch」までを入れた段階で「schedule」、「school」などを選択できる機能)はなく、ロシア語を英語キーボード方式で入れるような機能もない。
iTunesでの同期(パソコン側)
詳細は「iTunes#パソコンとの同期」を参照パソコン側のiTunesソフトは音楽データをiPodに送るだけでなく、PDA機能であるカレンダー、連絡先、メモ機能などをiPodまたはパソコン上の最新情報をお互いに同期させる機能がある。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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